女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss
  • ブックマーク

特集「ザ・クラシックス」

2016年12月15日

特集「ザ・クラシックス5」③
男と女Ⅱ(1987年 恋愛映画)

Pocket
LINEで送る

監督 クロード・ルルーシュ

出演 ジャン=ルイ・トランティニャン/アヌーク・エーメ

シネマ365日 No.1966

年はとりたくない 

Classic5

並みの映画というか、普通のメロドラマになってしまったわね。本作の所々に「男と女」の浜辺の再会が挿入されるのだけど、ザラついた画面にもかかわらず、格段にシャープだったわ。ただジャン=ルイ・トランティニャンとアヌーク・エーメが、20年の歳月にもかかわらず、第一線現役のバリバリという風格を放っていたのが救い。二人は撮影時54歳だった。20年ぶりに再会したジャン=ルイ(役名も同じ)が、アンヌ(アヌーク・エーメ)に、「豊かな髪だね」というのよ。「ヘアスタイルは変えてないのよ」とアンヌ。エーメのがっちりした顔を波打つ黒髪が囲む。ジャン=ルイは頭とヒゲに白髪が混じるものの、筋肉も身ごなしもなかなかのものだ。アンヌはプロデューサーと結婚し、夫が去った後プロデューサーに乗り出し、娘のフランソワーズも女優になって母親の映画に主演している▼アンヌが巨額を投じて製作した大作「40年後」は大コケだった。不入りの挙句、批評家からはメッタ打ちの酷評、アンヌの会社は破産に瀕している。娘がたまたまジャン=ルイに会ったという。別れたきり20年、会っていなかった。愛の記憶がよみがえり、アンヌは会いたいと連絡を取る。ラブラブだった彼らは何で別れたのか。恋とか愛とかはそういうものだ、わかるか、とでも監督は言いたいのだろうが、どことなくキツネに鼻をつままれたみたいなのよね。ジャン=ルイはレーシングカー・チームを率いる監督である。息子のアントワーヌが結婚し、新妻の妹が目下ジャン=ルイの婚約者というから、この親父は隅に置けないのである。「わたしたちの物語を映画にしたい」というアンヌの提案にジャン=ルイはあっけにとられる。女というのはどこまで図々しいのだって感じね(笑)。でもアンヌが映画界の大プロデューサーになり、巨額のビジネスを動かし、相変わらず美人だから受けたのよ▼唐突な殺人事件やら脱走犯やら、ジャン=ルイの砂漠の遭難やら…彼の若い婚約者がアンヌの存在を知り、嫉妬して砂漠で無理心中を図るのよ。どうして? なんだか「Ⅱ」は、意味のよくわからん出来事がやたら出てくるのよ。若くて綺麗な女子が、中年親父の元カノが現れたくらいでオタオタするか? いくらでも代わりは見つかるわよ。アンヌ・プロデューサーは制作途上で、自分たちの恋物語を現代に当てはめるのは無理があると感じ、急遽方向転換、5週間でミステリーにしろというのだから、彼女、業界では凄腕なのね、きっと。映画の進行につれてジャン=ルイとの愛も順調に運び出す。紆余曲折の挙句、完成した映画は大ヒット、ジャン=ルイの婚約者も新しいボーイフレンドを見つけたらしい。なによ、これ…いいけど、ルルーシュはなにを言いたかったのです? 愛は結局ミステリーに終わるってことか。年の差婚はやめておけってことか、いやあ、男の魅力に年齢は関係なし、いい女は後からいくらでもついてくるということか、それは逆で、女こそ男との出会いは年齢に関係ないってことか。砂漠で遭難したときは、女に水を渡してはいかんということか、なんでもいいけど、DVDのパッケージにこう書いてある。「クロード・ルルーシュが自らの名作にオマージュを捧げた、名作20年目の復活」。苦笑しなかった人がいたら聞いてみたい。これ、クロード・ルルーシュが読んで怒らないと思う? 自らの名作にオマージュを捧げるような、おめでたい監督がいたら顔が見たい。ケチのつけついでにいうと、フランシス・レイの音楽も彼独特の流麗さが感じられなかった。ああ、年はとりたくない。

 

Pocket
LINEで送る