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シネマ365日

2016年8月4日

特集「気になる女1」④ タイッサ・ファーミガ 
ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ(2015年 ホラー映画)

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監督 トッド・ストラウス=シュルソン

出演 タイッサ・ファーミガ/マリン・アッカーマン

 

シネマ365日 No.1833

ネクスト・ブレイク 

特集「気になる女1」

タイッサ・ファーミガです。本作の2年前「記憶探偵と鍵のかかった少女」に主演しました。ヴェラ・ファーミガの末妹です。写真を撮られるときは姉と手をつないで隠れるようにしています。まあ年が21歳も離れていればそうなるのでしょうか。ヴェラは自分が監督する映画で、若い時の自分を演じる女優に、そっくりな妹を選んだが、タイッサは映画に出るなどもってのほかで、出演を懇々と説得しなければならなかった▼タイッサは今(2016)21歳。同い年の頃、キーラ・ナイトレイは「プライドと偏見」とか「つぐない」とか、子役でデビューしたナタリー・ポートマンは大学在学中で休業していたけど「スターウォーズ エピソード2」のアミダラ姫に、同じく子役出身のジョディ・フォスターは「ホテル・ニューハンプシャー」や「他人の血」などに出演、すでにみなさん押しもおされぬ女優でした。タイッサはどうか。ハリウッドのネクスト・ブレイクと目される評判通り、うまく進んでくれたらいいのですけど。生き馬の目を抜く業界で、ズタズタになってほしくないような、可愛らしい子なのです▼本作は変わった映画です。ヒロインのマックス(タイッサ・ファーミガ)は交通事故で母アマンダ(マリン・アッカーマン)を亡くした。一人っ子の一人娘だ。母親は今やカルト的ホラー「血まみれのキャンプ場」の主演女優だったが、あと鳴かず飛ばず。マックスはママが大好きで、オーディション会場から出てきて、役をもらえなかったママをやさしく元気づける。どっちが母親かわからない。母の死から3年、マックスは大学生になり「まみれ博士」と呼ばれる、「血まみれキャンプ場」の追っかけファンの友人たちに誘われ、映画のリバイバル上映の会場にきた。マックスはスクリーンのママを見て涙ぐむ。映画が始まって間もなく、客の一人がタバコの火を落とし、床にこぼれたアルコールに引火して会場は火に包まれた。マックスたちはスクリーンの裏に逃れたところ、そこは「血まみれキャンプ場」の世界だった、というSF映画に突入する。キャンプ場では映画の出演者たちとマックスたちが合流し、殺人鬼ビリーと対決する。マックスたちは1986年の映画の中にいるわけだ。彼らはまだ生まれていない。マックスはそこで自分をまだ産まないママに出会う。でもママはマックスが未来の娘だとはわからない。映画の脚本通り進行するから、生き残るのは「ファイナル・ガール」一人だけであとはビリーに殺されてしまう。ビリーをやっつけ、閉じ込められた映画の外の世界に出ようと、マックスたちは作戦を練る▼マックスはアマンダが大学にも行き、結婚もして子供を産みたい、出来れば娘が欲しいという未来の夢を聞く。だからこんなところで死にたくない…嫌われ者のヴィッキーはガーティに「中学のときブタケツと呼んでごめんね。ひどい人間ね、わたしって」「わたしこそ。去年あなたを年中生理の奇病だって噂を流したわ」「サイコーね。わたしは勇敢なマックスに憧れていた。でもマックスはガーティと親友だから嫉妬していたの」。マックスは未来のママと話していた。「あなたのお母さんはどんな人だったの」「すごく美人で面白かった。素晴らしい人だった」「これあげる。友情の証よ。わたしを忘れないで」そう言ってママは綺麗なブレスレットをマックスの手首につけた「忘れるわけ、ないわ。あなたはエンシノに住んでいて歌うこととファミレスが好き。ビッグな映画スターになりたかった。娘もいる。一人娘よ。わたし、ひとりで戻りたくない」「わたしは消えない。映画を見ればわたしはここにいるわ」「愛している。ママには言えなかったの」「わかっているわ、きっと」▼色仕掛けでビリーをおびき出すティナは、向精神薬を飲みすぎ手がつけられなくなってしまった。「ティナ、大丈夫?」「うるせえ。任せろっつーの。完璧だヨ〜ン」どこまでアホらしい映画かと思うだろうが、テンポがよくて退屈させず、ボロを出さないのだ。ビリーは斧でザクッと腹を立ち割ったり、怪力で背骨を折ったりするのだが、映像としてはおとなしい範囲であろうと思える。マックスをファイナル・ガールにするため、ヴィッキーもガーティも犠牲になってマックスを助ける。残ったのはマックスと未来のママだ。ママはマックスが「ファイナル」(最後の少女)であるためには自分が死ななければならないと決め、自らビリーの凶刃を受ける。そもそもマックスが「ファイナル・ガール」になったのは処女でなければならないという条件が脚本にあるからだ。「ここで処女なんて、マックスだけじゃない」だったのである。マックスがビリーと対決する。マックスは今や人が変わり、美少女戦士セーラー・ムーンの世界である。ビュンビュンと大きな刀を片手で振り回し、ムエタイを駆使し「処女を舐めンなよ!」そう叫んで、ぐっさり止めを刺すのだ。なんと、なんと、なんとッ▼ビリーが最後に火を放ったキャンプ場は炎上爆発した。気がつけばマックスもガーティもヴィッキーも病院で手当てを受けていた。お互いに無事を喜び合い、マックスは自分の左手首に、ブレスレットがはめられているのを見る。キャンプ場が舞台で狂った殺人鬼が登場とは、80年代ホラーのギャグとしか言いようがないが、タイッサ・ファーミガが母親を愛する一途な娘を好演、全く素直に演じているものだからクサミもイヤミもない。ヴェラ姉さんはなんといったか知らないが、タイッサみたいな子を相手に目クジラ立てても仕方ない、まあまあ、面白かったわね、ですませたい。

 

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