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特集「美魔女」

2016年1月23日

特集「美魔女2」⑤グレッチェン・モル 
ベティ・ペイジ(2005年 事実に基づく映画)

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監督 メアリー・ローハン

出演 グレッチェン・モル/リリ・テイラー

 

シネマ365日 No.1639

愛らしい女 

ベティ・ペイジ(2005年 事実に基づく映画)

グレッチェン・モルのはまり役です。裏マリリン・モンローと呼ばれた伝説のピンナップ・ガール、ベティ・ペイジを演じモルの代表作となりました。内容もいい映画ですよ。保守的な伝統が女をしばっていた1950年代に「完璧なボディ」で男たちを魅了し、人気絶頂のとき、わずか7年で表舞台から去った女。なんといってもベティの性格が愛らしいのです。疑うことを知らない。人間の善意を信じている。故郷のナッシュビルでベティは敬虔なクリスチャンの両親のもとで育つ。裕福ではないがベティは成績優秀で大学を目指していた。次席だったため奨学生となれず進学をあきらめニューヨークへ。演技の勉強をしながらアルバイトでモデルの仕事をする。調子のいい男にだまされ郊外で輪姦というつらい目にあいながら、いつまでもひきずらない。カラッと立ち直り水着モデルの仕事で森の中へ。素人カメラマンと気があってビキニの「上だけなら脱いでもいいわよ」なんていい、男があんまり喜ぶものだから下まで脱いじゃう。天真爛漫に近い▼彼女がボンデージの女王となったのは写真家アーヴィング・クロウと妹ポーラ(リリ・テイラー)に出会ったからだ。彼の店の一階ではスターの写真や雑誌を販売し、二階のスタジオは「寝室の美女」「戦う女たち」「縛られて」「快楽の祭典」といった写真を撮りマニア向けに密かに販売しているのだ。ポーラはベティに言ってきかせる。「お客の目的は靴よ。世の中にはいろんなタイプがいるの。こういうものを好む人は一流の人たちなの。医者、弁護士、判事、外交官。重圧のかかる仕事よ。凡人とはちがう」。ハイヒール、ブーツ、網タイツ、編上げなどが人気のアイテムだ。写真を撮る寸前ポーラは「待って。はみだしている。これ、もうひとつ穿いて」とデカパンを穿かせる。ヌードにもなり、女ふたりが組んで「お尻ペチペチ」のお仕置きもあり、というのにこのスタジオには艶かしさが皆無だ。女たちはさっさと服を脱ぎ、タイツをつけ、あるいは水着になり、いろんなコスチュームに着替え、嬉々として仕事する。ギャラはいいし短時間ですむし、男と寝るわけじゃない。クロウとポーラは話がわかる経営者で、女の子たちを大事にした。ベティはすっかりスタジオの家庭的な雰囲気が好きになる。ベティは人気絶頂を迎えていた▼ベティにボーイフレンドがいた。ベティの仕事がボンテージのピンナップ・ガールだと知り「恥ずかしくないのか」と問い詰める。ベティは言う「この仕事は絶対に脱がないし、演技をしているだけよ。うちのお客さんは弁護士とか、お医者さまとか、ストレスの多い仕事の人ばかりだから、これでストレスを解消したら世の中のためだってポーラが言っていたわ!」無邪気というか、一生懸命というか、健気というか、ベティの屈託のない天使のような明るさは天性のものなのだ。彼女はマイアミで女性写真家、バニー・イェーガーと出会う。イェーガーは「彼女のヌードはただのヌードではなかった。小麦色の肌、明るい態度、ベティの美しい健康な肉体こそヌードの真髄だった」しかし時代は保守的で、女の性とモラルに厳しかった。セックスを口にすることさえタブーだった50年代、ベティ写真は当時の道徳観と真っ向から対立することになる。上院委員会では、ポルノ商品は共産主義思想より危険であると証言されクロウとベティは警察に呼び出された。ポルノ撲滅運動の標的になったことを知ったクロウはスタジオをたたむ。幼いころから信仰心の厚かったベティは教会で神の啓示にうたれ、聖書とともに信仰の世界で生きる道を選んだ▼ベティのポーズは印象的だ、とメアリー・ローハン監督は言う。「彼女はとても幸せな表情をしている。だから魅力的なの。50年代の性産業は裏の世界だった。性に関してオープンでなく、公に知られていたのはキンゼイ・レポートくらいだった。当時わいせつとみなされたブーツや編上げが今ではヴォーグにも載っているわ。グレッチェンは、グラマラスで純粋さを保ったベティを完璧に演じ、ポーズをとることを楽しんでいたわ」。ローハン監督とともに脚本にあたったグウェネヴァー・ターナーは「Lの世界」「GOFISH」の脚本、監督。メアリー・ローハン監督は本作のあと「モスダイアリー」を撮っています。その前には「アメリカン・サイコ」を。リリ・テイラーの代表作には「ジュリー・ジョンソンの脱主婦宣言」「ガウディ・アフタヌーン」「チェリーについて」があります。マイノリティへのエールを感じます。

 

 

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