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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2016年2月18日

特集 LGBTー映画にみるゲイ180 
青い性(1983年 ゲイ映画)

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監督 デヴィッド・ハミルトン

出演 エマニエル・ベアール

 

シネマ365日 No.1665

20歳のデビュー 

内容はカラッポだが書くことはあるという、不思議な映画が本作。監督がデヴィッド・ハミルトンでエマニエル・ベアールのデビュー作といえば、うなずいていただけるかもしれない。ハミルトン監督は高名な写真家にして映画監督、作品が「ビリティス」「愛と追憶のセレナーデ」「妖しき従姉妹テンダー・カズン」に本作など、みごとにソフトフォーカスの殿堂といえる。「ビリティス」はもはやゲイ映画のカルトだし…とほめながら文句をつけるのも、どうかと思うが、この映画、カタルシスがみごとに皆無なのだ。美しい風景と若いきれいな肉体、毒にも薬にもならないストーリー、青春する男子女子あわせて6人に大人の男女一組。オトナ組の男性ジョーダンは「ここはぼくの島だ。仕事はなにもしていない。ぼくは特権階級だから働かないのだ」(ンまあ)とあいた口がふさがらないセレブだ。彼のパートナーの女性・ジュリアは、世界的ピアニスト。男とこの島に来ても、せいぜい数日おれたらいいほう、「世界中を公演にまわり」男が「いかせたくない、いっしょにいよう」と言ったらコロリ「コンサートを延期したわ」そんなコンサート、世界のどこにあるのだ▼その島にピチピチの女子3人が、ボートが遭難してたどりつく。ヘレン(エマニエル・ベアール)と、キャロラインとドロテ。大げさな大嵐のシーンなんか入れるものだから、たどりついたのは無人島かと思ったら、浜辺をちょっと歩けば町があり、レストランがあり、オトナ組は小高い丘のギリシャふう建築の柱や、広いベランダから海が見渡せる、豪華な洒落た別荘にいる。ふたりと離れ離れになって浜に流れ着いたキャロラインは、気がついたときジョーダンがいたので、てっきり彼に助けられたと思うが、実際に助けたのは島の漁師の息子エチエンヌだ。カタカナの名前ばかり並べても混乱するだけだから話をはしょろう。ヘレンはキャロラインが好きらしい。ドロテとキャロラインがいたらキャロのほうにキスする。キャロがジョーダンに苦しい恋をしていると打ち明けたら、「その気持わかる」と自分の恋の経験を語る。語るといっても高校生かそのへんの年であるのに、ヘレンの経験ときたら、相手はジョーダンと同じ年だったというから中年親父もいいところではないか。彼が「女の喜びを教えてくれた。まるで魔法よ。最初は燃えるような感じ。そしてやさしい快感が体中に広がりかけめぐる。光が全身を包み尽きることがない」だって。ふたりはお互いに肩寄せあい黄昏の入り日を浴びて語り合う。こういうシーンがハミルトン監督の独壇場ソフトフォーカスです▼ところが本作はそこからひとつも進まない。場面変わって昼寝するキャロに寄り添い、ヘレンはそっとホッペタにキスして、キャロの胸に顔をよせる。でもキャロはグウグウ寝ているのだ。このトンチンカンな感覚をなんとする。もうひとつ。ジュリアが砂浜で日光浴。キャロが来る。日除けの中でジュリアは全裸だ。あなたもここにとジュリアは自分の隣にキャロを横たわらせる。恥ずかしそうにしていたキャロもすっぱりと脱ぎ、ジュリアは「きれいよ」なんて言う。キャロは大胆にヘアを見せ、お互いが見つめ合いムードが盛り上がったところに、ジョーダンがヌッと首を突きだし、ふたりはなにごともなさげに離れる。ジュリアの搭乗した飛行機はあっさり墜落する。ひとりになったジョーダンをキャロは訪ねる。彼は寝室でジュリアのアルバムをみている。きっちりつぎの女を待ち受けるみたいに、わざわざ寝室にいなくてもよさそうなものだろ▼翌朝、となりのベッドにキャロがいない。ヘレンは少年エチエンヌの家に走り、キャロが昨晩帰っていない、心配だからいっしょに探してと頼む。港や船着場近く、浜辺まで探しにいったふたりは、丘のむこうから手をふって降りてくるキャロに出会い、3人はキャッホーと走りより陽気に抱き合ってエンド。おじさんはどうなる? 知らん。あとはキャロの初体験の報告あるのみでしょ。この映画に出演した全員のなかで生き残っているのがベアールです。彼女は20歳でした。彼女の作品にはゲイ映画がわりと多いですが、デビューしたときからまったく抵抗はなかったみたいです。

 

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