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シネマ365日

2016年1月4日

特集「新年おめでとうございます」④
大人の女子会 ナイトアウト(2014年 コメディ映画)

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監督 アンドリュー・エルウィン/ジョン・エルウィン

出演 サラ・ドリュー

シネマ365日 No.1620

ソウル・メイト

特集「新年おめでとうございます」

お正月はそれなりにお出かけのチャンスが多いもの。とはいえ、結婚してからの女性は価値観も変わります。年来の女友だちよりダンナと子供、家庭運営にかかりきり、それが幸せと、なに不自由ない暮らしに満足していたものの、本作のヒロイン、アリソン(サラ・ドリュー)は、自分の時間がもてない不満が鬱積。愛情豊かな夫、可愛いさかりの3人の子供。それなのにこのむなしさ、やるせなさ、わたしはこれでいいのか。人生は虚無だ…アリソンは女ともだち二人に電話し、育児疲れ、夫疲れ、家庭疲れにどっぷり浸かった自分の「脱日常」を図る。厳密にいえばたった一晩、子供の世話もダンナの話の聞き役も投げ出し、女同士で盛り上がろうというのだから、ささやかなものだ。子供にふりまわされている主婦なら一度や二度、同じ思いになったことがあるにちがいない、それに、でかけても子供のことが気になってしかたない、というところも大いに共感をよぶでしょうね▼女同士の(男同士でもいいが)風通しのよさは、同性でないとわからないものが、確かにあります。であるから、女子会というのはつまるところ、おいしいものを食べて日頃のウサを晴らす、きいてほしい鬱憤を打ち明ける、聞き手がうなずいてくれさえしたら気がすむという、他愛ないステージでなりたっている。根本的な解決にはならないかもしれないが、とりあえず本人は気がすむ。専門のセラピストにしたって、これと言った具体的なことはなにもいわず「…」と相槌をうっているだけだ。でもそのへんが女子会だとあなどっているのは、たいてい男性の表面的な見方なのよ。助け合う女同士の友情はいまや映画の沃野。映画は社会の鏡です。古典となった女ふたりの逃避行「テルマ&ルイーズ」、砂漠にポツンとある「バグダッド・カフェ」で織りなされる人生、浮気した夫に復讐するため、同盟した3人の女友だちの「ファースト・ワイフ・クラブ」。女が脱げる最後のチャンス、えーい、脱いじゃえ、となったのは「カレンダー・ガールズ」…なにがいいたいか。ソウル・メイトは男だけのものじゃないばかりか、女のそれは社会的な市場さえ占めてきたってこと▼例に上げた作品に比べたら、本作は彫り込みの浅いのがちょっと物足りないけど、まあ新年ではあるし、小うるさいことはいわないでおこう。それなりにドタバタで保たせていますからね。アリソンって健気でしてね、主婦として母親として、なんでも完璧にこなそうと一生懸命。突然涙がとまらなくなるわ、悲しくなるわ、自分がみじめになるわ、そらしんどいわ。ドレスに着替え、ディナーにでかけたのはいいけれど、ひさしぶりのヒールにコケそうになる(笑)。女たちは、今夜だけはケータイを無視しようと、車のなかに放り込んでくりだしたのはいいが、預けた子供が行方不明、あわてまくった夫たちはパニクって上を下への大騒動だ。それでも(自分が悪かった)と責めるのが母親なのね。このへん、もうちょっと女のラジカルな本性を、勢い良く暴露させてほしかったけど。ドジ踏んだのは女だけじゃないでしょ。なんで女が悪者になってメソメソしなくちゃ、いけないのよ▼しかし、ブランドとコスメと二言目にはイケメンと、旅行の話題で盛り上がるだけの女子会って、つくづくつまらないのも事実なのだ。おしゃべりなんかどうでもいい。毒にもクスリにもならない世間話なんか、何時間しゃべっていても救いにはならない。相槌うつのに首がくたびれる。ホントに大事にしたいのは数少ない「ともだち」そのものなのだ。夫でもない、子供でもない、家族でもないが、適切な距離を保ちながら共に歩いていける「よき友」。少し話はそれるが、男だろうと女だろうと、自立する人間が増えれば増えるだけ、必要とされる絆は、血のつながりだけではないと思う。いつまでもこの程度の「女子会」で救われる悩みなら、そんな幸せな人生はないと、このおめでたい映画は教えてくれる。

 

 

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