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シネマ365日

2016年4月9日

特集「アクション女子」③ 
プラネット・テラー in グラインドハウス(2007年 アクション映画)

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監督 ロバート・ロドリゲス

出演 ローズ・マッゴーワン/フレディ・ロドリゲス/マーリー・シェルトン

 

シネマ365日 No.1716

いくぞ、待ったなし 

特集「アクション女子」

なんでこうなるのだろう、という疑問をさしはさませないロバート・ロドリゲス監督。生物兵器DC2のガスが噴出し、町中にガスが広がった、感染者はゾンビ化し人々を襲う。ストリッパーをやめて一人旅していたチェリー(ローズ・マッゴーワン)は、偶然バーベキュー店で別れた恋人エル・レイ(フレディ・ロドリゲス)と再会した。女医ダコタ(マーリー・シェルトン)は女性の恋人と不倫中。街では次々ゾンビに襲撃された死体が発見された。やられ方が異常だ。後頭部にぱっくり穴が開き、脳みそが吸い取られている。ガスによって皮膚が膨れ上がり、膨れ上がって破れ、血液や漿液、続いて筋肉がドロドロに溶けて溶出する。チェリーは街はずれで襲撃され、右足を食いちぎられてしまうのだ▼ストリッパーをやめ、スタンドアップ・コメディアンになるのが夢だった。「この姿でなれないわ」と泣くチェリーにレイは義足を当ててやる。描写はグロテスクで醜悪だ。血潮はドバーと噴き上がり、銃撃戦の弾丸はとどまるところを知らない。なんでか知らん、軍事基地の将軍にブルース・ウィリスが、兵隊の中の変態にクェンティン・タランティーノが扮して出演する。渋い将校のブルースに対し、タラは「女体拷問鬼看守パム」のパクリで、女囚フェチの兵士になって火だるまにされる。チェリーもダコタもロドリゲス好みの美人だ。ダコタは父親の反対する男と結婚したため父と絶縁状態だった。ゾンビの襲撃を受け、実家に避難したら父親は受け入れてくれたが、感染した婿を一撃で撃ち殺し「もともとこいつは大嫌いだった」と吐き捨てる。ロドリゲスの登場人物は、分かりやすい人ばかりでスカッとする。バーベキュー店の店主には保安官の弟がいる。兄貴は弟に「テキサス一」だと自慢する、秘伝のソースのレシピを絶対教えてやらない。二人は住民を逃がすため盾になって重傷を負い、店の床に座り込んでレイに言う。「俺は残る」と兄貴。「俺も残る」と弟。「いい弟だな」とレイ。「テキサス一さ」と兄貴。レイは手榴弾を預けて去る。「そうだ、レシピを教えてやる」兄貴が言う。弟は「待て、かきとめねば」手帳を出して書きつけるが、ペンは動かなくなる。兄貴はそのまま襲撃を待ち、押し寄せてきたゾンビの大群を、思い切り引きつけて自爆する▼義足のチェリーはダコタと軍に捕えられた。「フリークス(奇形)はたくさん見たが、片足のストリッパーは初めてだ、そら、踊れ」と男たちの嘲笑を浴び、ヒョコヒョコと踊らされるチェリーをダコタは見ておれない。二人きりになってチェリーが言う。「わたし、体が柔らかいの。無駄な才能よ」ダコタ「友だちが言っていた。人生のある時点で、無駄な才能が全部役に立ったって。点が結ばれ線になるのよ」「わたしは楽観的じゃない。なりたいものとなれるものは違うのよ。排水管を下まで落ちていく気分よ」「友だちは、落ちたらまた這い上がれと」「上に何もなかったら?」「それでも上へ」「わたしはチェリー(処女)よ」「でしょうね」二人は抱き合う▼捕囚を脱出した女たちはレイに合流する。軍は機密を知ったレイたちを生かしておかない。将軍は基地を爆破し、住民を掃射すると決める。脱出できるヘリコプターは2台。「あれに乗るのだ」レイは義足に機関銃を装填したチェリーに小箱を渡して言う。「見せる前に君は去ってしまった。開けてくれ」指輪である。「二人で世界に立ち向かうのだろ。強いままでいてくれ、ベイビー。君を信じている。俺よりもっと才能がある。力を見せろ。本当の君になるんだ」。チェリーは爆風に舞い上がり、空中から片足の機関銃を撃ちまくって封鎖を突破、着地するや柔らかい体で360度回転しながら撃ちまくる。なぜ弾は無限に続くのだろう。この辺りになるとさすがに(…ちょっと、ええかいな)という気がしないでもないが、乗りかかった船を降りるわけにいかない。行こうロドリゲス、まったなし!▼レオは倒れ、ダコタはゾンビとなった夫を殺し、父親と共にヘリに。基地は木っ端微塵に爆破された。ラストシーンは幻想的である。「海を背にして身を守るのだぞ」と言い残したレオの言葉を守り、チェリーたち脱出者は美しい海岸線に平城を築いた。チェリーはレオの子を産み、ダコタは妖艶な舞い姫となって踊っている。なんでそうなる? たのむ、なにも聞かないで。

 

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