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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2016年2月20日

特集 LGBTー映画にみるゲイ182 
ミネハハ 秘密の森の少女たち(2005年 ゲイ映画)

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監督 ジョン・アーヴィング

出演 ジャクリーン・ビセット

 

シネマ365日 No.1667

造反しろ! ガーリー 

深い森に閉ざされた全寮制女子校。生徒たちは赤ん坊のときからこの学校に運び込まれ、勉学、行儀作法、器楽、バレエの厳しいレッスンを受ける。外部との接触は制限され、校庭には獰猛な猟犬が飼育されている。校長(ジャクリーン・ビセット)は厳格で、教育に当たる女教師たちも同様だ。食事は全員が食堂で作法にのっとり、祈りとともに静かにすませる。ナイフやフォークを落とすと自分で取ってはいけない、給仕する召使に取らせる。召使に人格はなく彼女らは白い薄い布で顔を覆って仕える。学校のスポンサーは公爵である。公爵夫人ヘレンは卒業生だ。公爵はいくつか運営していた同様の女子校を縮小し、この学校だけを残すつもりである。ヘレンは在校時代、校長と愛人関係であったが今は嫌いあっている。理由は、たぶん自分が校長になりたいのだろうと現校長は目星をつけている▼思春期の女の子ばかり、教職員もみな女性、世間と隔離され、心身ともエクセレントな女性を育成する。とはいえ、この調子では事件が起こらないほうが不思議という、おどろおどろしいムード満開で映画は進行します。それにしてもおかしな方針でしてね、生徒同士の「親密な関係」は校則で禁止ですが、思春期の健康な女の子が集まっていれば、モヤモヤしてくるのは当たり前でしょ。ほっといても破るに決っている校則なんかを作るほうがおかしい。てきめんに夜中に隣の女の子のベッドにもぐりこんだり、好きな先生の部屋に忍び込んだり、郊外授業で滝のある淵にきたら、我慢できずにヒシとだきあったり、そらするわな。それをみていた召使ふたりがひそかに台所によび、「わたしたちは愛しあったばかりに生徒から召使に降格された、でもあなたたちのことは口外しない」だから味方なのかといえば、自分たちといっしょに「たっぷり楽しもう」というのだから油断ならない。彼女たちがひそかにもらした片言隻句によると「この学校から出られるのは死んだときだけ」らしいのだが、そのわりに学校にいるのは若い子ばかりで、年長者はひとりもいない。ということは一定の年齢になれば少女たちは学外に出て行く、もしくは出されていくのだ。生徒のひとりがしたり顔で「わたしたちは買われたのよ。ここで踊りをしこまれ劇場に売られるのよ」と言う。それにしても外からの情報がいっさいないので実情を知る生徒はいない▼好奇心の強い女の子3人が、ふだん使われていない図書館にしのびこんだ。それとは知らない校長がやってきて隠し部屋をあける。あとでその部屋に入った3人は、校長が秘密にしている生徒の出身データがあることを知る。警報が作動して逃げ遅れたひとりは部屋に閉じ込められたまま殺される。女ばかりの学校にしてはやることが殺伐である。行方不明のともだちが夜中に埋められている現場をみたショックで脱走した少女は犬をけしかけられ、大怪我をこうむり、医務室に運び込まれモルヒネで薬殺される▼学園あげてのイベントは毎年催されるバレエの発表会である。このときだけ外部から招待客がくる。むろんパトロンである公爵夫妻も。校長はじめ教師たちは異常なほど舞台の出し物に情熱をもやし、主役選びは学園の最大行事である。ここでまたプリマの座を奪うために密告によって暴かれる教師と生徒の情事。彼女らは「追放」と称して殺されることが暗示される。とことん恐ろしい学校である。しかしそれはなんのためか。もうそろそろホントのこと言ってくれよ、という気がしてくる。察するところは体の良い「人身売買育成機関」だろう。それというのもバレエ会場にきた招待客というのが、金だけはありそうな年寄りの爺様ばかりで、少女たちの体をみながらいやらしく笑っている。たぶんここで選ばれた少女たちは年寄りの愛人になるか、売春行為に従事するか、劇場の踊り子に売りとばされるかだろう。公爵は舞台のプリマに赤いバラの花を投げるが、その意味は一夜をともにさせること、早い話、強姦である。行方不明の届けが出た女生徒の捜査にあたった熱心な刑事はアフリカに配置転換。バレエ発表会で舞台に火を放ったプリマは公爵の夜伽に連れ込まれるが、彼女が隙をみて脱走し、走りまくってやっとたどりついた建物は元の学校だったという救いのない顛末。校長はヘレナから騒動の責任をとり、召使になるか自殺するかどっちかしろ、ということで、拳銃を選ぶ▼こまかく見ていくと、辻褄の合わないことでてくるのだけど、たとえばヘレナは校長が憧れだったというし、生徒を愛した先生のひとりも「校長にも覚えがあるはず」とヘレナとの情事を指摘するのだが、ヘレナのセリフは「あなたはずっとわたしを嫌い無視し続けてきたわ」全然話がちがうがな。ともかく、エンドからいえば、あいかわらず美少女たちは性の道具として世に送り出されていくわけね。だれ、この男にばかり都合のいいオチをつくったやつ。造反しろ、元気ガーリー。

 

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