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シネマ365日

2016年8月27日

特集「B級クィーン1」⑤ 
ゴースト・オブ・マーズ(2002年 SF映画)

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監督 ジョン・カーペンター

出演 ナターシャ・ヘンストリッジ/アイス・キューブ/ジェイソン・ステイサム/パム・グリア/クレア・デュバル

 

シネマ365日 No.1856

小気味いいわ

B級クイーン27-31

優れものだと思うのよ、この映画。ジョン・カーペンター監督って、どうしてこう情け容赦ないのでしょう。内容が冷酷だとか残酷だとか、じゃないの(それもあるけど)、ジェイソン・ステイサムとかパム・グリアとか、クレア・デュパルとか、主演級の役者をあっけなく殺しちゃうのね。え〜いったいだれが生き残るのよ、ゾンビだけか…と思ったわ。そしたら、火星基地全滅の危機に、かろうじて生存した警部補ナターシャ・ヘンストリッジと、お尋ね者アイス・キューブが(おし。やってやろうぜ)と二人で決戦に挑む。絵に描いたようなヒーロー・ヒロインものですが、ここまで徹底的に登場人物を消しまくった消去法のあっぱれさ。もともと飛んでいる筋書きなのだから、いまさら話が跳ねようとグネようと、もはやだれもつべこべ言わない。すンばらしい、カーペンター監督の腕力です▼2176年火星。地球人は火星を植民地とし、天然資源を採掘した。火星警察のメラニー・バラード警部補(ナターシャ・ヘンストリッジ)が、到着した鉱山町シャイニング渓谷は死体だらけのゴーストタウンと化していた。映画は、シャイニングから一人生還したメラニーが、政府要職者の事情聴取の審問に答えるという形で進みます。メラニーの任務は、鉱山町にある刑務所から、稀代のお尋ね者ウィリアム(アイス・キューブ)を本部に移送することだ。ウィリアムを受け取りに行く列車の中で、メラニーはゲイの女隊長(パム・グリア)と、同僚の警官ジェリコ(ジェイソン・ステイサム)に口説かれる。「ノー」とお断りしつつ炭鉱の町に。火星の赤茶けた砂漠の大地に、人影のないうらぶれた町は、なぜかノスタルジアを掻き立てる。そこを走る列車が、これまたなぜか元祖「スター・ウォーズ」の懐かしさを醸すのだ▼死体がゴロゴロ転がるゴーストタウンの調査に出向いた一隊は、たちまち女隊長が首を切られ、晒し者にされ、姿を現した住民たちは肌・皮膚・体型、すべて超絶ゴシック調。生き残った生物学者の話によると、火星に住み着いていた先住民族の亡霊が、地球人が知らずに解いた封印によって解き放たれ、火星を我が物にしようとする地球人を全滅させようとしている、ということなのだ。厄介なのは、彼らの正体が、亡霊であるからして、個体がない、彼らは宿主が殺されると、スピリッツはだけが、ふわふわと空中を遊泳し、地球人の肉体に憑依するのだ。早い話、彼らをやっつけても亡霊は滅びず、肉体を乗っ取られた地球人だけが死ぬことになる。メラニーは炭鉱町を占領した亡霊軍団に対抗するため、刑務所のウィリアムと手を組む。この後に及んでもメラニーを口説くジェリコもいい度胸だし、勇敢な若い女性警官バシラ(クレア・デュバル)も度々メラニーの危機を救う。ジェイソン・ステイサムは34歳でしたが完全に若ハゲです。でも強い。彼が「トランスポーター」でブレイクするのは本作の1年後です▼ナターシャ・ヘンストリッジはモデル出身です。姿形ばかり褒めるのは女優に取って迷惑? いや〜キレイなものはキレイでいいと思うのですわ。女はみんな美しいものが好き。キリリと引き締まったメラニー警部補の組手アクション、きっちり決まっていたし、冷たい美貌は、一皮むけたら、シャーリーズ・セロン級の女優になったのでは…というのは褒めすぎか。いいでしょ。だれかの迷惑になるわけじゃなし。クレア・デュバルと聞いて一番先にどの映画を思い出します? 「21グラム」うん、いいですね。「17歳のカルテ」おお、これもいい線いっている、でも「GO!GO! チアーズ」と答えた人、隅に置けないな(笑)。彼女、脇でいい味を出す女優になりました。だからね、この映画、B級だとバカにしたらもったいない要素、いっぱいあるのです。カーペンター監督ときたらホラーの名手。「ハロウィン」でジェイミー・リー・カーチスを絶叫女王にし、「遊星からの物体X」は、クリーチャー創造主としての変態ぶりに張りあえるのは、わが愛のデヴィッド・クローネンバーグ…。わずか98分の尺でとことん引っ張っていく、小気味よさを買うわ。

 

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