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シネマ365日

2016年11月25日

特集「アクション愛」⑨
ボーン・レガシー(2012年 アクション映画)

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監督 トニー・ギルロイ

出演 ジェレミー・レナー/エドワード・ノートン/レイチェル・ワイズ

 

シネマ365日 No.1946

残らず消してしまえ 

actionLove

主人公は暗殺者養成プログラムによってつくられた最強兵器、まではわかるのですけど。「ボーン・アイデンティティ」「ボーン・スプレマシー」「ボーン・アルティメイテム」…ボーン・シリーズは第一作から見ているけど、次々出てくるCIAの、ややこしいプログラムの名前、なんとかならないの。①「トレッドストーン計画」②「ブラックライアー計画」③「アウトカム計画」④「ラークス計画」。ジェイソン・ボーンが極秘のうちに改造されたのが①。①のバージョンアップが②。そして本作では③と④が登場します。「レガシー」(出来事が残したもの)というタイトルでもわかるように、本作はスピン・オフです。主人公はジェーゾン・ボーンじゃなく、「アウトカム計画」の最高傑作、アーロン・クロス(ジェレミー・レナー)です▼どんな暗殺者に育成されるかというと、特殊な薬物の投与により、人格と肉体を改造し思考能力を高め、神経の再生・弾力性を強化する、つまり強靭な肉体と精神力を備えた人間兵器となるが、目下のところ定期的な薬の摂取が必要である。④は、アーロンと生化学者マルタ(レイチェル・ワイズ)抹殺のため、送り込まれた暗殺者。まさに史上最強…のはずなのだけど、アーロンと華々しいアクションを見せるのかと思ったら、バイク・アクションだけで、なんと、箸より重い物を持ったこともなさそうな、マルタの蹴りにやられちゃうのよ。おかしいわ、この映画、という不安感は、実はオープニングそうそうからあったのよ。アーロンがアラスカの氷の下を泳いで、身体中から湯気を立てながら訓練している。彼はナップサックを背負い、氷の尾根を歩いてCIAの管理事務所みたいなところに着く。もちろん厳しい大自然の中だ。そこの担当者と仲良くなるわけでも険悪でもなく、すぐ出て行くとか、吹雪だからここにいろとか、言っているうちに無人機が飛んできて小屋を爆破する。こんなことに時間かけすぎ。おまけに140分の映画の中であんまり大事とも思えない回想が入る。アーロンの上司がリック(エドワード・ノートン)です。彼がヌメ〜と現れたら、悪役に決まっているじゃないですか。喋らすだけ時間の無駄よ▼で、もうひとつよくわからなかったのが、なんで一連の計画を反故にして、関係者全員を抹殺するのか、なのね。東京都豊洲だって、市場ひとつで二転三転しているのよ。各国のトップを殺して回る壮大(?)なプロジェクトなんか、変更もあれば中止もあるでしょうよ。少しくらいの計画の狂いに、いちいち目クジラ立てるなんて、この部署、案外暇な連中の隠居所じゃないの。じっちゃんばかりぞろぞろいて。リックの大真面目な説明によれば「我々は世界の汚れをドブ浚いする裏の役割であり、非道徳的な思考と手法によることもあるが、我々が非道徳的な部分を受け持つから、世界の道徳は守られるのだ」と演説していた。だから「計画」に関わった「参加者」を殺していいのかよ。国庫の莫大な研究費を使って人殺し人間に洗脳・改造していたなんて、バレたら全員電気椅子だから、一人残らず消してしまおう、CIAのエージェントであろうと、政府要人であろうと新聞記者であろうと。これが「ジェイソン・ボーン」一連のベーシックです。そこまで整理してやっとややこしいプログラムの概要がわかったわ▼組み立てがわかったらあとはアクションの楽しみに浸ろう。CIAの殺し屋たちが手を変え、品を変え、襲撃します。無人機による爆撃、自殺に見せかける「調査」。人格を変える薬物による銃乱射。でもな〜、残念なのは、肝心の主人公の生身のアクションが少ないのよ。バイクやカーアクションもいいけれど、本筋からいったらあくまで副次的だわ。それにサイボーグ並みの高度改造人間にしては普通のアクションだし、しかも世界最強のプログラムが蹴り一発で負けるなど、ひどい。ジェレミー・レナーはよかったと思います。でも「ボーン」の「レガシー」はこれ一作にするべきね。

 

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