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特集「銀幕のアーティスト」

2016年12月22日

特集「銀幕のアーティスト6」④
スウィングガールズ(2004年 青春映画)

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監督 矢口史靖

出演 上野樹里/貴地谷しほり/本仮屋ユイカ/平岡祐太/豊島由佳梨/関根香菜/水田芙美子/竹中直人/谷啓

シネマ365日 No.1973

感動あるのみ。脱帽!

特集「銀幕のアーティスト6」

気持ちよく心から笑いました。笑い納めにいい一本。山河高校の落ちこぼれ女子高生がビッグバンドを組んで音楽祭に優勝するまでの成長物語。夏休みの補習をずるける、窮余の策として、食中毒で入院した吹奏楽部のピンチヒッターに応募した友子(上野樹里)ら13人は、吹奏楽部員・拓雄(平岡祐太)の指導で練習を始める。しかし楽器を触るなど、まして演奏などもってのほか、肺活量が足りなくて、トランペットもサックスも、プーともピーとも鳴らない。拓雄の自転車の後をヨレヨレになってついていくジョギングと筋トレの日々。いちばん華奢に見えたトロンボーンの関口(本仮屋ユイカ)の肺活量がすごい。ギターとベースを持った入部希望者が現れ、吹奏楽部だから、と断ったものの、そうだ。ビッグバンドという手があるぞ▼食中毒から回復して退院した部員が演奏に復帰、お払い箱となった友子らは、演奏の楽しさが忘れられず、バンドを組む。妹のゲーム機を売り飛ばしたり、スーパーでバイトしたり、優等生の関口が松茸ドロを提案し、イノシシに襲われ、ドラムの田中(豊島由佳梨)の必殺背骨折り(木からイノシシの背中に墜落しただけ)でイノシシを退治し、謝礼金でやっと楽器を揃えることができた。ところが中古の楽器は故障ばかり。ギターの渡辺が「修繕できるかも」と連れて行った工場には渡辺の元カレがベソをかいて「好きなんだってば」「もう泣いてら。それだからヤンだっての」。最初はあまりの下手さに追い立てを食ったスーパー入り口前のデモンストレーションも、上達に連れ友子の母も妹も婆ちゃんも聞きにきて拍手喝采に鼻高々。「ン?」関口が知らないおじさんと喋っている。「おじさんが言うの(もちろん山形弁で)。楽譜で吹くより気持ちを合わせろって」ガツ〜ンとやられたみんな、逃げるおじさんを追いかけ、自宅まで行くと、そこにいたのはなんと数学教師の小澤(竹中直人)。彼はジャズで身を立てようと決心したものの挫折、一愛好家となっていたが友子たちは神様に出会ったように、ジャズを教えてくれと頼む。弱り切った小澤は町のカルチャー教室でトロンボーンを教える森下(谷啓)に頼み込み、それらしき格好をつける▼友子らはぐんぐん腕を上げ、東北音楽祭にエントリーすることに。デモビデオを撮って発送するだけだったのを、友子が忘れてしまい、先着順のエントリーは失格。みんなカンカン。いい加減にしろ、何のために頑張ってきたんだよ! このバカ。そこへ一台のバスが友子たちを追いかけてきた。乗っていたのは音楽の伊丹先生だ。ある高校が雪で会場に到着できず、友子らは繰り上げ出場が決まったと、知らせに駆けつけてくれたのだ。勇気百倍、ここからがこの映画のサイコーの場面です▼鼻の頭を真っ赤にした友子たちが雪にまみれ、雪だるまみたいになって会場に転がり込んだ、さあ、演奏開始…でもドラムの田中が空気の乱れにためらう。冷静な関口が音叉でトロンボーンのチューイングを確認する。全員、我に返りそれぞれの楽器を調整。頃は「よし」とみた田中の「ワン・ツー」で演奏は始まった。高校生には珍しいビッグバンドというだけではない、力一杯、気持ちを合わせたダイナミックかつ軽快な演奏が嵐のように場内を巻き込む。家族はもちろん、スーパーの上司も応援に駆けつけ、ギターの元カレは「好きだ! 好きだ! 好きだ!」と墨書した横断幕を張り、ミキシング室に駆け込んでドラムソロをセッションした。トロンボーンの関口、トランペットの斎藤、テナーサックスの友子、ギター、ベース、それぞれソロのシーンが与えられるが、ドラムの田中のそれは天下一品である。ラストの演目「Love」では場内総立ち、まさに青春のクライマックスを全員で謳いあげました…ああ、ベタもここまで徹すると感動あるのみ。脱帽。

 

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