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特集「ベストコレクション」

2016年9月7日

特集「天高く初秋のベストコレクション」⑦ 
アメリカン・ホラー・ストーリー/呪いの館(上)(2011年〜 ホラー映画)

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製作 ライアン・マーフィー/ブラッド・ファルチャック

出演 ジェシカ・ラング/サラ・ポールソン/タイッサ・ファーミガ/ケイト・マーラ

 

シネマ365日 No.1867

こわいもの見たさ

アメリカン・ホラー・ストーリー

生きた人間と幽霊が、入れ替わりたちかわり現れます。この強引さがすごい。簡単にいうと本作は「目に見えるものがこの世のすべてではない」という基本軸で貫かれています。幽霊がセックスする、自由に姿を現したり消したりし、生きている人間に見えることも見える時もあれば、見えない時もある。本作の中心人物の一人、コンスタンス(ジェシカ・ラング)と、霊媒師のビリー(サラ・ポールソン)がこんなことをいいます。「惨殺された者は望みを叶えるまで地上を離れない。稀にテイトのように、自分の死に気がつかないまま、地上をさまよう者もいるの」「だからベンに任せたの。彼は精神科医だから、テイトに自分は死んだのだと気づかせてくれるかと」この二人が大前提とする「霊は存在する」を受け入れたら最後、そこは「アメホラ一丁目」。幽界にはまってしまいます▼順を追っていくと、ボストンからロサンゼルスに引っ越してきた精神科医のベンと妻ヴィヴィアン、高校生くらいの娘ヴァイオレット(タイッサ・ファーミガ)は、彼らの隣人はコンスタンス(ジェシカ・ラング)、その息子テイト、大やけどを負った男ラリーと出会う。ボストンで浮気が発覚したベンは、ロスでやり直そうと引っ越してきたのだが、その家には過去のおぞましい事件が纏わりついていた。この家は殺されて浮かばれない死者たちの霊が集まる家だった。時間軸が入れ替わり家政婦のモイラが、若いセクシーな美女として現れ、ヴァイオレットが好きになるテイトは海辺の夜のデイトで、セックス直前に「できない」。ヴァイオレットが理由を聞いてもはっきりいわない。そこへ高校生の5人組が夜陰に乗じて音もなく砂丘の向こうから現れる。頭に穴が空いていたり、顔の半分が血まみれだったり、脳が露出していたり。ヴァイオレットは仮装パーティの帰りかと思うが、とんでもない、彼らはみんな幽霊なのだ。テイトもそうなのだ▼ビリーはボストンでの不倫相手ヘイデン(ケイト・マーラ)につきまとわれる。おまけに妻は妊娠中。ヴィヴィアンは夫に出て行けと言うが、診療所が自宅だからベンは、別居はしたものの毎日通ってくる。ヘイデンが来る、妻は警備員に通報し、彼女は警察に連れて行かれるが、途中で姿が消えた。彼女も幽霊でした。家政婦のモイラの存在も不気味。彼女はこの家で家政婦をしていたが、主人とセックスしていたところを女主人のコンスタンスが見つけ、モイラは射殺、旦那も殺された。だから今いるモイラは幽霊のはずだが、ヴィヴィアンに「妊娠中は豚の内臓がよいと、奥様から言付かってきました」と、生々しい内臓を取り出す。奥様とはもちろんコンスタンスだ。彼女は次に豚か何か知らないが大脳のようなものをもたせてよこす。気味悪がっていたヴィヴィアンは、一口食べ、二口食べ、ガツガツ平らげてしまう。わけがわからない▼ブタ男も登場する。ベンの患者だ。都市伝説に「シカゴの精肉店の男が、ブタのマスクをかぶってブタをさばいていた。彼が転んだとき、ブタが襲いかかった、彼の姿が消えたので人はブタに食い殺されたのだと噂した。遺体が見つかったとき、ブタのように皮を剥がれ浴室で逆さ吊りにされていた。それ以来、鏡に向かってブタ男ちゃん、ここだよ、というとブタ男が殺しに戻ってくる」。それが恐怖で彼は鏡が見られなくなった、というのだ。ベンにそんなものはいない、と言われ、彼は勇気を奮って鏡の前に立ち、つぶやいた途端殺された。ブタ男ではなく押し込み強盗だった。タネがあるような、ないような、虚実混淆のエピソードがずらずら挿入されていく。コンスタンスなんか、ビリーに「あなたは詐欺師かもね」などと言い出す。ビリーは「死んだ娘さんが怒っているわよ。よく見るわ。怨みを抱えた死者の姿を」という。娘に謝りたかった、あの子の小さいとき、一人で子育てするのが大変でかまってやれなかった、寂しかったに違いない、とコンスタンスは泣く。「元気な子ね。生きているときに聴きたかったと言っているわ。ここにきているわよ」ビリーはコンスタンスの手を取り「話しかけて」。「あなたに謝りたいの。いつも心のなかで思っていたの。お前は自慢の娘で懸命に生きていた。綺麗よ。お前を誰よりも愛している」涙ながらに語りかける母にビリーまで泣き「ありがとうって。わかってくれたわ。あなたに感謝している。向こうの世界にいる彼女はとても綺麗よ。ただ前の庭は嫌いって」。前の庭とは「呪いの館」の庭だ。ベン一家はどうなる。ビリーのサラ・ポールソン、「キャロル」の元カノでもいい味わいを見せていました。

 

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