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特集「B級映画に愛をこめて」

2017年2月27日

特集「B級映画に愛を込めて5」⑤ 
ポゼッション(2012)(2012年 ホラー映画)

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監督 オーレ・ボールネダル

出演 ジェフリー・ディーン・モーガン/キーラ・セジウィック/ナターシャ・カリス

シネマ365日 No.2039

テンポよく見せる 

23-28_B級映画

1981年にイザベル・アジャーニの「ポゼッション」がありました。タイトルは同じですが、別にリメイクではないです。とはいうものの悪魔に憑依された人間を救おうとするお話は同じ。そう、源流は名作「エクソシスト」です。早く言えば悪魔祓いによって人間の体から追い出された悪魔が箱に閉じ込められた。とある家族の手に渡った箱は、少女が明けてしまい、悪魔がその少女に憑依した。少女から悪魔を取り除き、再び箱に閉じ込めるのがこの映画です。この映画を見る気になったのは、レベッカ・ファーガソンが出ていると知ったものだから。レベッカ21歳の映画デビュー作で駆け出しもいいところでした。で、いつ出てくるのだろうと待機していたら、それが2秒くらい(笑)▼話せば長いストーリーをかいつまんで言うと、とある住宅街で、喪服の女性が古い頑丈そうな箱を開けようとしている。中からごそごそ音がするし、何か話しかけているようにも聞こえる。金槌でガーンと一撃したら、まるで箱は怒ったように女性を跳ね飛ばし、体と頭を壁に打ち付け、血だらけにして、帰宅した息子は救急車を呼んだ。後日この家の近くに引っ越してきたクライドは週末だけ一緒に過ごす娘たちとガレージセールに行った。そ子が何者かに襲われた女性の家だ。次女のエミリー(ナターシャ・カリス)が箱を欲しがり、買って帰った。すると家の中で奇妙な現象が起こり、娘の顔まで恐ろしくなる。喉から指が見え、右目が白目になるとか、片時も箱を離さないエミリーをからかった男子生徒に、エミリーが信じられないような腕力を振るうとか、行動が過激に、暴力的になります。セラピストは両親の離婚によって、感じやすい子供たちの反応が過剰になっているといいますが、パパは信じられない。おや、行きすぎた。で、救急車で運び込まれた女性は自宅に帰っており、付き添いの看護師がレベッカなのです。女性はエミリーが箱を持っているのを見て、大変だ、離しなさいと大声をあげる。容態が急変して看護師が駆けつける、窓からレベッカの横外が3秒ほど、それでおしまい。いけませんなあ、こういう幼稚な映画の選び方をしてしまっては(笑)。それにしても本作から8年「跪く女」で準主役、それから3年でトム・クルーズの相手役に抜擢、レベッカの精進の後が伺えます(話をそらすなって? はい)▼再び横道に逸れますが、西洋の人たちの気色悪い物体の代表的なものは「蛸」なのでしょうか。日本人は刺身にして食べますが、彼らにしたら考えられない感性なのではと思えます。なんでか。「エイリアン」を嚆矢として、悪役怪物ものの形象は、ほとんど蛸的である。つるつるの巨大な頭、ぞろぞろ生えた足、ぬらぬらした体幹部、口から液を吹き出し、脚で巻き上げしめ殺す。本作では珍しいことに悪魔の姿形が具体的に映像になっています。それがモロ「蛸」なのです。箱から出た途端ツルツルの小さな体で床を走り、頭が大きく、体は小さく、短い手足で飛ぶように這う。あっという間に跳躍し人間に飛びつく。不細工な姿形だから人前に出られず、人間の肉体に乗り移ろうと必死で、パワーの弱い者を探しているのね。子供の心はまだ汚れておらず、純粋だから憑依しやすいのよ。かわいそうに。パパは悪魔の仕業だと信じ、悪魔払いを頼みに行くが誰も応じてくれない。かろうじてユダヤ人の青年ザデック(マティスヤフ)が引き受けてくれた。これがいい青年でしてね、命をかけて少女を救おうとする。マティスヤフはレゲエのミュージシャンです。ユダヤ系アメリカ人で菜食主義。高い鼻、長身でほっそりした体躯に僧服が似合い、大きなくっきりした瞳は、ものといたげな物語性を宿す。「僕にピッタリな役だよ」と言っていました▼全体に難しいストーリーはなく、映像も適切で、テンポよくシーン転換しますから、結果がわかりきっていても退屈しませんでした。司祭の悪魔払いによって姿を現した悪魔は神の力に耐えられず元の箱に逆戻り。しかるべき場所に置いてもらいます、と司祭が車に乗せて発車させた途端、トラックが突っ込んできて車は撃破。箱は車外に転がり出、道端に捨て置かれ、ガタガタと小刻みに揺れて、誰か運の悪い人が拾い上げるのを待っている…子供だましとはいえ、ま、消化不良のワケわからん映画よりマシでした。

 

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