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特集「ベストコレクション」

2016年9月6日

特集「天高く初秋のベストコレクション」⑥ 
オデッセイ(2016年 SF映画)

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監督 リドリー・スコット

出演 マット・デイモン/ジェシカ・テャスティン/ケイト・マーラ

 

シネマ365日 No.1866

「イエス」 

特集「天高く初秋のベストコレクション」

一言でいうとこの映画は、火星に取り残された宇宙飛行士、マーク・ワトニー(マット・デイモン)の回収ミッションです。火星の有人探査計画アレス3のクルーである、マークら探査班は砂嵐に巻き込まれた。他のクルーは宇宙船ヘルメス号に乗船したが、マークは行方不明となり、ルイス船長(ジェシカ・チャスティン)はマークが死亡したものとみなし、離陸を指示した。マークは生きていた。ここからがマークの「火星のロビンソン・クルーソー」だ。次の探査船が来るのは4年後。一番の問題は水と食糧だ。基地にある残存食糧は1年分、3年分をどうするか。「ここで死んでたまるか」とマークは誓う。マークのキャラが陽性でしてね、名門シカゴ大学からNASAへ。「僕は植物学者だ。その土地で初めて植物を植えることが植民地化というのだ。してみれば僕は火星を植民地にしたのだ。どこに行っても処女地だしな〜」と屈託がない▼「水を作らなきゃ。水素に酸素を加え、燃やす」。食糧の中にあったジャガイモを種イモにして、乗組員の凍結させた排泄物を解凍し肥料とする。排泄物のバッグには誰のものか、名前が記入してある。「これはヨハンソン(ケイト・マーラ)のか」。袋から出し、「ひどい臭い」顔をしかめるのが具体的だ。基地の中に畑を作り、土を掘り起こして柔らかくし、畝を作り、ジャガイモを埋めて水をまく。ある日緑の双葉が出た。「やあ」(Hey, there.)とマークは挨拶する。地球では華々しくマークの追悼式が行われたが、ある日火星の「アキダリア平原に何かあります」と報告が上がった。マークは生きていた。砂に埋もれていた、マーズ・パスファインダーをマークは掘り出し、地球との交信に成功する。NASA長官はマーク救助のため、まず追加食糧を送ると決め輸送ロケットを打ち上げるが失敗した。ヘルメス号の中では、マークの生存に喜ぶ一方、自分たちは結局彼を置き去りにしていたのだと、特に船長は自責の念にかられる。マークは彼らの気持ちを察し、自分は巨大な砂嵐と怪我のため、意識不明となり母船に帰れなかった、船長とクルーの判断に誤りもなく、責任もないと表明した▼NASAのロケットによる支援が失敗したものの、北京の中国国家航天局の援助によって、輸送ロケットを打ち上げ、地球軌道に乗せることに成功した。火星の厳しい環境と度重なる自然の猛威に、さすがのマークも失意に落ち込む。事故でハブが破壊され、ジャガイモがやられ、マークは外へ出て砂地に座り、広大な赤い世界を見つめた。とうとうこう書く「ルイス船長。お願いがあります。僕が死んだら両親を訪れ、火星の話をしてください。酷な役目だから船長にお願いします。僕は諦めていませんが、あらゆる結果に備えなければ。両親にこう伝えてください。この仕事が好きだし、僕の天職です。僕が死ぬのは大切なことのため、崇高で偉大なもののため、喜んで命を捧げるのだと。最後に、僕の親になってくれて有難うと」▼NASAは時間との競争に入っていた。基地の水と食糧が尽きるまでにマークを救出しなければならない。宇宙力学課のオタクが長官に面会に来た。地球に帰還中のヘルメスをもう一度火星に向かわせるのだ。地球から火星に向かうより早い。しかし途中での中国ロケットとのドッキングで食糧を積み込む危険な作業があり、ヘルメスのクルーに533日間のミッション延長を強いる。従来の計画通りなら、高い確率でマーク一人を失うが、ヘルメス号が救援に向かいもし事故があれば、マークとヘルメス号5人全員を失うのだ。長官はヘルメス号の救援案を却下した。ところがヘルメスUターン計画がNASAで浮上したことを、ヨハンセンが、マサチューセッツ工科大で二つの学位を取ったシステムオペレーターがキャッチした。報告を受けたルイス船長は全員を集めた。「一人でも反対があればやらない。NASAの指示に反乱するのだから、軍人であるわたしとマルティネスは、戻ったら軍法会議が待っている。あとの3人は二度と宇宙へ行けない。イエスかノーで答えて」「ヘルメスで900日宇宙を飛んだ。人生でそれだけ宇宙にいたら充分さ。イエス」。こちらはNASA「ヘルメスがおかしい。軌道をずれている。異変があったにちがいない」「異変ではない、自分らで行く先を変えたのだ!」▼ヒューマンな映画にこんなことを書くと嫌われそうだが、マークの救出は、各国が注視する一大イベントとして、世界中に報道されていた。かくもド派手なエンタメ救出劇に落ち着くところが、さすがというかやはりというか、どこまでもハリウッドなのね。まあいいか。赤い砂丘に腰を下ろし、無人の星の果てない地平線を見ているマークの後ろ姿が、なんともいえずよかったわ。リドリー・スコットらしい、乾いた叙情でした。

 

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