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特集「ベストコレクション」

2016年9月8日

特集「天高く初秋のベストコレクション」⑧ 
アメリカン・ホラー・ストーリー/呪いの館(下)(2011年〜 ホラー映画)

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製作 ライアン・マーフィー/ブラッド・ファルチャック

出演 ジェシカ・ラング/サラ・ポールソン/タイッサ・ファーミガ/ケイト・マーラ

 

シネマ365日 No.1868

ここにきているわ 

アメリカン・ホラー・ストーリー

この屋敷で死ぬと屋敷を出ていけない。死んだたくさんの魂が一箇所にいるわけだから、大世帯だ。いい幽霊もよくない幽霊もいる。ヴィヴィアンが出産するとき、病院に行くのは間に合わないからこの家でお産することになった。呪われた家で出産など出来ないと夫のベンがいうと、コンスタンス(ジェシカ・ラング)が「今は幽霊の手でも借りるのよ」と肝っ玉なことをいい、この屋敷を建てたモンゴメリー博士や、ここで罪なく殺された看護師や、モイラが手伝い、赤ん坊を取り上げる。お腹の子供は異父過妊娠という珍しい双子の例だった。医師によればヴィヴィアンは「48時間以内に二人の男性とセックスし、別々の精子で妊娠した」。父親の一人なベンだが、もう一人はテイトだった。彼はゲイカップルが性的刺激のため購入したラバースーツを着用し、顔の見えない黒い侵入者となって、ヴィヴィアンをレイプしたが、ヴィヴィアンはベンだと勘違いして受け入れたのである。母親さえテイトを異常者ではないかと疑っている。高校で5人を乱射、自らは警官に射殺されたが死んだ自覚がなく屋敷の中を出没する。ゲイカップルを殺したのも彼▼ともかく幽霊チームが力を合わせ、子供を取り上げたが、ヴィヴィアンは力尽きて死んでしまう。赤ん坊の一人は死んでいた。もう一人を、子供を中絶したヘイデン(ケイト・マーラ)と、自ら射殺してしまったノーマ(モンゴメリ博士の妻)が横取りしようと狙っている。ヴァイオレット(タリッサ・ファーミガ)は自殺を試みたとき、テイトが助けようとしたが、薬の量が多すぎ助けられなかった。ヴァイオレットは自分が死んだことがわからなかった。そこへテイトに虫の湧いた自分の死体を見せられ、ヴィヴィアンは死を受け入れる。母が「こっち」へ来て、母娘は抱き合うが、悲しいのはパパのベン。妻と娘を失い自殺を図るが、ヴィヴィアンの霊に止められる。ところが復讐に燃えるヘイデンは、ベンを二階から突き落とし、シャンデリアに宙吊りにして殺してしまうのだ。ベン一家も全員、この家で殺されたことになる▼家の新しい買い手がついた。不動産業者だ。購入して集合住宅に建て替えるという。そんなことをされたら霊たちは行き場がなくなる。コンスタンスは自分の息子にも娘にも会えなくなる。断固阻止しようと、モイラに「あなたの特技を」と頼む。モイラは男の目には若い官能的な女性に映るのだ。モイラは不動産屋を昇天させ、男性自身を食いちぎってしまう。以後男は姿を消し、行方不明。ヴィヴィアンはこの家に入居したら、霊に弄ばれ不幸になる、入居希望者は追い払おうと決め、善なる霊たちと組んで、次に来た新たな購入者を恐怖のドン底に突き落とし、一家は真夜中にもかかわらず引き払った。赤ん坊はどうなった。ある日、ノーラが愛しげに赤ん坊を抱いている。ヴィヴィアンらがその子はどうしたと聞くと、死ぬ前に一度だけ泣いた、つまり死産ではなく一瞬でも生き、この家で死んだのだから住む権利がある、自分が育てると機嫌がよい。もう一人は? コンスタンスはヴァイオレットが連れて行ったと適当な嘘をついたが、ヴァイオレットはちゃんと家にいるし…コンスタンスが自分の家に隠していたのである。コンスタンスにすればテイトが妊娠させた子だから孫だ▼最大の妖怪はコンスタンスである。息子は幽霊でヴィヴィアンを妊娠させた。幽霊と生身の人間の間でできた子はどうなるのかとビリー(サラ・ポールソン)に訊く。ビリーは「ローマ法皇の箱」の話をする。「法皇が選ばれると礼拝堂の隣の小部屋に通される。涙の間と呼ばれる。小箱があり法皇に鍵が渡される。箱に入っているのは世界の終わりに関する秘密。その神に悪魔の姿が記されているの。人間と悪霊の間に生まれた子供が週末を先導すると。それが悪魔の本質なの。無原罪懐胎の悪用よ。精霊はマリアの耳元で神の子を授けると告げた。もし悪魔が人間に子供を産ませるなら、見返りを求めるはずよ。世界の終末という」▼3年後、コンスタンスは美容エステで髪と肌の手入れに余念がない。若々しく変身して帰宅する。中に入るとメイドが喉を切られて横たわっている。血の跡を追っていくと子供部屋に続き、3歳のマイケルが血糊をつけ、ニコニコ笑っていた。コンスタンスは納得する。やはりこの子が「終末を先導する悪魔」なのだ。「さあ、どうしたものかしら」コンスタンスはニヤッと首を傾げた。コンスタンスは自閉症だろうとフリークだろうと殺人狂だろうと、自分の子供を愛しています。病院にも施設にもやらない。危険な母親かもしれませんが、限りない母性で我が子を抱えている。性に奔放で何人もの男と関係を持ち、殺しもしたが、反省も後悔もない怪物的な女性であり、彼女にだけ幽霊が見え、自由に喋り、人の不幸を願うときがある、本作の最も悪魔的な女性です。彼女に比べたらヘイデンさえ小娘の域で、ヴィヴィアンは天使、ヴァイオレットは文字通りネンネだ。コンスタンスの腹黒さにメイドのモイラは嫌気がさし、最後にはヴィヴィアンの守護神として彼女を守ります。霊の世界を邪悪や嫉妬や駆け引きや、愛憎渦巻く関係で成り立たせていることが、幽霊に現実感を与えました。霊媒のビリーが「ここにきているわ」なんていうのを聞くと、自分の周りを見回してしまいそうになりません?

 

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