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2016年8月30日

9月1日がXデー! 子どもの自殺が約2.7倍に!

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1年を通して最も自殺が多いのが、9月1日前後

まもなく夏休みが終わります。新学期が始まる9月1日は、親や学校が最も注意すべき日といえるかもしれません。

 

内閣府の平成27年度版『自殺対策白書』によると、1972年から2013年までに自殺した18歳以下の子どもについて日別で分析したところ、9月1日前後が急増していることが明らかになっています。9月10日は「世界自殺予防デー」で、それにちなんで内閣府では9月10~16日を「自殺予防週間」とし、命の大切さや自殺の危険を示すサイン、また危険に気づいたときの対応方法等について国民の理解の促進を図るよう取り組んでいます。

 

しかし、Xデーはその前の9月1日。大人には信じられないような些細なきっかけで自ら命を絶つこともあります。どう自殺を防げばいいのか、文部科学省が作成した「教師が知っておきたい子どもの自殺予防」マニュアル(「第二章 自殺のサインと対応」)から一部ご紹介します。

自殺の心理

自殺はある日突然、何の前触れもなく起こるというよりも、長い時間かかって徐々に危険な心理状態に陥っていくのが一般的です。自殺にまで追いつめられる子どもの心理の共通点として、同マニュアルには下記のような点が挙げられています。

 

1)ひどい孤立感

「誰も自分のことを助けてくれるはずがない」「居場所がない」「皆に迷惑をかけるだけだ」としか思えない心理に陥り、頑なに自分の殻に閉じこもってしまいます。

2)無価値感

「私なんかいない方がいい」「生きていても仕方がない」といった考えが拭い去れなくなります。

3)強い怒り

自分の置かれているつらい状況をうまく受け入れることができず、やり場のない気持ちを他者への怒りとして表す場合も少なくありません。

4)苦しみが永遠に続くという思いこみ

自分が今抱えている苦しみはどんなに努力しても解決せず、永遠に続くという思いこみにとらわれて絶望的な感情に陥ります。

5)  心理的視野狭窄

自殺以外の解決方法が全く思い浮かばなくなる心理状態です。

 

自殺の危険因子

子どもの周りにいる大人たちは、子どもが自殺に追いつめられる前に、自殺の危険性に気づくようにしたいものです。同マニュアルには、7つの自殺の危険因子が挙げられており、このような因子を数多く認める子どもには潜在的に自殺の危険が高いと考える必要があるとされています。

 

1)  自殺未遂

2)  心の病

うつ病、統合失調症、パーソナリティ障害、薬物乱用、摂食障害などが自殺の危険の背後に潜んでいることがあります。学校へ行き渋る ・自分を責めたり、イライラしたりする・眠れない、食べられない・リラックスして好きなことを楽しめない・身体の不調を訴えても検査では異常がない、などの点に気づいたらうつ病の可能性を考えましょう。

3) 安心感のもてない家庭環境

自殺の危険の背後に虐待、親の養育態度の歪み、頻繁な転居、兄弟姉妹間の葛藤といった安心感のもてない家庭環境を認めることがあります。夫婦仲が悪い、過保護・過干渉なども自殺の危険が高めることがあります。

4)独特の性格傾向

未熟・依存的/衝動的/極端な完全癖/抑うつ的/反社会的

5)喪失体験

離別、死別(とくに自殺)、失恋、病気、けが、急激な学力低下、予想外の失敗など、自

分にとってかけがえのない大切な人や物や価値を失うこと。

6)孤立感

子どもの場合は、人間関係が家庭と学校を中心とした限られたものになっています。仲間からのいじめや無視によって孤立感を深めることは、大人が考える以上に大きなダメージとなります。

7)安全や健康を守れない傾向

それまでとくに問題のなかった子どもが事故や怪我を繰り返すようなことがあれば、無意識的な自己破壊の可能性もあるので、注意を払う必要があります。

自殺直前のサイン

・これまでに関心のあった事柄に対して興味を失う。

・注意が集中できなくなる。

・いつもなら楽々できるような課題が達成できない。

・成績が急に落ちる。

・不安やイライラが増し、落ち着きがなくなる。

・投げやりな態度が目立つ。

・身だしなみを気にしなくなる。

・健康や自己管理がおろそかになる。

・不眠、食欲不振、体重減少などのさまざまな身体の不調を訴える。

・自分より年下の子どもや動物を虐待する。

・学校に通わなくなる。

・友人との交際をやめて、引きこもりがちになる。

・家出や放浪をする。

・乱れた性行動に及ぶ。

・過度に危険な行為に及ぶ、実際に大怪我をする。

・自殺にとらわれ、自殺についての文章を書いたり、自殺についての絵を描いたりする。

 

また、

・アルコールや薬物の乱用

・自殺計画の具体化

・自傷行為

・行動、性格、身なりの突然の変化

・怪我を繰り返す傾向

・重要な人の最近の自殺

・最近の喪失体験

・別れの用意(整理整頓 大切なものをあげる)

 

といったサインも挙げられています。

「自殺」の危険を察知したら?

子どもから「死にたい」と訴えられたり、自殺の危険の高まった子どもに出会ったとき、大人が不安になったり、その気持ちを否定したくなって、安易に励ましたり、「死ぬなんて馬鹿なことを考えるな」などと叱ったりしがちです。しかし、それではせっかく開きはじめた心が閉ざされてしまいます。自殺の危険が高まった子どもへの対応において、同マニュアルでは次のような「TALKの原則」が紹介されています。

 

Tell: 言葉に出して心配していることを伝える

例)「死にたいくらい辛いことがあるのね。とってもあなたのことが心配だわ」

Ask:「死にたい」という気持ちについて、率直に尋ねる

例)「どんなときに死にたいと思ってしまうの?」

Listen:絶望的な気持ちを傾聴する

死を思うほどの深刻な問題を抱えた子どもに対しては、子どもの考えや行動を良し悪しで判断するのではなく、そうならざるを得なかった、それしか思いつかなかった状況を理解しようとすることが必要です。

Keep safe:安全を確保する

危険と判断したら、まずひとりにしないで寄り添い、他からも適切な援助を求めるようにします。

 

 

実際に子どもが自殺という行為に及ぶ前には、救いを求める必死の叫びをあげていることがほとんどです。今回ご紹介したのは、教師向けのマニュアルですが、親や周りの大人にとっても有益な情報が紹介されています。子どもの自殺を防ぐためにも、一度目を通されてはいかがでしょう。

 

<参考サイト>

文部科学省「教師が知っておきたい子どもの自殺予防

文部科学省 子どもの自殺予防

 

 

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