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シネマ365日

2016年3月15日

特集「純愛物語」② 
ある日どこかで(1981年 ファンタジー映画)

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監督 ヤノット・シュワルツ

出演 クリストファー・リーブ/ジェーン・シーモア/クリストファー・プラマー

 

シネマ365日 No.1691

好きになるって素敵 

特集「純愛物語」

映画の内容もそうですが、この映画の大好きなカルト的なファンのおかげで、今の時代も愛されている時を越えたラブストーリーです。「午前10時の映画祭/何度みてもすごい映画」50本の高位にランクされている純愛映画の傑作。世間の水に狎れ人生をいかにクールに、斜めに構えたとしても、人を好きになるって「いいなあ」と心から思わせてくれる。クリストファー・リーブが言っているけど「写真でも人でも、一目見て目が話せなくなる人っています。ひきつけられ、もっとその人について知りたくなり、いっしょにいたいと思う」…どんな面倒くさい恋愛論より核心をついています。そうなのよ、人は好きになったらそれでおしまいなのよ(笑)▼物語はSFじみています。なにしろ自己催眠によってタイムスリップするのですからね。時代は1972年駆け出しの脚本家、ミルフォード大の学生リチャード(クリストファー・リーブ)は処女作のうちあげパーティで、見知らぬ高齢の夫人から話しかけられる。夫人は「帰ってきて」と一言言い残し、金の懐中時計をリチャードの手にくるませて去る。夫人は大学の近くのグランド・ホテルに戻りリチャードの脚本と彼女の愛読書を手にし、その夜亡くなった。8年後リチャードは劇作家として世に出ていたがスランプに陥り、恋人とも別れ旅に出る。なつかしいミルフォードに来て、惹かれるままにグランド・ホテルに投宿した。資料館に残っていた若い美しい女性の写真に引き込まれ、彼女が女優エリーズ・マッケナ(ジェーン・シーモア)であることを知る。町の図書館で記録を調べると、彼女こそまぎれもなく自分を訪問した夫人の若き日の姿だと確信する。彼女の秘書ローラ(テレサ・ライト)を訪ねたリチャードは、ローラが保存する遺品のなかから「タイム・トラベル」という愛読書をみつけた。エリーズに会いたい。彼女こそ自分にとって運命の女性。リチャードは著者に会いタイム・トラベルの可能性を聞き出す。非常に難しいが方法はないこともなかった。心を無にして強度の自己催眠を施し、時間軸を変え1972年の時の扉を開けるのだ。現在のいっさいの状況から忽然と姿を消す…リチャードはホテルの部屋に閉じこもり服も髪も20世紀初頭のスタイルに変え現在の品物はなにひとつ身につけてはいけない。何度かの試みのあとリチャードはついに成功した▼初対面でエリーズに「あなたなの?」と聞かれたリチャードは「そうだ」と答える。エリーズが自分の運命を変える男と出会うと予言したのは、マネージャーのロビンソン(クリストファー・プラマー)だった。彼はリチャードの出現に彼こそその男だと直感する。しかしエリーズは彼の演劇人生を捧げた掌中の珠だ。男に夢中になると女は才能が地に堕ちると、なぜかロビンソンは信じている。だからふたりの仲を裂くのに躍起となり、リチャードをしばりあげて軟禁までするが無駄。ふたりは結ばれ愛を遂げ、初めての夜明けを迎えた。「買い物にいってその流行遅れの服を買い替えましょう」とエリーズが言うと、「この服は便利なのだ、ポケットもたくさんありコインも入る」。リチャードがつまみだしたコインには「1972」の刻印が。たったひとつ持っていた「現在のもの」がリチャードを再び現代に引き戻した。リチャードは今度こそエリーズといっしょになり二度と離れないと誓う。すなわち彼は彼女といっしょの世界にいくこと、つまり愛を遂げるために死を選ぶのだ。食事を断ち部屋から一歩も出ず、緩慢な死に身を任せ静かに息をひきとる▼主演の俳優ふたりがとても息があっていましてね。クリストファー・リーブはあの通り、ギリシャ彫刻のような彫りの深い容貌と長身の、アポロのような青年です。シュワルツ監督はエリーズ役に神秘的な女優を探していた。何人もの候補者のなかでジェーン・シーモアを選んだ理由について「恋の経験がないのは彼女だった。落ち着いた女性だった」と思い出を語った。「クリスとジェーンはただ座って話をしているだけで恋人同士のようにみえた。とてもいい雰囲気だった」とも。リチャード・マシスンの原作を映画化するにあたって、映画会社が宛てた予算はたった400万ドル。だから「みなコスト削減で合宿みたいな撮影だった」とジェーンはいい、クリストファー・リーブが自家用機でスタッフの移動を手伝うなど温かい雰囲気で終始したと振り返っている。人間の最も純粋な部分って、結局人を好きになることなのだなと素直に思えます。

 

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