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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2016年2月8日

特集 LGBTー映画にみるゲイ170 
リゾーリ&アイルズ 「同性婚」(2010年 ゲイ映画)

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制作総指揮 ジャネット・タマロ

出演 アンジー・ハーモン/サッシャ・アレクサンダー

 

シネマ365日 No.1655

同性婚と犯罪 

リゾーリ&アイルズのエピソードのひとつです。70分か80分の短い尺ですが、ゲイの扱い方が全然ちがいます。同性婚を認めるとか認めないとか、賛成とか反対とかのレベルではない、同性婚は社会的にも法律的にも合法的な婚姻である、であるからしてつぎのような犯罪が成り立つ、という見地で本作は進むわけね。この犯罪という視点が新しかったわ。少なくとも日本では、家族親族以外が保険金の受取人になるには手続きが複雑だ。ゲイ同士が同棲し、自他共にパートナーと認めていたとしても、不動産の登記は共有とできるのか、あるいは遺産相続はどうなのか、いくつかの問題がすぐ浮上します。それを解決するのが同性婚の法的成立です。アメリカは2015年6月26日、全州で同性婚が合憲だと最高裁が認めました。本作はまだ国内に認める州と、認めない州があったときの話ですが、いち早く同性婚と犯罪に着眼したすばしこさ! 同性婚が合法となればなるほど、ますますこの手の犯罪はふえるのですからね。偏見をはねのけ、よかったわね、お幸せにね、ばかりが同性婚のゆきつく先ではない。本作は単純なストーリーですが、切り口に「グッド・ポイント」▼帰宅途上の若い女性が殺された。リゾーリ(アンジー・ハーモン)と検視官アイルズ博士が捜査と検視に当たる。被害者は糖尿の持病がありインシュリンが手放せなかった。死因の特定が難しかった。リゾーリは被害者の関係者の割り出しを急ぐ。遺留品に女同士のウェディングの記念写真があった。まもなくパートナーの女性メルが警察に現れ、被害者は昨夜から家に帰ってこなかったこと、心配でERや警察に問い合わせていたこと、今朝になって遺体確認の一報を受けてやってきたことを手短に述べた。痛ましいまでの憔悴に、気は強いが心根のやさしいリゾーリはすっかり気の毒になる。パルのアリバイは完璧だった。警察には同性婚を神への冒涜だとする反対者がおしかけ、殺されて当たり前だとかの暴言を吐き「ゲイは悪魔の手先だ、罪には罰を」とわめきちらして帰る▼リゾーリはこの事件を「憎悪犯罪」と判断した。しかしアイルズの反応がイマイチ鈍い。屈託がありそうなのだ。インシュリンの投与がとぎれ、ショックによって死に至ったのか、殺されたとしたら動機は何なのか、憎悪か。そのときリゾーリの相棒、フロスト刑事が突拍子もないことを言った。「被害者はジェーン(リゾーリ)に似ている」。そういえばそう。みんなして「雰囲気がそっくりだ」とか「美人だ」とかおだてあげ、潜入捜査をすることに。リゾーリを出会い系サイトにのせ、アイルズがこまめにチェック。「すごいわ、大人気よ」リゾーリはゲイ関係の洗いなおしに、被害者が通っていたゲイバーに網を張る。ここは演出上のサービスだろうがけっこう面白い。アイルズの分析では容疑者のなかに、犯人が残していったDNAと一致するものがないのだ。ゲイバーでリゾーリがひとり、テーブルに所在なげに座る。話しかけてくる女数人。彼女らが残したコップ、タバコをアイルズが回収にくる。バービー人形もはだしでにげるコスチュームのアイルズが、さっさとさげて回ったコップや吸い殻を、カウンターの下で丁寧に保管する。しかしこの中にも一致する人物はいなかった▼捜査は「まず配偶者を疑え」の基本にもどる。アイルズはバーテンのクレアを籠絡する。ここで保険金の受け取りと遺産相続が浮上します。法的な処置として遺産50万ドルはだれに文句をいわれる筋合いもなく、配偶者メルにいくのだ。動機を掴んだ。つぎはアリバイを崩さねば。パルはクレアに言い寄っていた。完全と思われていたアリバイの隙はどこに。リゾーリはクレアを脅しあげる。登場人物は警察関係者以外、実質3人で、うち一人は被害者ですから、犯人はわかっているようなものですが、リゾーリ&マイルズの「掛け合い」が、そこを上手に撹拌して退屈させません。トリビアですが、アイルズ役のサッシャ・アレクサンダーはソフィア・ローレンの息子エドアルド・ポンティと結婚、ローレンの孫ふたりがいます。

 

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