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シネマ365日

2017年3月10日

特集「タイムレスな女優」⑩ 
ショコラ(2001年 ヒューマン映画)

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監督 ラッセ・ハルストレム

出演 ジュリエット・ビノシュ/ジュディ・デンチ/レナ・オリン/ジョニー・デップ

シネマ365日 No.2050

北風とともにきた女 

タイムレスな女優

どんな秘訣があるのか知らないけど、ジュリエット・ビノシュという人、あまり変わらないですね。現在(2017)の顔からすれば、本作ではやや頬がふっくらしてあどけなさが残っています。最近の「アクトレス〜女たちの舞台〜」や「おやすみなさいを言うまえに」のときでも(ちょっと痩せたかな)くらいにしか思わなかった。ジョニー・デップの変わり方なんかと比べると、世間には時間がその人の上を避けて通るような人がいるのだわ。監督がラッセ・ハルストレムです。ハート・ウォーミングの作品では定評があります。よく見ると本作はハルストレム・チームのような配役です。ジュディ・デンチは「シッピング・ニュース」で、レナ・オリンは奥さん、ジョニー・デップは「ギルバート・グレイプ」で、それぞれ一緒に仕事しました▼ジュリエット・ビノシュの登場がとてもファンタジーです。1959年、フランスの小さな村ランスケの北風が吹く寒い日。トランクを提げ、フードのついた赤いマントを、しっかり体に巻き付けた親娘が村にたどり着いた。母親がシングル・マザーのヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)。娘は小学生くらいのアヌーク。村は封建的で伝統を重んじ、カトリックの厳格な教えを守り余所者を受け入れませんでした。特に村長のレノ伯爵はヴィアンヌに冷たく、私生児を産んだ女が村にいては風紀が乱れると排斥します。ヴィアンヌは頑固で偏屈な村の老女アルマンド(ジョディ・デンチ)から借りた家でチョコレートの店「マヤ」をオープンします。アルマンドはたった一人の孫リュックに会えなくて寂しがっている。身体も弱り、足も不自由だ。娘カロリーヌが会わしてくれない。アルマンドが乱暴な言葉を使い下品な本を読むというのが理由だ。ヴィアンヌは絵の好きなリュックに肖像画を描いてくれと頼み、自分の店でアルマンドに会わせる。ヴィアンヌの作ったチョコレートを食べると、美味しくて心まで溶けそうだった▼ストーリーとしては定法というか、娘は学校でいじめられる、ヴィアンヌはのけ者にされる。でもショーウィンドウから見える、色とりどりに並ぶチョコレートは美味しそうでたまらない。アルマンドは早くも常連になり、暖かくて美味しいチョコレートを飲まないと一日が始まらない。そこへジョゼフィーヌ(レナ・オリン)が来た。夫の暴力に悩み、いつもおどおどしている彼女は盗癖があると噂されていた。ヴィアンヌはやさしくチョコレートを持って帰らせる。ある夜更け、ジョゼフィーヌはボロカバンひとつでヴィアンヌの店に家出してきた。彼女はいうのだ。「妻たるものの最高の幸せは夫に三度の食事を作ること、子供を産むこと。掃除をすること。それ以上望むのは気がヘンなの」。ヴィアンヌはジョゼフィーヌと一緒に店をやることにする。ジョゼフィーヌをかくまっているだろうと乗り込んできた村長に、ヴィアンヌはジョゼフィーヌの額の傷を見せ、どっちが許せない行為かと訊いた▼ジプシーのルー(ジョニー・デップ)が現れます。流れ者だとつまはじきされる彼らと、ヴィアンヌ母娘は分け隔てなく接する。村長はルーたちの舟を焼き払い、彼らは村を去り、アルマンドは病気が悪化して誕生日のパーティの後、息をひきとった。ある日北風が吹き、ヴィアンヌは旅に出る潮時だと思う。彼女の父と母はマヤ時代からのレシピを使ったチョコレートの伝導者。ヴィアンヌもまた各地を巡り歩き、薬にもなれば媚薬にもなり、体にも心にも役立つチョコレートと、チョコレートを使った料理を伝えてきたのです。朗らかなヴィアンヌの周りには人が引きも切らず集まった。ヴィアンヌが村を去ろうと荷物をまとめたとき、何やらキッチンが騒がしくなった。ジョゼフィーヌがリュックやその母、村人たちが集まり、習い覚えたレシピでチョコレートを作っていたのだ。ヴィアンヌは村にとどまることを決める。娘のためにも定住が必要だった。ジョゼフィーヌは村を追い出された亭主に代わり、カフェ「アルマンド」を開店した。ルーも戻ってきた。ここからの話はまた後日…▼見ているうちにうまいチョコレートが食べたくなります。カカオの匂いがスクリーンから立ちのぼってきそう。本作はアカデミー作品賞・脚色賞・音楽賞・主演・助演女優賞5部門にノミネート。ビノシュもいいですが、ジュディ・デンチのアルマンドには泣けます。叩いても死なない役者たちは、見ているだけで愉しくなります。

 

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