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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2016年2月3日

特集 LGBTー映画にみるゲイ165 
イミテーション・ゲーム(下)(2015年 ゲイ映画)

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監督 モルテン・ティルドゥム

出演 ベネディクト・カンバーバッチ/キーラ・ナイトレイ/マシュー・グッド

 

シネマ365日 No.1650

クリストファー

戦争はさらに2年続いた。暗号の解読は連合軍を日々勝利に導いた。スターリングラード、アルデンヌ、ノルマンディー上陸作戦…連合軍は勝利し、エニグマ解読チームは解散することになった。チューリングは「我々の戦争は、6人のクロスワード愛好者が英国南部の町で戦ったことだ。解読不能といわれた暗号を解読した。戦争に勝ったのは神ではない、我々だ」その彼らに下った軍の命令は「破壊せよ」だった。「すべての資料に火をつけ、燃やし、機械を破壊しろ。エニグマなど聞いたこともなければ君たちに会ったこともない。運がよければ二度とあうことはない」。クリストファーは破壊された。作業所の庭でチームの全員はビールを片手に資料を火に投じた▼チューリングはゲイであることを打ち明け婚約を解消するという。「わたしは男が好きだ」「だからなによ」ジョーンは食ってかかり「前からそう思っていたわ。私たちは人と違う、同じである必要はない、私たちなりに愛しあい、生きていけばいいと。あなたが好きなの、アラン。あなたは完璧な夫ではないし、わたしも完璧な妻ではないわ。あなたの帰りを待ってラムを焼くなどしない。仕事をするわ。あなたも仕事をし、いっしょに暮らすわ。心を通わせながら。それって、普通の結婚よりすばらしいと思わない?」「エニグマ解読のために君の能力が必要だっただけだ。それもすんだ。もう行っていい」「どこにも行かないわよ。ずっと気にしていたの。両親や同僚がわたしをどう思うかって。もううんざり。わたしの生き方の選択はなにより重要な仕事よ。だれにも邪魔させない。とくにあなたにはね。ピーターやヒューが言っていたわ、あなたはモンスターだって」▼シーンは一転。チューリングの少年時代だ。彼には友だちがいた。ふたりはクラスで最優秀の成績だった。彼の名はクリストファー。チューリングは彼を愛し、暗号でラブレターを書いた。ある日校長室に呼ばれる。「君はクリストファーと仲がいいのだね」自分の性向を隠すため「そんなことありません」と答える。校長は休暇で帰郷していたクリストファーの死を告げた。「結核だった。おそらく死を予期していただろうが、一言も表にださなかった。立派な少年だ」▼刑事の尋問によってチューリングのゲイが明らかになる。彼の家に押し入ったのはチューリングを客とした男娼だった。判事の出した選択肢は2年間服役するか、同性愛の矯正措置としてホルモン療法を受けるかだった。チューリングは研究の続行できる後者を選ぶ。自室で彼は再び「クリストファー」と向き合っていた。ジョーンが訪ねてきた。彼女は結婚し仕事を続けている。チューリングの手がふるえるのに気づく。薬物療法と聞いて怒る。なぜわたしを証人に呼ばなかったのかと。「今朝わたしは消滅したかもしれない町の電車に乗った。あなたが救った町よ。死んでいたかもしれない男から切符を買った。あなたが救った人よ。仕事に必要な資料を読んだわ。あなたがその基礎を築いた。あなたが普通を望んでも、わたしは絶対にお断り。あなたが普通じゃないから世界はこんなに素晴らしいの。ときとして、だれも想像し得ないような人物が想像できない偉業を成し遂げるのよ」。チューリングは1954年6月7日、青酸カリで自殺した。41歳だった。1885年から1967年の間に、英国法により4万9000人のゲイの男性がわいせつ罪で逮捕、有罪になって将来を失った。エニグマの解読によって戦争終結は2年以上早まり、1400万人以上の命を救ったと歴史家は見ている、2013年、エリザベス女王はチューリングに死後恩赦を与え、前例のない彼の偉業を讃えた、エニグマ解読の事実は50年以上政府の秘密だった、彼の生家がチューリング・マシンの研究へとつながった。われわれは今それをコンピュータと呼ぶ、そのテロップで映画は終わります。クリストファーは生きているのですね。

 

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