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シネマ365日

2017年1月7日

特集「どっぷり楽しいお正月の映画」⑦
ラザロ・エフェクト(2016年 ホラー映画)

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監督 デイヴィッド・ゲルプ

出演 オリビア・ワイルド/マーク・デュプラス

シネマ365日 No.1988

安らかに眠れかし 

特集「どっぷり楽しいお正月の映画」

死者を蘇らせ、蘇った死者がモンスターになるという、基本フランケンシュタインものです。ラザロとは埋葬されて4日後に、キリストが生き返らせたキリストの友人で、復活もののアイコンの一つ。最先端の医療研究所でラザロ血清の開発に心血をそそぐチーム。リーダーはフランク(マーク・デュプラス)だ。ゾーイ(オリビア・ワイルド)はその婚約者。ラザロ血清とは、再生医療の極致「死者の再生」を目標にしている。果たして神に許される研究なのか。研究グループのメンバーはみな専門家として一流の研究者だ。ある日開発した血清を死んだ犬に投与して生き返らせることに成功した。蘇った犬は様子がおかしかったが、ショックのせいだろうと誰も気にとめなかった。ゾーイは子供の頃の火事がトラウマになり、悪夢にうなされている。その夜も呻いているゾーイのベッドに、生き返った犬が上がり、まるで人間が見るように、苦しそうなゾーイを眺めるのだ▼ゾーイによれば「一般に魂とか意識とか呼ばれるものは、神経インパルス、つまりエネルギーであり想像も破壊も不可能だが転移だけは可能である。人は死ぬとDMTが魂の転移を助ける。理由は謎だが、人間は死んだ瞬間脳内で大量のDMTが生産される。DMTとは地上で最も強力な幻覚剤なの。トンネルの奥の光や、とにかくすごい幻覚を作り出すの」。このゾーイが事故により感電死する。フランクは嘆き、ゾーイを生き返らせるため、ラザロ血清を投与する。ゾーイは生き返ったが、以前とは明らかに様子が変だ。デスクの上のペンシルを勝手に動かせることができる。人の脳内が読める。何を考えているかわかる。つまりエスパー(超能力)を帯びたわけ。じっと鏡を見つめると、強力な念力によって鏡は粉微塵。ゾーイは「死んだとき、どこかに行ったの。同じ光景で、何年もそこにいたわ。あれは地獄よ。人生最悪の瞬間がくり返される。無限ループで決して目覚めない」▼フランクはそれが、ゾーイが小さいときアパートが火事になり、隣人が閉じ込められたショックの後遺症だと説明した。しかしゾーイの脳は一瞬で何万年もの進化を遂げ、人間離れした能力を備えつつあった。ゾーイは過去のトラウマを百も承知だが「過ちを償うため、人生を費やしてきた。努力してきたのに地獄から抜けられない」ことが憤怒となって彼女の感情を占める。おまけに仲間たちはこんなことを囁いている。「ゾーイはモンスターになった」「実験室から出さないでくれ」「あれはゾーイじゃない。安楽死させよう」…本音が聞こえるのだ。ゾーイは次々彼らを惨殺する。武器などいらない。ロッカーに隠れたらロッカーが収縮して圧死させるし、腕力で向かってきたら首の骨をへし折るのだ。ラザロ血清は死者の強力なパワーを与えた。人間の脳は一度に働かせる時、実際に稼働するのは10%程度だが、血清によって未使用だった脳が活性化し、驚くべき能力を与えた。ここは「ルーシー」へのオマージュでしょうか▼メンバーの一員であるエヴァは、ゾーイの意識の世界に入り込み、幼女の姿をしたゾーイに巡り合った。あたりは火の海。閉ざされたドアの隙間から、助けを呼び声と差しのばす指が見える。少女が握っている手をエヴァが開くと、小さなマッチがあった。ゾーイが放火したのだ。「あなたが悪いのじゃない、もう自分を責めなくていい」エヴァは少女の手を引き、助けを呼ぶドアを開けた。白い閃光が閃き、ゾーイは正気に返り悪夢は終わった。レスキュー隊が到着し、エヴァとゾーイは救出されるかに見えたが、ゾーイの意識の中の「悪」の部分は死んでおらず、エヴァとレスキュー隊を全員血祭りにあげ、ラザロ血清をフランクの死体に投与して蘇らせようとするのだった。つまり、ラザロ血清によって凶悪なゾンビが生まれるわけですね。粗筋としては新しくはないですが、映像が綺麗なのと、雰囲気の冷たさ、ゾーイになったオリビア・ワイルドの好演でけっこう見応えがあります。死んだゾーイを嘆き、蘇生させようと必死で取り組むのですが、生き返らせたらトンデモない怪物だった、手がつけられん、ええい、もう一度殺しちゃおう、なんてゾーイでなくても怒るわよ(笑)。死んだ人間は安らかに眠ってもらうのがいちばんいいってこと。

 

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