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特集「B級映画に愛をこめて」

2016年7月17日

特集「B級映画に愛をこめて3」⑥ 
ニューヨーク心霊捜査官(2014年 事実に基づく映画)

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監督 スコット・デリクソン

出演 エリック・バナ/エドガー・ラミレス

 

シネマ365日 No.1818

主たる悪 

特集「B級映画に愛をこめて3」

おどろおどろしい怪奇ものかと思ったら、とても真面目な悪霊映画。事実に基づいているのよね。エクソシストをやる神父役のエドガー・ラミレスがよかったわ。主役は霊感の強いニューヨーク市警の警官、ラルフ(エリック・バナ)。ラルフが相棒のバトラーとパトロールしていたら、夜の動物園のライオンの檻に我が子を投げ込んだ女がいる、妻に暴力を振るうDV男が暴れていると、立て続けに2件連絡が入る。ラルフは仕事人間だ。すぐパトカーを現場に回す。バトラーはラルフの勘が働くのを「レーダーか」といっている。2件の事件は、イラクで遺跡を発見した兵士、その友人、その妻ジェーンという関連で結ばれていた。遺跡に書いてあるラテン語を読んだ兵士サンティノの様子がおかしくなったのだ。ジェーンは動物園で子供をライオンの檻に投げこむ直前にも、立て看板のようなものに書いてある、妙な文字を読んでいた▼(ゲッ)となる映像がいくつも現れます。悪霊の仕業だから美しくないのはわかっているけれど、悪臭紛々の地下室に放置された死体からは羽蟲がわき、得体の知れない蟲がぞろぞろ出てくる、腹部はぱっくり口を開けドロドロの内臓がはみ出している。ラルフはドラッグで頭のいかれた薬中の仕業と見当をつけ、捜査を進めると、イランの戦争に関する3人の線が浮上した。DV男は従軍牧師を襲ってメッタ切りして不名誉除隊の挙句自殺、サンティノは自殺するのを眺め見物していた。ラルフにその情報を教えたのがメンドーサ神父(エドガー・ラミレス)だ。彼はイランで、兵士たちを別人にしてしまうほどの何かがあった、それは憑依であり、悪霊の存在だと告げるがラルフは信じない。「こうしている間にも人が殺され、レイプされている。神はどこにいるのだ」「君のような人の心の中さ。世の中がもし弱肉強食なら、なぜ消防士たちは他人を救うため命を投げ出すのだ。悪には2種類ある。副次的な悪は君たち警察の仕事だ。一方で主たる悪という存在があり、霊の存在を示す印があるとカトリックでは教えている。人類が二本足歩行して以来、お祓いは行われてきた。インチキもあるが10〜15%は本物だ。悪霊に憑依された人間は怪力になり、声が変化し、透視能力を持ち人の秘密を見透かす」▼ラルフはサンティノとジェーンが、別人になる前に見たラテン語のメッセージが「ドアーズ」だと神父は教えた。悪霊が憑依するには人間の肉体に侵入するための「入り口」が要る。呪いのメッセージを見て、感じやすい多感な人が入り込まれやすい。悪霊は侵入口を増やそうとしている、それをやめさせないと…どうすればいいかというと悪魔払いである。ラルフは張り込んでラルフを逮捕し、市警に勾留した。憑依されているからもはや彼は人間ではない。ラルフの妻と娘を誘拐し隠し、ラルフに「入らせてくれたら」ふたりの居場所を教えてやるというのだ。つまりラルフを仲間にしようってことね。これはもうエクソシストするしかない、と神父は対決を決意する。このシーン、今までのエクソシストにあった、ベッドが浮き上がるとかはなくて、手錠、足錠をはめられ床に固定されたサンティノが、めりめりと床を破り、体を浮かせ、ラルフも神父も投げとばし、口から真っ白な泡を吹き顔面ゴジラ、神父の十字架ってまるで爪楊枝じゃない、役に立つの? それでも神父は頑張るのだ。唱えているのは日本人の、多分、お経に当たるものだと思うわ。吹き飛ばされても投げ飛ばされても神父は頑張る。ついに悪霊は去った。何か捨て台詞をいったと思うが、わからない▼初めから終わりまで、終始得体の知れない不穏なムードがつきまとう映画です。こういうの、スコット・デリクソン監督の得意中の得意なのでしょうね。「エミリー・ローズ」や「フッテージ」の監督ですものね。霊は存在する、という軸足できちんと作っていることと、事件解決後、ラルフが市警をやめ、神父の元に弟子入りしたというラストが現実味を与えています。

 

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