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特集「女のわがまま」

2016年9月18日

特集「女のわがまま3」③
おしゃれ泥棒2(1986年 コメディ映画)

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監督 ロジャー・ヤング

出演 オードリー・ヘプバーン/ロバート・ワグナー

 

シネマ365日 No.1878

「おしゃれ泥棒」50周年 

特集「女のわがまま3」

「おしゃれ泥棒」が公開されたのは1966年、今年2016年はちょうど50周年にあたります。本作は、最初の「おしゃれ泥棒」から20年後に制作されたテレビ映画で、オードリー・ヘプバーン最後の主演作品です。内容は「おしゃれ泥棒」と全然関係ありません。だいたい本作を見た人が、何人いるかどうかも疑わしい(笑)。それをなんで、と聞かれたら、そらもう、ヘプバーンだから、としかいいようがないです。58歳だろうが60歳だろうが、ヘプバーンはヘプバーンである。彼女は63歳で没しましたから、最晩年の映画だといってもいい。ひょっとしてガンの自覚はあったかも。そう思うとあの細い体がいやましに細くみえる。いまどきの女優さんには、目をそらしたくなるほど痩せた人が多いのですが、ヘプバーンはとても健康でした。育ち盛りのときが戦争中で、飢え死にしそうな日々を送ったせいで「ステッキみたいな体になった」とご本人は言っておりました。ダイエットらしいダイエットはしなかったが、バレエで鍛えた体には「筋肉がしっかりついていた」と、息子さんは思い出に書いています。母親のどこを見たかといいますと、太ももと腕だそうです▼こういうトリビアを、とめどなくおしゃべりしたくなるのもヘプバーンだから(笑)。ついでに言わせてもらえば、この映画全体が立派なトリビアでして、全編これ、どうでもいいようなものなのです。みていると「あ、これは〈ローマの休日〉」「おや、ここは〈シャレード〉」「おお、〈暗くなるまで待って〉だわ」と、つぎからつぎ、ヘプバーンの代表作が浮かんできまして、ネコちゃんが現れたときは、いやー「ムーン・リバー」のラストシーンがほうふつ。内容などは二の次で、たいへん感激しました。58歳にして20代の体型を保つのは、なにを食べ、なにを食べないでいればいいのでしょう…ンもう、この映画について言おうとすると、どこまでもトリビアなお話になってしまうのがナンですが、オードリーだってどんな映画になるかくらいはわかっていて撮ったのです。彼女の最後のわがままでした▼ヘプバーンがピアニストを演じます。彼女は元男爵夫人、自分で車を運転したこともなければ買い物したこともない、夫の莫大な遺産を相続し、自らはピアニストとして各国の演奏会に出演する。お、カッコだけかもしれんが自分で弾いているぞ。このときは黒いドレス。つぎのシーンではざっくりした白い太編みのセーターがじつによく似合う。白いパンツのポケットに両手をつっこむポーズ。これが決まっていたのはヘプバーンと「暗殺の森」のドミニク・サンダだったわ。元男爵夫人は、夫に死別して1年、現在恋人である婚約者が誘拐され、身代金としてロシア皇室の秘宝「ロマノフのたまご」を盗めと指示される。誘拐されるようなドジな婚約者なのに、でも助けようと、ヘプバーンが厳重な警備をものともせず、博物館からエッグを盗み出すのだ、それも3つも。このあたりは本家「おしゃれ泥棒」か。エッグを持ってヘプバーンはレデラに飛ぶ。航空券のカウンターで当然のように「ファーストクラス」「は?」それもそのはず、プロペラ機しか行かない土地だ。同乗してきた、正体不明のヒゲのサングラス男にロバート・ワグナー、死んだ夫の妹にサマンサ・エッガー。ご記憶かしら。デヴィッド・クローネンバーグの「ザ・ブルード/怒りのメタファー」で、「魅せられて」のポーズをやった人ね。山賊に出会ったヘプバーンは花嫁にさせられたり、追跡する男の車を爆破したり、柔剛とりまぜたコミカルなシーンをつないでいきます。疑わしい男の正体がやっとわかるオチは、もちろん「シャレード」▼ロジャー・ヤング監督はテレビで多くの作品を撮っています。覚えているものでは、ピーター・オトゥールの「ローマン・エンパイア」やジャン・カルロ・ジャンニーニ(「流されて」)の「キング・オブ・ザ・ヴァンパイア」などがあります。

 

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