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特集「ザ・クラシックス」

2016年7月27日

特集「ザ・クラシックス4」⑤ 
白蛇伝説(1989年 ホラー映画)

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監督 ケン・ラッセル

出演 アマンダ・ドノホー/サミ・デイヴィス/ヒュー・グラント/ピーター・キャパルティ

 

シネマ365日 No.1828

エロチックな蛇

特集「ザ・クラシックス4」

タイトルは正確にいうと「ケン・ラッセルの白蛇伝説」です。いまどきの3Dもさることながら、ホント面白かったわ〜。製作・監督・脚本がケン・ラッセルです。彼の気合の入れ方がわかるというか、この変わった映画にだれもお金をださなかったから自分で作ったというか、ケン・ラッセルのおなじみの役者が競演しています。アマンダ・ドノホー、サミ・デイヴィスとくれば、そう、「レインボウ」の女優たち。そこへヒュー・グラントがかみます。このときヒューさま28歳。地元の領主の末裔という役で、彼が大してなにもしないうちに映画は終わります。センスのいいダメ男を演じると世界ナンバー1という将来の素地は、すでに醸されていましたね。考古学者のアンガス(ピーター・キャパルディ)が、スコットランドの田舎で、大きな頭蓋骨を発掘する。ローマ時代のものらしい。そこでは大昔から大蛇にまつわる伝説があり、アンガスの先祖は蛇を退治した勇者なのだ。アンガスが投宿している民宿の姉妹、イヴ(キャサリン・オクセンバーグ)とメアリー(サミ・デイヴィス)の両親は、岩窟で行方不明になり、姉妹は捜索を続けている▼村はずれに「神殿の家」とよばれる家があり、主はレディ・シルヴィア(アマンダ・ドノホー)という美女だ。彼女はこの地に潜む大蛇の使者であり化身であり、闇の王ダイダニオンの復活をもくろんでいた。それには処女の血を生け贄に捧げる必要がある。シルヴィアは民宿においてあった大蛇の頭蓋骨を取り返し、いきがけの駄賃に、壁にかけてあったイエスと十字架に毒液を吐きかける。彼女は見事な牙を必要に応じてむき出したりおさめたりできる。イヴがジェイムズ(ヒュー・グラント)とのデートから帰ってきて、十字架が汚れているのに気づき、拭き取ろうとして手が触れたとたん、悪夢が脳裏をかけめぐった。イヴはローマ軍団の兵士たちに犯され、十字架のキリストには白蛇が巻きつき、貞操帯をつけた女たちはペニス型の槍に串刺しにされる。ケン・ラッセルが映像にするエロチシズムは、ダイナミックというか、マンガチックというか、ケバイというか、迷いますね。イヴは誘拐され、メアリー、アンガス、ジェイムズは岩窟こそ伝説の蛇の棲家であり、岩窟と「神殿の家」は秘密の通路でつながっているとわかります。シルヴィアの家に偵察に行ったジェイムズはシルヴィアに誘惑されるがかろうじて逃れ、蛇退治の戦略を練る。蛇は音楽に弱い。屋敷の大屋根に拡声器を取り付け、トルコの「蛇使いの曲」をかける。それを聴いたシルヴィアは、そろそろと籠から頭をだし、くねくねと腰をくねらしながら音楽に誘われ、屋敷に向かう▼ところが敵もさるもの、途中で耳栓をして危機を脱し、逆にアンガスたちを岩窟におびきよせる。いざ、死闘である。岩窟のホールのようなところでは、生け贄にされるイヴ、捕虜になったメアリーがしばりつけられ、敵陣にひとりはいりこんだアンガスは、地底から這い上がってきた白い大蛇の口に手榴弾(どこで手に入れたかは不明)を投げ込む。その前に蛇女シルヴィアはアンガスのひざ、のどに牙を立てていたが、アンガスは注射器をとりだし、自分の太ももにぶすり。あとでわかるが解毒剤だ。蛇女はメアリーをもひとかみ、これまたアンガスが解毒剤をチュー。地底の大爆発で蛇女もろとも大蛇は木っ端微塵、めでたし、となったところでヒューさまが到着、メアリーたちを入院させた病院で、看護師がアンガスをよびとめて言った、「まちがえたの、ごめんなさい、さっき渡したの、解毒剤じゃなく関節炎の薬よ」。アンガス真っ青。鏡に向かってよくよく見れば、傷口はてらてらと不気味に開いている…ジェイムズの車で帰路、「腹がへった。なにか食おう」というヒューさまは、アンガスのひざにふたつの牙の跡を認め…ふたりは無言。ここでエンドだ。地底から首をだした大蛇が運動会のハリボテみたいで大笑い。アンガスは綱にしがみついたシルヴィアの手首を、ナイフでごしごし切って地底に突き落とすし、銃撃や爆弾とはまたちがう、ワイルドな攻防戦が刺激的だった。とくに蛇の化身シルヴィアになったアマンダ・ドノホーが独壇場。ガウンの下は黒い下着、黒のブーツ、一見彼女と区別が付かない、青と黒の隈取は歌舞伎も真っ青。腰をくねらせ「蛇使いの曲」にあわせて踊る姿は、コミカルでさえあった。ケン・ラッセルの「シュールなスコットランドの昔話」です。

 

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