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シネマ365日

2016年11月21日

特集「アクション愛」⑤
ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション(2015年 アクション映画)

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監督 クリストファー・マッカリー

出演 トム・クルーズ/レベッカ・ファーガソン

 

シネマ365日 No.1942

わたしを捜せるわね

actionLove

見終わった観客が、ぞろぞろ劇場の出口に向かいながら「あの女優、だれ?」と口にしているのを小耳に挟んで、だれが考えるのも一緒だな、これはもうレベッカ・ファーガソンで決まりだな、と思いました。007では歴代ボンドガールというきらびやかなスポットライトが、相方の女優に当たってきたのですが「ミッション」ではそれほど華やかに、女優が話題になることは少なかったように思います。どこまでもトム・クルーズのワンマン・ショーだった。歴代「イーサン・ガール」って呼ぶほどの比重、与えられていましたかね。なかったですね。彼女らはヒロインというより、トムと同じエージェントで、チームを組む仲間である地味目の位置が多かった。マギー・Q(「ミッション:3」にせよ、ポーラ・パットン(同:4)にせよ。対して、レベッカ・ファーガソンはイギリス諜報部のエージェントで、トムとは同じスパイ同士です。トムの味方でもあり敵でもあるような、正体不明の女として登場します。何が「あの女優、だれ?」と言わせた要素なのか。もちろん天下のイーサンに引けを取らなかったアクション力(特に見事な足さばき)だろうけど、それだけじゃなかったと思える▼彼女を見たとき、理由はないけどサラ・ウォーターズの書いたヒロイン、リリアンを思い出したのよ。「黄昏の彼女たち」のね。簡単にいうと、リリアンは若くて健康で、女としても社会人としてもおかしなところも変わったところもない、でももう一人の主人公フランシスはこう思う。「リリアンには何か本能的な、病的な、例えば不健全な香りが、男も少年も引き寄せているんじゃないかしら。そしてわたしもそれに引き寄せられたのよ」。心身ともに健康優良児が大人になったみたいなイーサンと、完全異質の持ち味ね。だれしもの目が点になるのは、多分オペラ座の首相狙撃シーンでしょう。黄色いドレスを着たレベッカが、左ひざを立て、ライフルを構え、銃口を定める。レベッカの背中がきれいにカメラに収まり、肩甲骨がくっきり、肩から腕のスンナリした筋肉、引き締まった太腿とふくらはぎがまともに入る構図です。あれでみな、メロメロになったのでは? 少なくともトムはすっかり彼女が気に入り、ミッション「6」の出演が決定しています。トムは背の高い女が好きだから、どうなるかわかりません▼粗筋は例によって似たり寄ったりだけど、見せ方のうまさで口を封じます。謎の犯罪組織「シンジケート」の正体を探るため調査を進めていたイーサンは、指令を受けるためIMF本部を訪れるが、すでに網を張っていたシンジケートに捉えられ、拷問を受ける。拷問の場にいたシンジケートの構成員、イルザ(レベッカ・ファーガソン)が隙を見てイーサンを逃し、正体を明かさないまま、再びシンジケートに戻る。一方独立組織として認められていたIMFは、母体であるCIAに吸収される動きがあった。ともすると無鉄砲な作戦に走り、規則を無視しがちだというのがその理由。なんとなく「ミッション」シリーズの人気の秘密がわかります。会社の指示を受けながら仕事を全うする大方のサラリーマン。夫の収入をやりくりし、所帯を運営するその妻たち。勉強の目的のない大学生。就職の決まらない社会浪人。自分探しを言い訳に、まともに職業に就こうとしない無気力な男女。青春の倦怠に出口が見出せない寂しさ。そんな年齢でもないのに、生きることが楽しくも面白くもない中高年。でも「ミッション:インポッシブル」の世界はちがう▼そこには戦う目的があり、敵は悪であり、味方同士は信頼で結ばれ、命をかけて守るべきものがある。果たすべきミッションがある。それを崇高であり、生きる目的だと思う仲間がいる。こんな力強いことがあるだろうか。できうればみな、そんなやりがいのある仕事に、生きがいに心躍る世界に身を置きたい、そこでは困難は越えるべき山であり、苦悩は渡るべき海であり、生きるべき証なのだ、ミッション:インポッシブルとはそういう夢と勇気を再確認させてくれる映画なのです。不滅なのであります(笑)。そうそう、ラストの決め台詞をひとつ。仕事を果たしたイーサンとイルザがそれぞれのポジションに戻ります。行き先を告げず、車に乗ったイルザがイーサンにいう。「わたしを捜せるわね」…グダグダと、メールして、電話してとまとわりつかず、女はこういうべきだ(笑)

 

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