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シネマ365日

2016年10月25日

特集「腐女子が萌える」⑧
処刑人(2001年 アクション映画)

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監督 トロイ・ダフィー

出演 ウィレム・デフォー/ショーン・パトリック・フラナリー/ノーマン・リーダス

 

シネマ365日 No.1915

もうそのへんで… 

特集「腐女子が萌える映画」

どこが「腐女子が萌える」男たちなのか。よくできた予告編があるから、そのまま引用しますね。「腐ったハリウッドに牙を剥く、サウス・ボストンの狂犬、天才トロイ・ダフィー第一回監督作品」「弾けたハリウッド最狂の演技派ウィレム・デフォー」「ハリソン・フォードの跡目を継ぐ、ハリウッドのサラブレッド、ショーン・パトリック・フラナリー」「プラダ、ダーバンが選んだ男、ノーマン・リーダス」。すごいでしょ(笑)。ハリソン・フォードの跡目とあるのは、フラナリーが「インディ・ジョーンズ若き日の大冒険」でインディを演じたからよ。なかなか端正な美青年の29歳でした。本作の双子の兄弟、コナー・マクマナスは34歳。まだまだイケメンです。同じく彼と双子のマーフィー・マクマナスになるのがノーマン・リーダス。モデルをやり、画家もやるという多彩な人で、本作のとき30歳。どっちもそりゃ、絵になる男たちでした▼トロイ監督は冒頭でこの映画のテーマを要約しています。彼らはボストンの路地裏に住むアイルランド系の兄弟。敬虔なカトリック教徒です。聖パトリックの祭日、二人は教会に行き神父の言葉を聞く。「わたしたちはみな、悪い行いをする者を恐れるが、真に恐れるべきは善良な者たちの無関心です」。教会を出た兄弟はつぶやく。「神父もやっと気がついたぜ」。彼らは精肉店で働く仲のいい兄弟で、夜は馴染みのバーに来る。その店にロシアン・マフィアが、早く立ち退けと追い立てに来る。大喧嘩となり、翌日兄弟の住まいに乗り込んできたマフィアたちを返り討ちにして殺害、正当防衛が認められ、釈放された。彼らは拘置所の中で「悪人を殺しても構わない」という神の啓示を受けていた。ロシアン・マフィアを殺したふたりをマスコミはヒーロー扱い、FBI捜査官、スメッカー(ウィレム・デフォー)は、苦虫を噛み潰す▼ウィレム・デフォーがゲイの捜査官になります。天才的なプロファイル能力で現場に一歩入るや、たちどころに犯人像を組み立てる。オペラに合わせ舞うように壁や路地裏を覗き「薬莢が二つ落ちていないか」「一つありました」「死体の下を調べろ」「ありました」という具合に、ポイントを挙げる。兄弟は何しろ「悪なる者を滅ぼし、善なる者を栄えさせよ」という啓示を聞いたのである。神という力強い味方を得て、彼らの犯行は、「サウス・ボストンの聖者」と讃えられるようになる。この映画けっこう長尺でしてね、ストーリーが殺人、マフィア、殺人の連続なのに143分もあるのです。ホテルで9人のマフィアが皆殺しにされたとか、ロシアン・マフィアとイタリアン・マフィアの抗争だとか、市民の恐怖と怒りは極限に達し、当然、警察に対するは風当たりがキツイ。そこへ有無をいわさず裁きを下す兄弟が、チャールズ・ブロンソンのポール・カージーみたいな支持を得るわけね。でもいくら神の赦しがあったとしても殺し過ぎる展開に辟易してくる。そのタルミを救うのが誰あろう、ウィレム・デフォーでした。彼は悪に対して容赦なく裁きを下す兄弟に、共鳴し、女装してマフィアの本拠に乗り込むという離れ業を披露する。ウィレム・デフォーが金髪の美女に扮し、マフィアの手下とブチュッ、濃厚なキスを交わし、屋敷に潜入するや、ガンガン銃をぶっ放します▼クライマックスはマフィアのボスの公判。ボスは17人の殺害の容疑者であるが、状況証拠によるところが多く、大方の見方は無罪がほぼ確実。悪は裁かれないのだ…そこへ、ですね、マクマナス兄弟と彼に味方する殺し屋が乗り込んでくる、「貧乏も飢えも許す、だが悪事を働く者を俺たちは許さない、悪も度を越せば俺たちの出番だ」。そして祈りを捧げ、ボスの後頭部に銃口をピタリ、ズドン。マスコミは彼らを持ち上げ、街に出て市民の声を集めた。当然ながら賛否両論だ「人を殺して何様のつもり?」「最高さ、彼らは正しい、誰もできないことをやったのだ」「ノーコメント」「興味ないね」などというコメントが出る中、映画はエンドだ。この映画の「歪み」に知らぬ顔をして、主人公がキュートだ、イケメンだとほめそやすテキトーな感覚こそ問題提議だと思うわ。

 

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