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シネマ365日

2016年4月13日

特集「アクション女子」⑦ 
チョコレート・ガール バッド・アス(2013年 アクション映画)

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監督 ペットターイ・ウォンカムラオ

出演 ジージャー・ヤーニン

 

シネマ365日 No.1720

ゆるい

特集「アクション女子」

タイ版吉本新喜劇というべきか。アクション女優のジージャー・ヤーニンが、自転車を曲乗りして敵をやっつけるというのが、新趣向に加わった。登場人物のキャラがみな、日本人の感覚とはかけへだたったコテコテです。漫画がそのままスクリーンに現れたみたい。粗筋というほどの粗筋はないのですが、次から次、これでもかとスクリーンに登場するキャラ・ド迫力のせいか、けっこう込み入ったお話みたいに思えたのが不思議。あまり深く考えないで見ているのが、いちばんいいと思います。99分だしね▼両親のいないジャッカレンはワン叔父さんと暮らしている。ワン叔父さんの知り合いのルンが経営するメッセンジャー・オフィスで働いている。表向きは宅配業だが、裏で危険な品物の運び屋もやる。ジャッカレンは品物をくすね、横流ししていた。いなくなった両親を探すために、ジャッカレンはお金を貯めているのだ。ジャッカレンはギャングの組織に麻薬を奪われ、ボスは怒って1週間で取り返すよう命令する。もうこのへんでついていけなくなるだろう。ギャングの業界で1週間も猶予を与えるなんて考えられないことを平気でやる。その場で撃ち殺されても当然の世界ではないか…という思考そのものが通用しない映画なのだと慣れるまで、もう少し時間がかかる▼ジャッカレンを愛する男がいる。みんな彼のことを自分の顔を鏡で見たことあるか、とかいってからかい、彼が付きまとうので、ジャッカレンは「番犬」呼ばわりする。どうもこの映画に溶け込めにくいのは、ジャッカレンというヒロインの性格が雑すぎるからだろう。口の悪いヒロインも、ガラの悪いヒロインも無愛想なヒロインもいていいけど、あんまり人もなげに振舞うヒロインはついていくの、しんどいですね。この映画では悪玉も善玉も行き当たりばったり、暴れているだけだ。ジージャーの闘技はさすがだと思うけど、どっちかというと格闘技と言うよりエキビジションのノリですね。この作品の前日に「アサシン」を見ていたので、ギャップがサイコーだった。ブリジット・フォンダがレストランを脱出するときの、スタイリッシュなアクションが目に焼き付いていたせいで、この映画の「ゆるさ」がイヤでも目立った。まあだれも「アサシン」と比べろとたのんだわけじゃなし、ケチつけるほうがどだい、間違っているのだけどね▼ワン叔父さんは元殺し屋ですって。このおじさんが、なあ。凄腕の殺し屋も、冷酷な殺し屋も、燃える殺し屋もいるだろうが、笑える殺し屋もいるのだね。どこまでも騒々しく、バタバタと暑苦しいコメディだわ。笑わせようとすればするほど、笑いからは遠ざかるのかも。無個性な人物。予想されるドタバタ。動きの低調なアクション。あってないような筋書き。唯一ワン叔父さんと、美人のクリーニング屋の未亡人が結婚して、落ちらしいオチがついてよかったですね。でもわたし、みなから散々バカにされていたネーウという青年、わりと好きですよ。なんていう役者? ボリブーン・ジャンルアンっていう人ね。お前の顔それでも顔か、とひどいことばかり言われているのだけど、実際面白い顔なのだけど、映画が進むうちに彼の顔が、いちばん表情に富んでくるのよね。体の筋肉は猛烈に動くわりに、たいして表情筋を動かせないジャッカレンより、よっぽど画面に変化をもたせていたわ。役者には顔芸というのがあります。異相とは、それだけで武器にもなる恵まれたキャラよ。頑張って。

 

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