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特集「B級映画に愛をこめて」

2016年7月14日

特集「B級映画に愛をこめて3」③ 
エクスペンダブル・レディズ(2014年 アクション映画)

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監督 クリストファー・レイ

出演 クリスタナ・ローケン/ブリジット・ニールセン/ゾーイ・ベル/シンシア・ロスロック

 

シネマ365日 No.1815

おすすめよ 

特集「B級映画に愛をこめて3」

読む限りの映画評ではみんな、この映画に冷たいなあ(笑)。たいていは男性評だけど、女が暴れるのにひややかね。ババアだとか二線級の女優だとか、スキルもクソもないドベタのアクションだとか、別に本作をよく思ってほしい義理も厄介もないけど、この映画の楽しさがわからない、あるいはわかろうとしないのには、女たちが主役になる、しかも男の牙城だったアクション映画でのさばることは面白くない、あいつらのアクションはホンモノじゃないという、苦々しさがあるのでは(笑)。本作はモックバスターとよばれる映画のひとつで、大ヒットした映画を模倣してつくった作品です。元ネタはいわずとしれた「エクスペンダブルズ3ワールドミッション」。ですからパクリもいいところで、この映画をほめる男性は、たぶんクエンティ・タランティーノくらいでは。彼、本作の主役のひとり、ゾーイ・ベルの大ファンですからね。タラはゾーイとか、初恋の女優パム・グリアとか、憧れのユマ・サーマンとか大型女優が好きなのよ。タラといいリドリー・スコットといい、ジェームズ・キャメロンといいリュック・ベッソンといい、ちょっとタイプはちがうけどダーレン・アロノフスキーといい、ケチな映画会社が金に糸目をつけず、予算を使わせる男って強い女が好きなのね▼本題ですが、刑務所にブチこまれた4人の女囚が、人質になったアメリカ大統領令嬢エリーズを救出する特殊任務を与えられ、成功すれば無罪放免、断れば刑期の延長という条件をつきつけられる。刑務所に入っていたって自由の国アメリカの国民が選ぶのは「自由」。いちかばちかに賭ける。誘拐したのは武装集団のリーダー、ウルリーカ(ブリジット・ニールセン)だ。彼女が率いるテロ組織は、エリーズを解放する交換条件に、ウルリーカの母国にいる、彼女に敵対する人物をすべて排除し、ウルリーカを大統領にせよというのだ。CIAのモナ(シンシア・ロスロック)は、服役中の女囚の中から能力のある適任者を選抜する。キャット(クリスタナ・ローケン)は元海兵隊の狙撃の名手、懲役10年。クレイ(ゾーイ・ベル)は特殊部隊に属し無能な部隊長の指揮により部下の半数を死なせ、部隊長に暴行し懲役25年。メイリンは爆発物の専門家。パイロットでもありピアノの演奏家でもある。ウォール街の銀行を爆破し懲役15年。レイヴンは元CIAのエージェントで殺し屋に転身。標的を誘惑し殺すのが仕事だ▼彼女らの得意とする武器がずらり並ぶ。具体的だ。ドイツ製ブレイザーR93ボルトアクション狙撃銃。45口径コルトM1911A1。グロッグ19。メイリンが扱うのは、極小起爆装置新世代プラスチック爆弾である。行く先はウルリーカ軍団の拠点、カザフスタンの旧ソ連刑務所跡地だ。ウルリーカというのがこれまたブリジット・ニールセンにふさわしい、すごいキャラだ。軍人の娘として生まれ、父親は軍の指揮官だった、でも「女のわたしに権利を与えなかったので目を撃ちぬいた(父親もたまったものではない)」。彼女が思い切りショートなプラチナヘアの角刈り、スタローンより長身だったのでは、と思える身長に引き締まった筋肉、蹴飛ばされるとふっとびそうな長い脚。52歳(2015)にしてこの肉体、うわ〜すばらしい▼クレイをリーダーとする特殊班は、裏切りや犠牲をともないながら救出に成功するが、どっこいあきらめるようなウルリーカではない。おお、イーサン・ハントもまっさお、飛び立つ軍用機の主翼にしがみつき、どこをこじあけたのか知らんが、機内に侵入したではないか。対するクレイは「キル・ビル」で長くユマ・サーマンのスタントを務め、タランティーノが「デス・プルーフinグラインドハウス」で主役に。クリスタナ・ローケンは「ターミネーター3」でシュワちゃんと対決。彼女の恵まれた肢体を使いこなせる映画がもっとあればいいのに。ゾーイ・ベルもシンシア・ラスロックもブロンドなのだけど、やっぱりクリスタナ・ローケンが目立つわ。長身のせいもあるけど、身ごなしがネコみたいにしなやかなのよ。重厚な狙撃銃を軽々と抱き込む長い腕なんか、エレガンスでさえあるわ。爆破プロのメイリンが面白いのよ。東洋人ってどちらかというとシャイで感情を露骨に表さないでしょう。でもこの人、とても表情が豊かで、4人の中でいちばんのユーモリスト。メイリンに飛ばせない飛行機はない、と豪語して操縦桿を握ったのはいいけど、地上からガンガン掃射をうけ機体はボコボコ、後ろでウルリーカは暴れまくり、くんずほぐれつの大乱闘、ナイフはとんでくる、ぶん殴られる、アナだらけの機体は急降下、主翼はもがれ、尾翼は消えた、墜落一歩手前の胴体着陸を敢行、メイリンは叫ぶ「ムショのほうがマシ!」▼ことほどかように見応えがあるのだ。人間だれでも、なにも考えなくていい映画をみたいときがある。そんなときは是非彼女ら、いい女たちの、スタイリッシュなアクションをおすすめしたい。

 

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