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シネマ365日

2016年8月18日

特集「懐かしい、あいつら1」⑨ 
ミス・ブロディの青春(上)(1969年 社会派映画)

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監督 ロナルド・ニーム

出演 マギー・スミス/パメラ・フランクリン

 

シネマ365日 No.1847

マギーの魔法 

特集「懐かしい、あいつら1」

マギー・スミスは今年(2016)81歳です。彼女とジョディ・デンチは同い年。揃って「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」で共演し、好評を受けて続編「マリーゴールド・ホテル幸せへの第二章」(2016)で再び共演した。ふたりとも、英米どっちのオスカーも受賞しているし、他の映画賞にしても、受賞をかぞえるのにくたびれるほどの名女優だ。特にマギーは、ホグワーツ魔術学校で、ひょっとして自分自身に魔法をかけたのではないか(笑)。この映画はマギーが35歳のときです。佳品です。アカデミー主演女優賞も文句ない。それに、何と言っても美人だわよ。イギリス人の美人女優って、もちろんたくさんおられますよ。でもマギーはどういう美人の遺伝子を持っているのか。ケイト・ウィンスレットより脚が細いし、ナオミ・ワッツより高身長だ。容貌はエミリー・ブラントよりシャープで、ティルダ・スウィントンほどとんがっていない。いちばん雰囲気が近いのはデボラ・カーのような気がします▼デボラ・カーに「王様と私」「黒水仙」があれば、マギーには本作や「ハリポタ」ホグワーツ魔術学校の副校長、「天使にラブソングを」の修道院の院長など、教師・先生・修道女が代表作になっていることも、ふたりのキャラの共通項です。本作ではイギリスの名門女子高の情熱的な先生。教職は自分の天職だと信念を持つブロディ先生(マギー・スミス)は、突出した存在だ。地味なドブネズミ色の服しか着ない先生たちの中で、きらびやかな服装、刺激に富んだウィットな会話、愛人の存在、生徒たちの人気、どれもこれも伝統ある女子高では目立ちすぎる。だから校長はなんとかしてブロディをクビにしたいが、ちょっとやそっとの嫌味や当てこすりで動じるブロディではない。「教師はわたしの天職です。それを奪おうたってそうはいきません!」。彼女の情熱はでも誰もが認める。生徒は「宝であり自分の娘だ」と公言してはばからず、生徒たちも先生の情熱に応え、特に「ブロディ組」と呼ばれる4人はブロディ先生の親衛隊だ。時代は1932年のエジンバラであるから、ヨーロッパは第一次世界大戦と第二次世界大戦の狭間、スペインでフランコ政権打倒の内紛が起こるなど不穏な空気が欧州を覆っていた▼ブロディの授業はラディカルで「協調性は個性を潰します。クレオパトラに協調性があったかしら。プリマ・バレリーナは協調性が必要かしら」そして教室でムッソリーニを礼賛する。「ブロディ組」はブロディを崇拝しながら、一方では独身教師の性生活に興味津々だ。ブロディは若き日の恋の思い出を語り、女生徒たちは感涙にむせんだが、今は美術の先生テディと不倫もし、音楽の先生ゴードンからも求愛されている。テディは6人の子持ちで関係を持つという男なのに、だれを描いてもブロディになるという、どうにもならない業火に身を焼いている。女生徒たちはやがて成長し、大人の世界に足を踏み入れていく。ブロディ組の一人、サンディ(パメラ・フランクリン)はテディのモデルになり、恋人になった。テディがサンディのヌードを描いたキャンバスを一目見るなり、それがまぎれもないブロディであることにサンディは傷ついてしまい、その矛先はブロディに向かう▼兄がスペイン戦線にいるメアリーは、戦争を賛美したブロディの教えに従い、兄を訪ねてスペインに行き、空爆にあって命を落とした。音楽の先生は求愛に応えてくれないブロディを諦め、化学の先生と結婚した。この辺りからブロディの権勢に影が差し始める。結婚しない女に対する世間の視線は学校であろうとどこであろうと一緒だ。校長は勢いを盛り返し、理事会はブロディの教育方針に、解雇処分を決めた。テディはブロディに言う。「君はゴードンと結婚すべきだった。僕は43歳の二流の画家だ。下り坂さ。君はいくつになった。欲求不満から危険思想に走るオールド・ミスだ」。校長の退職勧告にブロディはこう反撃する。「あなたはこの学校に就任以来、わたしを追い出すことしか頭になかった。口実を探すのに躍起だった。今度も生徒に政治を吹き込んだという。この執念深い個人攻撃が校長のすることですか」「ミス・ブロディ。あなたはよくわかっていない。この件は理事会があなたに重大な非があると結論したのです。即解雇を通告しに来たのです。あなたのクラスは明日から他の先生に担当してもらいます」

 

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