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シネマ365日

2016年11月19日

特集「アクション愛」③
ミッション:インポッシブル3(2006年 アクション映画)

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監督 J.J.エイブラムス

出演 トム・クルーズ/フィリップ・シーモア・ホフマン/ ミシェル・モナハン

 

シネマ365日 No.1940

「白い橋」と「振り子」 

actionLove

本作のアクションの見どころとしてふたつ、あげたいです。一つは橋の上。この橋というのが「フロリダの白鳥」(注意=わたしが勝手にそう呼んでいます)「セブンマイルズ・ブリッジ」なのだ。フロリダ半島にある42の橋の中で最も長く、美しい白い橋。全長10.887キロ、幅11.58メートル。「トゥルー・ライズ」のクライマックスもここで撮られています。ジェイミー・リー・カーティスが宙吊りになり、シュワちゃんが救出する、それを監督ジェームズ・キャメロンがヘリから身を乗り出して自分でカメラを回したという、命知らずのエピソードが、必ずといっていいほど、アクション映画について回りますが、本作も負けていません。セブンマイルズで、イーサン・ハント(トム・クルーズ)は、武器商人デイヴィアン(フィリップ・シーモア・ホフマン)を移送中。バチカンに潜入し、捕まえた悪漢だ。シーモアがこれ以上憎らしいやつはいない、という毒々しさを放って秀抜です▼イーサンは現役を退き、教官として部下を指導している。彼が最優秀と折り紙をつけたリンジーが捉えられ、イーサンが救出に向かい、成功はしたが、頭に仕掛けられた時限爆弾が発動し死ぬ。イーサンの捕虜となったデイヴィアンは「あんなのお遊びさ、余興だよ」といったものだからイーサンはブチ切れ、飛行機から逆さ吊りにする。デイヴィアンはこの時の恨みを絶対に忘れず、きっちり仕返しをする陰湿な男。橋の上の襲撃の派手さときたら、軍隊の出動もこれまで。ミサイルがガンガン打ち込まれ、橋はひしゃげ、デイヴィアンは「あばよ」。彼はイーサンにこううそぶいていた「俺が何を売るか、誰に売るかより、別のことを心配したほうがいい」その意味がわかったイーサンは妻の勤める病院に走るが、間に合わず妻は誘拐、デイヴィアンの手に落ちた▼さてふたつ目のアクション。妻救出と謎の代物「ラビット・フット」(単に重要なもの、という設定です。正体は明らかにされない、典型的なマクガフィンの手法です。各国に潜入したCIAエージェントのリスト、ミサイル発射コード、バイオ兵器などが考えられる)を取り返すため、イーサン・チームは香港に来た。潜入するビルはCIAより厳重な警備だ。どうやって忍び込む。忍び込むビルの高さは126メートル。その左隣りのビルは226メートル。ビルとビルの間は47.226メートル。「高さは充分だ」とイーサン。相棒でありハッカーの名手、ルーサーがいう「大胆も度が過ぎればアホと同じだぞ」。イーサンは「振り子手法」で目的のビルに飛び移ろうというのです。「帰りは? 上海のド真ん中よ」「パラシュートを使う」「それには高さが足りない」でもイーサンはきっぱり。「2時間後に妻の頭に埋め込まれた時限爆弾が作動する。妻が死んだら僕も死ぬ」トム、し・び・れ・る〜▼イーサンの七変化もあります。バチカンに潜入するためまず宅配の配達員に。地下のカタコンベに到達する時は、宙吊りー落下—床追突寸前のストップ。神父に早変わり、次は警備員。デイヴィアンが主催するパーティーに乗り込むときは、目も覚める金色のランボルギーニで横付け。これがスパイ映画だとは信じられない、目を剥くシーンが続出しますが、こうなったらもう細かいことは気にしない。ローレンス・フィッシュバーンがCIAの局長となり、情報漏れさせる内部の裏切り者…であるはずが、最後に正体を現したのは、イーサン直属の上司だった、というオチがあります。フィッシュバーンがあの通りの悪人ヅラで「俺は、国益を損ねるやつを絶対に許さない」とすごむ、コワモテのリーダーに似合っていました▼妻ジュリアは、夫はただの事務職ではないらしいと見当がつくのだけど、本当のことをいってといくら頼んでも、夫は「信じてくれ」一点張り。真実を知ると妻にも危険が及ぶことを恐れているのだけど、知らなくたって殺されかけたのだから、どのみち一緒じゃない。あれはトムにカッコつけさせるためだけのセリフよ。まあいいわ。とにかく迫力に後退なし。三作目から急激にトーンダウンしたアクションの名作もあったことを考えると、練度の高さと、それを維持する全員の努力と工夫と、遊び心に、心からのリスペクトを。

 

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