女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss
  • ブックマーク

2016年1月1日

「住育」の提唱者、宇津崎光代さん、友見さん親子を訪ねて

Pocket
LINEで送る

男社会の建築業界に「主婦目線」で挑戦
「家族が幸せになる家」は、お母ちゃんの人生を賭けた夢

 

「食育」や「知育」ならよく耳にしますが、「住育」というのはどういうものなのだろうか。子供たちの成長や、家族の幸せに、とても大きなウェイトを占めている「住まい」。だとすれば「住育」とはかなり大切なことなのでは?

 

3人の子供を育てながら、主婦目線で住まいづくりを考え、「住育の家」を提唱。TVや新聞他多くのメディアで話題の(株)ミセスリビング会長、宇津崎光代さんと、長女で同代表取締役社長の宇津崎友見さん親子を、京都に訪ねました。

 

 

 

京都市左京区の国際会館の近くに建つ白い家。まわりの自然にも調和したシンプルな家です。ここが「住育のおかあちゃん」光代さんの自宅であり、ミセスリビング本社。オープンハウスも兼ねており、2000年の完成から、現在までに6,000人以上の方が、見学に訪れたと言います。

 

玄関を入ると満面の笑みで迎えてくれた光代さん。吹き抜けのリビングは開放的で気持ち良く、2階の部屋からもリビングが見渡せます。その2階へ続くはしごが、リビングについていて、子供たちに大人気なのだといいます。

 

 

 

 

 

キッチン、お風呂、洗面、トイレは扉だけで区切られ、一直線に並んでいます。見るからに無駄が無さそうですが、これは子育てや介護がラクにできる工夫なのだとか。トイレで失敗しても、扉を開ければ直ぐにお風呂で洗えます。料理をしていても、お風呂に気を配れます。

 

 

短大を出て教師をしていた、光代さんが建築業界に入ったのは、建築業の男性と結婚したから。光代さんが25歳の時、旦那様が、独立して工務店を出し、教師を辞めて手伝うことになったのだとか。

 

「当時はこの業界は、今にも増して男社会。現場に出ることも多かったのですが、その頃の間取は、主婦には使い勝手が悪いように感じました。思い切って夫に言うと『ド素人が黙っとけ』と怒鳴られる。でも素人だからわかることもある。では、プロになってやろうと、家事、育児、会社の仕事をしながら、3つのスクールへ通いました。睡眠時間は3時間でした。おかげで、3つの資格を取り、お客さまのご希望に添えるアドバイスをできるようになり、喜ばれる様になると、夫からも認めてもらえるようになったのです。

 

家族がワクワクして帰りたくなる家を造りたいとの思いで、「ミセスリビング」を設立してからは、欧州やアメリカへも視察に行き、メディアにも取り上げて頂くようになったのですが、バブル崩壊と夫の死で、14億もの負債を抱えたりもしました。持っていたものを全て失いましたが、それでも残った借金で、死にたいとさえ思い詰めました。ですが、その頃すでに入社していた2人の娘と、たくさんの方の応援で、なんとかここまで来られました。」と、苦労の多かった人生をさらりと話してくれます。

 

 

―その人生の集大成とも言える「住育の家」に、現在住んでいる光代さんですが、いろいろな検証を重ねながら、今のカタチになったと言います。住育の家とはどういうものなのでしょうか?

 

「子育て中のお母さん。毎日家事をする主婦のストレスは、暮らしの空間に原因があると思うのです。『ただいま』と言った時に家族の顔が見えないとか、家族が出て行ったことも帰って来たこともわからないうちに、勝手に出たり入ったり。キッチンに立つおかあさんの背中しか見えない、おかあさんは家族の顔が見えない。孤独に家事をしている…家の中で暮らしを楽しんでいないのはすごいストレスです。

 

そういうのを全部無くして家族の気配が分かる家づくりをお勧めしているのです。帰ればうがい、手洗いがすぐできる家。子供と一緒に料理ができ、家族のコミュニケーションが自然ととれる家。自分の部屋にこもるのではなく、リビング・ダイニング・キッチンで皆が揃う、家族の気配が分かる家で育てば、子供たちは安心ですし、自信のある子に育って行きます。」

 

 

―現在のこの家ではお母様の介護をしながら、介護が楽にできる家という検証も重ねてきたとのことです。

 

「元気と勇気と達成感」が味わえる家だと思っています。介護がしやすいというだけでなく、一人でお風呂に入れるように、適切な位置に手すりをつけ自分で入れたことに達成感を覚え、満足してくれました。」

 

この「お母ちゃんの住まい」は、日本や海外のメディアに取り上げられ、2005年ロシアの国際環境連合から、「インターナショナルエコロジー賞」を受賞しま した。世界に広がる「住育の家」。今では住育の考え方に賛同する企業や、施工取り扱い店も多く、「住育コミュニティ」も毎年開催しています。「住育の家」 を建てる方や、住育アドバイザーも増えて来ました。

 

長女の友見社長と並び、「おかあさんしゃべり過ぎ」などと、憎まれ口を叩かれながらも、2人で苦労話を懐かしむ姿は、窮地に立ったときも、親子で這い上がって来たからこその「強い絆」なのかもしれない。

 

 

柔らかな光が溢れるリビングで、お2人の姿を見ながら「住育の家」とは、単に幸せな家族をつくるだけでなく、不幸にも負けない強い「家族の絆」もつくっていける家なのだと思わずにはいられませんでした。

 

 

Pocket
LINEで送る