女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss
  • ブックマーク

特集「男前」

2016年4月18日

特集「男前3」⑤ ケリー・ワシントン 
スキャンダル シーズン1(2012年 社会派映画)

Pocket
LINEで送る

製作総指揮 ジョンダ・ライムズ

出演 ケリー・ワシントン

 

シネマ365日 No.1725

「解決」は任して 

スキャンダル シーズン1(2012年 社会派映画)

「スキャンダル」というタイトルが多くてまぎらわしいが、本作は現在(2015)テレビ放映中の人気シリーズ。ヒロインは今をときめくオリヴィア・ポープというふれこみだ。オリヴィアは元大統領広報官を辞職し現在は「オリヴィア・ポープ&アソシエイション」の代表者。仕事の内容は一言でいうとフィクサー(解決屋)だ。ポープの事務所に集まる5人のプロフェッショナルたちは別名「スーツを着た剣闘士」。オリヴィアの親友でもある弁護士のスティーブン、同じく弁護士のハリソン、元CIAのハッカーであるハック、ハリソンと兄妹のように仲の良い調査員アビー、新しく加わったのは新人弁護士のクイン。メンバーのそれぞれがなんらかの「スキャンダル」をかかえている▼オリヴィアはホワイトハウス時代、大統領と不倫の関係、ビリーは暴力亭主に殺されかけた悲惨な結婚、ハックは家庭を犠牲にした負い目でホームレスに落ちぶれていたところを自称「オリヴィアに拾われた迷い犬」とかね。事務所にもちこまれる案件はたとえばこれ。元海兵隊の青年が犯罪に巻き込まれた、アリバイさえあれば無実が立証できる、ハックはコンピューターを駆使して青年の行動を解析、アリバイを証明できる映像にたどりついた、男同士が路上で抱き合いキスしている、相手はだれか教えてくれとオリヴィアは追及するが答えは「ノー。僕は戦争の英雄だ。ゲイであることを知られるわけにはいかない」青年は教会の役職にあり、政界に打って出る計画もある。オリヴィアは「時代は変わったわ。自分が何者で誰を愛しているか秘密にしたらだめ」。青年はベトナム戦線で敢闘した多くの勲章を胸に、立候補した演説でこういう。「わたしは祖国のために働けたことを誇りに思い、祖国のために傷ついたことを誇りに思い、祖国に仕えたゲイであることを誇りに思います」▼このケリー・ワシントンが第26回(2015)GLAADメディア賞のヴァンガード賞を受賞しました。前年度はジェニファー・ロペスが受賞しています。同賞はエンタテイメント業界でLGBTの平等な権利のために貢献した人に与えられ、ケリー・ワシントンは以前からアライとしてよく知られていました。ケリーは授賞式で、自分から積極的にLGBTコミュニティについての物語にかかわってきた(ゲイの役を演じてきた)と述べ、女性やレスビアンやトランスの人、公民権を奪われたコミュニティの人々を物語に取り上げることは、それを受け入れる社会をつくるために大事なことだとスピーチしています。「スキャンダル」の製作総指揮・脚本家でもあるジョンダ・ライムズは同作に「ゲイのシーンが多すぎる」という批判に対し「ゲイのシーンではなく人間のシーンがあるだけ」と返しています。どちらの言葉も力強い発信力を持っています▼それはそれとして、映画のほうもパワフルな女性、巧みな構成、意表をつく展開でぐいぐい引っ張っていく、と言いたいのですが、ちょっとね、アメリカ大統領ってなんだかヒマさえあればホワイトハウスで女のこと考えてンの? 地球上で最も強力な権力を持つ男としてオリヴィアは大統領を尊敬し、彼をトップにするため粉骨砕身してきた、ところがオリヴィアに惹かれた知事時代の大統領は、ハーバード大学出の妻との仲が冷えてきたせいもあり、「1分間だけこのままでいよう。選挙広報担当であることとぼくが候補者であることを忘れよう」と、事務所の廊下でつったって目を閉じるのよ。おいおい。いいのかよ、そんな悠長なことしていて。票読みくらいせっせとやれよな▼大統領と官邸でセックスした、妊娠したという元スタッフが現れ、大統領首席補佐官はもみけしに動く。妊娠した女性は川から死体で発見された。娘を探しにきた老いた父親の愛情にオリヴィアは胸をうたれる。彼女は理性的、合理的、冷徹ではあっても冷酷ではないのだ。オリヴィアはホワイトハウスを相手に全面戦争を決意、すべてのスタッフに、暗殺される可能性があることを教え、降りたい者は降りるよう指示する。このあたりオリヴィアもスタッフもカッコ良すぎますが、まあいいか。大統領より大統領夫人のほうが、肝がすわっています。ひとつやふたつのスキャンダルなど(ケッ。あって当たり前よ)と動じず、ストレスで不眠症になるわ、辞任したいと言い出すわ、神経も筋肉もよれよれになってきた大統領にこういう。「わたしはファーストレディでいるのが快適なの。辞任なんかしちゃだめよ」そしてだれにも文句をつけさせない手際でメディアの騒動を終息させるのです。本作はシーズン1。2も3もありますが、アメリカ大統領が国務より愛人を大事にする、そんな大統領のために愛人は尽くす、君がいないとダメだなどとハーレクインでもお目にかからないセリフの連続、こんな冗談みたいな恋愛ドラマを見ているヒマはないので「シーズン1」だけで終わります。

 

Pocket
LINEで送る