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特集「B級映画に愛をこめて」

2016年11月30日

特集「B級映画に愛を込めて4」④
死霊館(2013年 事実に基づく映画)

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監督 ジェームズ・ワン

出演 ヴェラ・ファーミガ/パトリック・ウィルソン

 

シネマ365日 No.1951

ホラーの傑作 

ホラーの傑作だわ。ジェームズ・ワン監督のセンスがいいのね。本来恐怖とは「感じ方」であり、目に見えないものだという基本を外さず、音と臭いを「恐怖づくり」に上手に絡ませる。映画の臭いをどう立ちのぼらせるか、難しいと思うけど、そこはセリフの誘導と、ホラー映画の常道をきっちり撮影することで表しています、例えば暗い廊下の突き当たりの半開きのドア、カビ臭い地下室、野中の一軒家、テレビの砂嵐、古い柱時計、などの設定など、ホラーの王道にして繊細な作り方なのよ。役者の雰囲気がいいわ。主人公の心霊現象研究家の二人、エド(パトリック・ウィルソン)と、ロレイン(ヴェラ・ファーミガ)が、真面目な心霊研究家であり、神父の要望があればいつでも悪魔に憑かれて困っている人を助けに行く、そんなスピルチャルな活動家の雰囲気をよく伝える。顔を見ただけで(こいつら、インチキするはずに決まっている)というご面相の方おられるけど、そうじゃないのよね▼小道具って大事ですね。導入部の人形「アナベル」がドン引きする悪相であることも、この映画のきめ細かさよ。現実にこんな人形がいたら(祟りじゃ〜)と一目散に逃走します。大道具、小道具がきちんと出来上がっているわ。いちいち細かく映していないけど、エドが自宅に「再犯防止」と称して収納している家具屋や人形は、かつての事件の現場や家にあった悪魔が憑いた物品は、そのへんに放り出しておくと、いつ悪魔が戻るかわからないから、「再犯防止」のため、月に一度神父を呼んで除霊する。エドとロレインは招聘されあちこちで講演する。その帰り、ロジャーという中年の男性が「助けてほしい」と依頼に来た。娘5人と妻が引っ越したばかりの一軒家で様子がおかしくなっている。飼い犬は不審な死に方をした。娘たちは夜中に誰かが歩き回っているといい、妻は足に誰も触っていないのに痣を作った。末っ子は聞いたこともない男の子の名前を呼び、友だちだという。鳥がたくさん、家のガラス窓に衝突して死ぬ。娘の一人は足をつかまれてベッドから引き摺り下ろされた…▼ロレインは「行きます」とすぐ承諾する。現実には幽霊は滅多におらず、ほとんどが自然現象と勘違いだが、中には悪魔が標的にして、憑依しようとしていることもある。エドの説明によれば第一段階が「出没」。ささやきや足音で存在を知らせる。次が「攻撃」。犠牲者を定める。精神的に脆い人、プレッシャーに弱い人を衰弱させ意志を奪う。最後に「憑依」。その人の体を乗っ取り、人間社会の中で悪を広げていく。エドとロレインはロジャーの家に着くとすぐ、家に悪魔祓いが必要だという。しかしエドには懸念が一つあった。ロレインには透視能力があり悪魔の霊を感じる、あるいはその形を見ることができるが、悪霊との対決はパワーを消耗させ「妻は命を削っている」。でもロレインは夫とともに現場に赴く。ヴェラ姐さんの「静かな闘志」がかっこいい(笑)▼家に取り付き、巣食おうとしている邪悪な霊体の正体をつきとめるため、エド&ロレインは調査を始めた。もともと農家であったその家に、自殺者や事故死者が続出し、首を吊った少女、水死した少年らの霊が地下室にいることがロレインにわかる。娘たちは「お前たちを皆殺しにしてやる」というささやきや「あの女がやらせた」という謎の言葉も聞いていた。ロレインは床板が外れ、落ち込んだ地下室で、「あの女」がかつて除霊したことのある魔女であり、この家に取り付き、母親に憑依して子供たちを殺させようとしていると見抜く。魔女はすでに母親キャロラインに巣食っている。魔女は危機感を募らせ、ロレインの一人娘が水死した幻想をロレインに与えた。ロレインは「手を引け」の警告と受け止める。ロレインは透視で、キャロラインを屋敷から連れ出すと死ぬことがわかる。教会から悪魔祓いの許可をまだ得ていなかったが、待っていたらキャロラインは持たない。エドが急遽神父に代わり悪魔祓いの儀式を執行することに決め、ロレインが補助についた▼エクソシストです。悪魔はせっかく奪った体から出て行かない。エドが読み上げる祓いの言葉にのたうちまわり、キャロラインの肉体はボロボロ。椅子ごと宙に上がったかと思うと床に打ち付けられ、口から血を拭き、嘔吐を繰り返す。「正体を現せ」とエドが叫ぶ。「妻を返せ」とロジャーが叫ぶと、キャロラインが血まみれの恐ろしい形相で「女房はもういない。今度はお前が死ぬのだ」とわめく。エドがこれでもかと、祈祷の言葉を叫んだ途端、キャロラインは倒れ、エドやロレインが見守るうち穏やかな表情に変わった。悪魔退散。悪魔祓いは成功したのだ。以上、本当に最たるB級なのですけど、最初から最後までテンションが高い、質のいいホラーです。

 

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