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特集「ザ・クラシックス」

2016年7月31日

特集「ザ・クラシックス4」⑨ 
エントラップメント(1999年 サスペンス映画)

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監督 ジョン・アミエル

出演 ショーン・コネリー/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ

 

シネマ365日 No.1829

エンタメ度サイコー 

特集「ザ・クラシックス4」

ショーン・コネリーは85歳(2016)になりました。代表作は多々ありますが、60歳から70歳、つまり引退前10年の映画は全て粒ぞろいです。「ロビンフッド」「理由」「ザ・ロック」「小説家を見つけたら」「リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い」。その中でも本作は抜きん出て面白い。「エントラップメント」とは「罠」。罠にかかるのは実は観客だというところが(コンチクショー、やったな)と、ある人は地団駄ふみ、ある人は大笑いする。どっちにしても気持ちいい。罠のひとつ。主人公はマック(ショーン・コネリー)か。もちろん彼もそう。でも違う。マックは2年前、泥棒に失敗してFBIに逮捕され、ある取引を飲んだ。FBIがどうしても捉えられない美術品専門の大泥棒・ジン(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)を罠にかけて御用にすることだ▼ジンは女泥棒である。名画の盗難に凄腕を発揮する。ニューヨークで発生したレンブラントの盗難事件は、鮮やかなその手口から、名泥棒(?)の名をほしいままにしていたマックの仕業と断定されたが違った。ジンが警備完璧な高層ビルに逆さ吊りで降り、窓から侵入する大胆な手口でいただいたのだ。ジンの昼間の仕事は保険会社の調査員だ。その保険会社はレンブラントの盗難のため大損害を被った。ジンは上司を説き伏せ、必ずマックを逮捕させると宣言して、盗難絵画のブラックマーケット、クアラルンプールに飛ぶ。なぜジンはマックに執着するのか。ここに絵画盗難なんてちょろい泥棒ではなく、銀行ひとつがカラになる大仕事が隠れている。ジンが狙うのはそれだ。成功するためにはどうしても、マックの経験と技術に裏打ちされた、最高の泥棒術が必要だった。映画の粗筋なんかどうでもいいと言いたくなるほど、この映画は大好きだ。マックの居城はスコットランドの古城である。泥棒の分際で、どうやればこんな優雅な暮らしになれるのだ。調査員だという身分を偽り、マックに仕事を持ちかけてきたジンは、洗練された城やスタイリッシュな居室や、収集された古今の名画にうっとりする▼マックが口にするセリフが、これまたひとつひとつ、癪にさわるほどカッコいい。「俺は、時間は必ず守る。遅れたときは死んだと思え」「俺が美術品を盗むのは人に見せるためでもない、売るためでもない、自分がひとりで見るためだ」「泥棒同士が組んで、仕事以外に心が迷うと二人とも捕まるか死ぬ。おやすみ」。最後の「おやすみ」は、ジンに指も触れず自分の寝室に行くときだ。彼らが最初に企む「黄金の仮面」の展示場、ベッドフォード宮殿は、現存するベッドフォード公爵の城館です。展示場に張り巡らした赤外線警報装置をくぐり抜けるため、ジンとマックは特訓を重ねた。「シカゴ」のダンサーで魅了したキャサリン・ゼタ=ジョーンズのしなやかな体が、赤い紐スレスレにくぐり抜け、マスクのケースまでたどり着くのに3分▼2000年のカウントダウンで沸きかえる、ツインタワーの高度200メートルの脱出劇もうまい。ジンは銀行本部のコンピューターに侵入し、10分の1秒ずつ遅らせて、浮かせた10秒間に、ジンがコンピューターを操作し、預金者の口座から80億ドルをかすめ、ジンの口座に振り込ませたのである。黄金の仮面はコンピューターを開くパスワードと交換のため、ブラックマーケットのボスの手に渡った。ビルは包囲され、唯一残った脱出口は通気口。ここを降りる一人分の小さなパラシュートでマックはジンを逃そうとする。一緒に行きましょうと懇願するジンに「二人では墜落する。君がいけ。明朝6時半、プードー駅で会おう。もし遅れたら死んだと思え」ジンは脱出に成功する。そして翌朝。6時半が過ぎてもマックは来ない。胸騒ぎするジンの背後に人影が。マックだ。でも彼一人ではなかった。ここで登場したFBIがマックの正体をばらす。マックは2年前FBIに捕まったドジな泥棒であるうえ、稀代の女泥棒ジン逮捕の罠を張るため、FBIに協力するというチンケな男だというわけだ。マックはジンを逮捕する前に1分だけ、自分にくれとFBIに約束させていた。彼らはマックとジンを二人だけにして離れる。「裏切るなんてひどい。なぜもっと早くわたしを逮捕しなかったの」「君が本当にあの大仕事ができるかどうか、見たかった。わたしも自分を試したかった。諦めろ。レンブラントもマスクも70億ドルもFBIに引き渡した」「70億ドル?」「10億ドルで我慢しろ。俺のポケットの封筒にパスポートと現金が入っている。それを持ってどこへでもいけ」「逃がしてくれるの?」「君の人生はこれからだ」「あなたにはわたしがいるわ」「よく聞け」とマックは、最愛の弟子に起死回生の芝居を打たせる…▼このときのショーン・コネリーは男の中の男なのか、似ても焼いても食えない男なのか、そのどっちもですがとにかくサイコー。FBIを丸め込んだ二人がプラットホームでこんなことをいう。「マック、もう一つ大仕事があるのよ」「なんだ。女王陛下の王冠か」「そんなのラクな仕事よ。南アで世界最大のダイヤが発掘されたの。想像もつかない値打ちよ。ただわたし、ダイヤに弱いの。マックス、わたしの計画、どう思う?」「やれるだろう」「ホント!」彼奴ら、なんべん生まれ変わっても天職は泥棒(笑)。

 

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