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特集「美しい虚無-妄想映画の魅力」

2016年12月5日

特集「美しい虚無=妄想映画の魅力4」⑤
ザ・ウォード 監禁病棟(2011年 ホラー映画)

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監督 ジョン・カーペンター

出演 アンバー・ハード/メイミー・ガマー/ジャレッド・ハリス

 

シネマ365日 No.1956

帰ってきたJC 

ジョン・カーペンター(JC)監督10年ぶりのホラー映画。音楽といい、詩的な情感に満ちた導入部といい、相変わらずシャープな映像といい、懐かしい気さえします。ロケに使われたのはイースタン州立精神病院の今は使われていない一病棟。19〜20世紀初頭の建物で古色蒼然。この映画の時代が1960年代なので、よりいっそうストーリーに趣と深みを与えました。映画はノースベント精神病院の院内の情景から入ります。まるで廃墟のようです。オープンクレジットの背景には、モノクロの画面に、逆さ吊り、手術室、ロボトミー、臓器摘出など残酷なイラストや写真が映写されて緊迫感をあげ、やっとカラー画面になって時代は1966年、女性の捜索願が出た、10代で身長170センチ、情緒不安定である、というナレーションが入り、ヒロイン、クリステン(アンバー・ハード)が一軒の農家の前に立ち、不安そうに家を見上げ放火する。そしてパトカーに乗せられ、連れてこられたのがノーズベンド精神病院だった▼主治医のストリンガー医師(ジャレッド・ハリス)は、問診するがクリステンの記憶が飛んでほとんど覚えていない。放火した理由も思い出せない。医師は「家を燃やしても悪夢は消えない」と謎の言葉をつぶやく。クリステンは重症患者が隔離される監禁病棟に入れられる。まるで独房だが、日に何時間か、規則によって病室の外で過ごすことが許される。同じ病棟に入院しているのはサラ、エミリー(メイミー・ガマー)、アイリスで、クリステンを入れて5人だ。クリステンは彼女らから病院の情報を得る。タミーという娘もいたが消えた、退院はありえない、「あいつ」が逃さない、みな一様にだれかの存在を暗に示すが、それがだれかは教えない。クリステンはだれかが部屋の中や、どこかで自分を見ている気がすると、医師や看護師に訴えるが誰も本気にしない。何しろ精神病棟だから、口にすることをまともに取り合ってくれないのだ。ある日クリステンはシャワー室で襲撃された。しわくちゃの黒い手をした少女だ▼タミーの次にアイリスが行方不明になった。「ここで何が起きているの」クリステンの追及にエミリーが「アリス」の存在を教える。この病棟にいた患者だったが暴力を振るうひどい性格だった。ある日サラ、ゾーイ、エミリー、アイリスが共謀し、アリスに袋をかぶせ窒息死させてしまい、彼女は事故死と扱われた。アリスの亡霊が復讐のため一人ずつ殺しているのだ。クリステンは行方不明のままのアイリスを探し、みんなで脱出しようとする。クリステンは謀殺に加わっていない自分まで、なぜアリスは殺そうとするのかわからないが、ここにいればついでに殺されるようなものだから、とにかく脱出することにする。ところがサラが実験室で殺され、残るはエミリーとゾーイとクリステンだ。主治医は電話で誰かに訴えている。「また失敗だった。それどころかもっと悪くなっている」それを盗み聞きしたクリステンは、ここで治療と称する実験が行われていることを察した。二度、三度試みた脱出は失敗し、エミリーの前に姿を現した亡霊はエミリーの喉を掻き切った。一刻の猶予もなくクリステンはゾーイを連れて逃げようとする前に、アリスの亡霊が立ち塞がる。怪力である。何度も投げ飛ばされながら、とうとうクリステンは備え付けの斧を亡霊の胸にグサッ。後一歩で院外に、というときに取り押さえられた。意識朦朧とするクリステンに主治医が話しかけている。「クリステン、君の本名はアリス・ハドソンだ」なんと!▼彼女は1958年9月、11歳だったアリスは誘拐され、農家の地下に鎖に繋がれ暗闇に放置された。救出した時は餓死寸前だった、冒頭クリステンが放火したのはその農家である。恐怖と不安の中で少女は妄想に逃げ込んだ。その結果、心的外傷により精神が破綻、多重人格障害を引き起こし、サラ、エミリー、アイリス、ゾーイという少女たちをこしらえた。だがクリステンという新しい人格が強くなり、アリスを支配し、劇的なまでに一連の妄想を作り上げたわけね。医師も看護師も電気ショックや催眠療法を用いて、徐々に人格を分離、特定するところまでいき、最後の対決でクリステンはアリスとともに窓から飛び降り、決着をつけ、気がつけば病室で、両親と医師に見守られていた…で、アリスはクリステンの支配から完全に解放されたのか、これはもう映画を見てもらわないと(笑)。アンバー・ハードがいいですね。彼女はバイを公表しています。ガールフレンドを愛していて、隠したくないそうです。ジョニデと? 別れたって話だったけど。

 

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