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特集「ベストコレクション」

2016年5月2日

特集「風光る五月のベストコレクション」② 
黒衣の刺客(2015年 アクション映画)

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監督 ホウ・シャオシェン

出演 スー・チー/チャン・チェン/妻夫木聡

 

シネマ365日 No.1739

蕁麻疹でそう 

特集「風光る五月のベストコレクション」

つらい映画だったわ。上映108分のあいだ、何を言いたいのかさっぱりわからなかったの。われながら悲しくなってきたけど、途中でやめるのも失礼だと思って我慢しました。なんせ、カンヌ国際映画祭監督賞よ。すごい映画のはず…でもな〜わからんものはわからんのよ。それに妻夫木君、何のためにでてきたのよ。映像がばかに綺麗だったけど、それもかえって神経を逆なでするわ。世界文化遺産案内みたいな、キレイな風景はいいから、映画の内容がもう少しよく分かるセリフ、入れて欲しかったわ。それに、ヒロインの出番が少なすぎるわ。黒衣の彼女、主役でしょう。まるで影が薄いのね。確かにアクションの動きはよかったですよ。よかったけど、全編を通じて物語の因果関係が把握しにくいのよ。予告編で知った限りでは「愛を知ると哀しみが始まる」だったかな。とにかくその線に沿って、分かったところまで書きます▼時代は8世紀後半、唐代の中国。唐王朝の支配は揺らぎ、朝廷は辺境の外敵を防ぐため、藩領を設置した。やがて力を備えた藩領の離反が始まり、最も強力な藩領が魏博(ウェイポー)だった。この魏博の領主、田季安(ティエン・ジアン=チャン・チェン)暗殺を命じられたのが黒衣の刺客こと、ヒロイン、隠娘(インニャン=スー・チー)だ。二人は元許嫁。そもそも隠娘が暗殺者になったのは、田季安の義母(朝廷からたった一人嫁いできた孤独な人=前公主の妻)が、二人を婚約させたものの、田家が他の領主と同盟を結んだため破談、このままでは隠娘の身に危険が及ぶと判断した義母が、自分と双子の姉に隠娘を預けた。姉は道士である。多分道を極める厳しい修業をする人のことだろうが、彼女は隠娘を暗殺者に育成する。13年後、預けた娘が帰ってきたが、凄腕の殺し屋になっていることに両親は驚愕▼道士たる人が何者かも知らず娘を預けるだろうか。とにかく、娘は暗殺の使命を帯びている。道士が言うには、彼を殺す理由は田季安が暴君だからという。独裁国家なんて暴君ばっかりでは? 彼には愛人がいて正妻は面白くない、という事情がかろうじて読み取れた。そうか、田季安は女に恨まれているのだ。これなら暗殺の理由は成り立つ。館に忍び込んだ隠娘は昔の許嫁に近寄るが、暗殺しなかった。おまけに隠娘は婚約の証であった玉玦の半分を残していく。それを見て、田季安は許嫁が自分を殺しに来たことを知る。なんでこんなことするの? 職場放棄ではないか。田季安はそのせいかどうか知らんが、隠娘の父を左遷する。「叔父上、お気をつけて」と送り出しながら、途中で叔父一行を刺客に襲撃させる。回りくどい、専制領主なら初めから殺しときゃいいだろ。隠娘は父を守って防戦するが窮地に立つ。そこへ通りかかった遣唐使の青年(妻夫木聡)に助けられる。隠娘は崖に立つ白い装束の道士の元に来て、暗殺できなかったと報告する。道士は「技術は達人級だが、情において未だ未達」という意味のことを言い、失敗した隠娘を殺そうとするが、弟子の腕前が上になっており、道士は歯が立たない。隠娘は道士を殺さず静かに去る。そして隠娘は鏡磨きの青年を送って、新羅に出発する。おしまい▼ヒロインは、暗殺者は嫌だってことなのね。隠娘が演じる殺しのアクションシーンはほんの数分、あとはカーテンから部屋の様子を伺っていたり、田季安の愛人を助け「ご解任です」と田に教えたり、肝心の職務遂行が頓挫しているのは、つまり彼女がミッションに疑問を持ったからなのね。才能を見出され抜擢されたけど、自分には向いていない、悪いけど辞めますってことか。新人研修の最終段階で職場離脱ってこと? それともっとよく分からないのは、隠娘と対決する金色の仮面をつけた女刺客がいます。彼女と一対一の決闘のあと、スタスタと隠娘は森の枯葉の中を去っていきます。次に映るのは枯葉の上に落ちた割れた金色の仮面。これ何よ。敵は討ち取られたていた、でもその場では死なないで、数歩歩いて倒れたってこと? 死体か何か、わかりやすいもの、映してくれよ。こういうもどかしいシーンのおかげで、イイ〜となって蕁麻疹が出そうだった。

 

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