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特集「美魔女」

2016年1月22日

特集「美魔女2」④キャスリン・ターナー
ローズ家の戦争(1990年 社会派映画)

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監督 ダニー・デヴィート

出演 マイケル・ダグラス/キャスリン・ターナー/ダニー・デヴィート/マリアンヌ・ゼーゲブレヒト

 

シネマ365日 No.1638

愛のかけら 

ローズ家の戦争(1990年 社会派映画)

17年前幸福な結婚をした、オリヴァー(マイケル・ダグラス)とバーバラ(キャスリン・ターナー)の離婚騒動は泥沼を呈し、戦争とよぶにふさわしい状態に陥った、そのさまが、中に入った弁護士ギャビン(ダニー・デヴィート)の目を通して語られる。ナンタケットのオークションが出会いの場だった。日本の置物をせり落とすのを競ったオリヴァーとバーバラは、帰途こんな会話を交わす。「ぼくはハーバードの法科卒。金はないが頭脳はある。君は?」「両方ないわ。でも背が高くなりすぎて体操の選手になりそこねたの。筋肉は相当なものよ」。劇中ところどころ、ギャビンのコメントがはさまる。「男を決めるものが4つある。家と車と女房と靴」だそうだ。オリヴァーは法律事務所の役員となり、バーバラは望む家を手にいれた。フチの欠けたグラスで育った彼女は豪邸の管理に没頭した。息子と娘はどちらもハーバードに進学した。家を守り夫と子供に自分を捧げてきた妻の仕事のすべてが片付き、バーバラの心が空虚になったとき、彼女は自分の作ったパテが売り物になることがわかった。「ひさしぶりにお金を稼いだわ」と彼女は喜ぶ▼夫は仕事を持った妻のために、家政婦スーザン(マリアンヌ・ゼーゲブレヒト)をやとってやる。バーバラは夫が欲しがっていた車をプレゼントする。ある日オリヴァーが心臓の発作で倒れるがバーバラは病院に現れなかった。夫はひとりで帰宅した。迎えたのは愛犬だけだった。どうして病院にこなかったかと聞いた夫に、妻は「もしかしてあなたが死んだらと思ったとき、幸せと自由を感じたからこわかったの」そしてキッパリ「離婚しましょう」。夫はアッケ。「君と子供たちにいい暮らしをさせようとぼくは汗水流した。この家を買ったのはぼくだ」「わたしがいたから稼げたのよ。あなたが食事をしている、眠っている顔をみただけでぶっとばしたくなるの」。妻の要求は「ひげそり道具をのぞいたあの家の一切」をもらう。夫は「絶対に渡さない」真っ向から対立。ギャビンは「恋愛と復讐にかけては女のほうがウワテだ。あんな家、彼女にやってほかの女をさがせ」ともっともなアドバイスをするが、オリヴァーは貸す耳もたぬ▼「キティ、キティ、どこへ行ったの?」バーバラがネコをさがしている。彼女はキティを溺愛しているのだ。オリヴァーはイヌを可愛がっている。イヌもまたオリヴァーに忠実だ。ある夜イヌに追いかけられたネコは誤ってオリヴァーの運転する車の前に飛び出し、轢き殺されてしまったのだ。昼も夜もバーバラは「どこなの、でておいで」と屋敷の内も外も探す。とうとう夫にきく。「わたしのネコはどこ? あなたがなにかしたのね」「君が殺したのだ。君のせいで車を出すはめになったからだ」バーバラは夫の入っているサウナのドアを釘で打ち付け閉じ込めた。脱水症状で半死半生の目にあわされたオリヴァーは、妻のヒールのカカトをノコギリで全部切り落としてしまう▼喧嘩はエスカレートしていった。階段ですれちがっても「メスブタ」「ゲス」「尻軽女」「くそったれ」「カス女」「オカマ」と悪口を投げつけ合う。バーバラが料理評論家を招いた晩餐会に、よばれもしないオリヴァーが顔をだし、風邪気味だといってわざと料理の上にくしゃみし、ツバを落とし、鼻をかんだティッシュをスープに投げ込み、台所に入って料理中の大きな魚に小便をひっかける。妻は4WDを夫の車にぶつけペシャンコにする、家の中では高価な皿や陶器を投げ合って割り、あげく夫は妻を階段からつきおとすが、体操選手だった妻はくるくる宙返りしながら着地する。ある夜妻はパテを焼き、夫はワインの年代物を持ってキッチンにきた。夫は休戦を提案する。「まだ間に合う。どっちも決定的なことはしていない」。妻「わたしはしたわ。パテの材料がなにかってことよ。ワン!」。逆上した夫は家中のドアというドア、窓という窓をうちつけ、中から出られないようにして妻を閉じ込め、火かき棒をもって妻を追いかけまわし「助けてほしかったら家をあきらめろ」「ノーよ!」。妻はシャンデリアに飛び移る。夫も飛び移る。重みでシャンデリアは落下。ふたりは墜落死する。オリヴァーは虫の息で妻の手をとる。妻は最後の力をふりしぼり、その手を「ポイ」と身体からどける▼ギャビンはこうコメントする。「男と女のジレンマはふたつの方法に落ち着く。離れていく相手をどうひきとめるか、離れない相手をどう追い払うか」「この離婚劇の教訓は? イヌ好きはイヌ好きと結婚すべきということか。あるいは円満な離婚など言葉そのものが矛盾しているということか。一生続く結婚なんて不自然なものなのかもしれない。自分の両親は63年間添い遂げしかも幸福に暮らした。どうしても離婚するなら、屋根から飛び降りる気で奥さんに寛大になることだ。それができないなら離婚騒動は手早くスッキリ片付け、新生活に踏み出せ。あるいは家に帰りかけらでもいいから探すのだ、青春を捧げた女への愛のかけらを」▼劇中、ギャビンを籠絡しようとバーバラが彼の事務所におしかけるシーンがある。ダニー・デヴィートは156センチ。キャスリン・ターナーは180センチ。どっちもが立ったままでは絵にならない。ターナーが椅子に腰をおろし、脚を組む。このときの脚の組み方がじつにきれいなのである。脚を組むのはタバコと同じで、ただ煙をふかせばいい、脚をのせればいいというものではない。その一瞬に、人柄や性格はおろか、彼女の人生が見えるような、絵になる女優がいるものだ。ひさしぶりにそんな女優をみた思いがした。最近ターナーが激太りだとか、オバサン化したとかの写真がサイトに出ているが、世の中ってそんなことを面白がる連中で満ち満ちているのだね。それはそれでホントかもしれないが、女優というのはまず銀幕の中で生きる存在だろう。あとは野垂れ死にしようと、養老院で忘れさられようといいじゃないの。

 

 

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