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シネマ365日

2016年11月22日

特集「アクション愛」⑥
パンドラム(2010年 SF映画)

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監督 クリスチャン・アルヴァート

出演 デニス・クエイド/ベン・フォスター/アンチュ・トラウェ

 

シネマ365日 No.1943

低予算で健闘

actionLove

黄金のアデーレ」のアデーレを演じたアンチュ・トラウェ28歳のときのハリウッド映画。すンごく地味な映画で、大してヒットもしなかったし、筋運びもかなりタルイところがあるのだけど、古典的アクションの手法に則った映画の雰囲気は、そう悪くないのよ。こういうところで、時々映画の不思議って感じるわ。見るからに低予算で、大作でもなく、独立系の名のある賞をとった監督かというとそうでもない。社会的な問題提議をしているふうもなく、というよりいっそ、ありきたりのSFものといったほうが早く、見ない前から筋書きは見当つくと思ってしまう映画。そのノリで見出したら、おや、わりと頑張るぞ、この映画って気がしてくる。こう言っちゃナンだけど、俳優はみな、舌を巻くような演技力があるわけでも、男前でもブ男でも、グラマラスな美女でも美貌でもない。アンチュ・トラウェにしても、名だたる超越女優かというと全然違う。ただ、とても感じのいい女優だから覚えていたのよ。ドイツ人だったのね▼要は「普通」レベルで本作は健闘したのだ。大事なことだと思うけど、大作レベルでしょうもない映画より、ずっといい映画にちがいない。期待されなかったどころか、予想としては最下位チームが、ギリギリのところでAクラスにかじりついているようなものね。少なくとも観客は失望しない。それじゃなんでヒットしなかったのかとなるけど、映画会社だって日程消化みたいな押し込みで作る映画、いくらでもあるじゃない。広告に特にお金かけるわけでもないやつ。なんでもそうだけど、最後の決め手はやっぱり内容よ。この映画はコンセプトがとても真面目なの。最初のシーンはドキュメンタリータッチです。「1969年、人類最初の月面着陸、人口36億人。2009年地球型の惑星探知機ケプラー打ち上げ。2153年、タニスに探査機着陸、人口243億人、水と食糧不足、世界的に慢性化。2174年、限られた資源の争奪戦が頂点に。宇宙船エリジウムが打ち上げられた」▼「エリジウム」とは滅亡に瀕した地球から、人類が住める惑星「タニス」に行く移民船なのよ。6万人が乗船した。でも当時はワープなどの超光速推進システムは搭載していないから、原子炉を動力源とし「タニス」に到着するまで地球から123年かかる。全員が睡眠カプセルに入り、当直3人が2年おきにカプセルから出て、船を管理する体制をとった。2名の乗組員が睡眠から覚めた。船内には誰もおらず、ふたりとも記憶を失っていた。先に覚醒したのがバウアー伍長(ベン・フォスター)、後がペイトン中尉(デニス・クエイド)だ。エリジウムの船内には他にも乗員が隠れていた。生物学者のナディア(アンチュ・トラウェ)とマン(カン・リー)、自称コックのリーランドだ。原子炉を再起動させるため、通気ダウトを伝って船内を移動する伍長は、ナディアやマンとともに「ハンター」に狙われる。船内のいたるところに人間の死骸が堆積し、睡眠カプセルの残骸が散らばっていた。「ハンター」とはエリジウムの船内で繁殖し、乗員を殺して食用にしているヒューマノイドだった。体毛はなく、青白い皮膚に長い牙、人類をしのぐ生命力と肉体を持つ。ナディアや伍長は「ハンター」とは、長期間睡眠中に摂取した薬品の副作用で、突然変異した乗員ではないかと推測した▼ハンターが跳梁跋扈し、いつ食われるかしれないので、エリジウムに生き残った乗員は、身を潜めて隠れているのだ。もうひとつの問題は「パンドラム」だった。軌道機能障害で、宇宙船の乗員が不安やストレスやショックなどで、発症する精神疾患。手の震えに始まり、最終的には妄想に取り付かれ狂人と化す。長距離宇宙船「エデン」では、かつてパンドラムの発症により、乗船していた5000人が全滅した事件があった。原子炉は再稼働し、脱出までのカウントダウンが始まる。ここ「エイリアン」の古典的手法ね。同時にハンターが、彼らも生き残りたいから「エリジウム」脱出のため群れをなして襲ってくる。マンもやられ、リーランドはペイトン中尉に殺害される。中尉はパンドラムが発症し、自分が中尉だという妄想に取り付かれた伍長だった。バウアーとナディアは緊急脱出用のカプセルで脱出、海上に浮上した。そこは地球と変わらない青い水と空のある惑星「タニス」だった。低予算で健闘した映画です。

 

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