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特集「ザ・クラシックス」

2016年7月24日

特集「ザ・クラシックス4」② 
セレブリティ ヌード・レヴュー(2008年 ドキュメント映画)

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出演 ラクエル・ウェルチ/ファラ・フォーセット/スーザン・サランドン/ヘレン・ミレン/スーザン・サマー/フェイ・ダナウェイ/ダイアン・キートン/ジュリー・クリスティ/ブリジッド・バルドー

 

シネマ365日 No.1825

動き出したヌード 

特集「ザ・クラシックス4」

タイトルを正式に書くと「魅惑の70年代ムービースターヌード全集」だ。苦しまぎれに「ドキュメント」としたが、実際はヌード映画のカタログであって、なんというお気軽な、しかも上下2枚のDVDあわせ190分という長尺を、だれが見るのだろうと思うが、これが意外とサクサクよくできているのだ。編集者の腕というか、センスというか、女優のヌードだけで、品下る「寄せ集め」にはしていないのである。全62編の映画を「つかみ」を1シーン、ないし、たぶん非常に個人的な思い入れによると思うが、数シーンがピックアップされ、フィルムの保存状態は劣悪であるものの、映画の精神…この大げさな言い草、なんとかならんかと、自分でも思うが…絶対に女優のヌードはきれいなのだ、美しいのだ、という作り手の思い入れが充分伝わる(笑)。だからいやらしくないし、1970年代がなぜおもしろかったかという、映画史の一面が巧まずしてみられるし、今だからよくわかる「お値打ち品」映画もある。もちろんヌードはその映画の一部であって、ヌードが値打ちを作ったわけではないとしても▼セクシー映画が70年代に一挙に解禁になったのは、全米映画協会が年齢制限制度を制定し、それまでダメの一点張りだった大胆なヌードが可能になったからである。検閲から解放された映画各社は、こぞってセクシー映画を製作、スプラッター、ナチもの、女囚刑務所ものなどのジャンルさえ誕生した。トップはラクエル・ウェルチとファラ・フォーセットの「マイラ」だ。ファラ・フォーセットの晩年はガンとの闘病だったことを思うとフィルムの中の輝くばかりのボディがひときわ美しい。当然ではあるが、女優によってヌードへの取り組みも違う。スーザン・サランドンとヘレン・ミレン。このふたりのオスカー女優は、デビューしたときからヌードを嫌ったことがなかった。サランドンは「ジョー」、ミレンは「狂える愛人」で、それぞれスッパリ脱いでいる。ミレンは人間違いかと思うほど肉付きがよく腕もたくましい▼逆にキャリアのほとんどでヌードにならなかった女優の、それこそ珍しいヌードシーンもある。スーザン・サマーは、覚えておられるだろうか、「ダーティー・ハリー2」のオープニングの屋上プールで、女優数人が裸になってプールに入り、殺人鬼に銃撃されるシーン、その一人だ。彼女は作家・実業家に転身し、ヌードはこれ限りとなった。脱がない女優フェイ・ダナウェイの希少なヌードは「チャイナ・タウン」だった。ダイアン・キートンの映画にもヌードは少ない。あえてあげれば「ミスター・グッドバーを探して」の上半身だけである。ジュリー・クリスティには「最もエロチックな映画」をあげればいつも1、2位にランクインする「赤い影」がある。オカルトっぽい内容だが、相手役はドナルド・サザーランドなもので、それだけでこの映画の奇々怪々ぶりはきわだった。ブリジッド・バルドー(B.B)は、最後の映画となった「ドンファン」でフルヌードになっている。彼女は39歳だった。B.Bは引退を決意していた。惜しげも無くさらした裸の美しさににじむ退嬰のかげりは、映画界を去る惜別だったかもしれない。これこそ最初で最後というヌードがパロマ・ピカソ。ピカソの娘だ。説明のしようのない混乱の映画「インモラル物語」で大胆なヌードになり、混乱に輪をかけた感があるが、社会的な話題はともかく、女優としてはこれ一作だった▼カルト女優がいる。メアリー・ウォロワだ。アンディ・ウォーホールの工房で仕事し、彼女主演の「デスレース2000」はいまもカルト的人気を誇っている。ブレイク寸前のシルベスター・スタローンもいる。この映画でライバル同士を演じる女優ふたりのセリフときたら、まあこんな調子だ。「わたし・無敵の女王の大勝利よ」「フン、ヤリマンのくせに」「墓場に送ってやる」「そこのクズ男といっしょに死ね」「見届けてあげるわ、猛牛女の末路をね」この映画の製作はロジャー・コーマンだ。監督はポール・バーテル。映画とは客が入ってナンボの「B級映画の帝王」と、カルト映画の奇才が作った作品だ。観客をよそ見も脇見もさせないセリフで、映画を磨きぬいている。007の第一作「ドクター・ノオ」が語り草になったのは、初代ボンド、ショーン・コネリーのせいでも「007は殺しの番号」のせいでもない。海からウルスラ・アンドレスが姿を現す上陸シーンによってだ、と言っても叩かれはしないと思う。それくらい彼女の肢体は男がみても、女ならばよけい、衝撃的だった▼史上もっともエロチックなレスビアン・シーンとされる「ビビアンの旅立ち」の主役ヘレン・シェーバーが、「バーバレラ」でセクシーなだけでなくタフな、そしてエステのカリスマとして新機軸を築いたジェーン・フォンダがいる。70年代とは、それまでの絵画や彫刻のような静止したヌードではなく、動き出した肉体の、アクティブなヌードがスクリーンに現れた時代だった。つぎは男優もつくってほしいと思うのはわたしだけか。

 

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