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シネマ365日

2017年3月16日

特集「偏愛力1」⑥ 
バッド・ローン 借りすぎた女たち(2014年ホラー映画)

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監督 ドミニク・ブラント

出演 ヴィクトリア・スマーフィット/ジョアンナ・ミッチェル

シネマ365日 No.2056

新種のゾンビ

偏愛力

ゾンビ映画で快走するのはイギリス映画の伝統なのでしょうか。ドミニク・ブラント監督は「ゾンビ・オリンピック」という、イギリス・カナダ・日本・オランダ4カ国のゾンビを集めた映画に、イギリス代表として参加しています。本作も一種のゾンビ映画だといって差し支えない。とにかくものすごい(笑)。ヒロインのジョアンナ・ミッチェルはブラント監督の「ビフォア・ドーン」でもお馴染み。彼女とヴィクトリア・スマーフィットのふたり組が、悪夢の取り立て屋に対抗します。おバカ映画かもしれないけど、切れ味のよさはなかなかのもので、わずか80数分の尺が充実していました。こんな映画大好きよ。特にヴィクトリア・スマーフィットがいいわ。テレビの「ワンス・アポン・ア・タイム」のクルエラです▼市場の中の食料品店で働くベックス(ヴィクトリア・スマーフィット)とドーン(ジョアンナ・ミッチェル)。ふたりでカフェを開くのが夢だ。コツコツ貯金し、あと1万ドルで店が持てる。銀行を訪ね廻ったがみな断られる。ドーンには18歳になる自閉症の息子がいる。ベックスはしばらく町を離れていたが、帰ってきて昔馴染みのドーンと力を合わせて働いている。どちらも男では失敗ばかり。ベックスはとんがった性格でズケズケ言いたいことをいい、ドーンは引っ込み思案で守りに入る性分。ウマが合い、お互いを思いやっている。ある日知り合って間もない男ジェレミーが、是非支援したい、お金なら融通するというので、話を聞いた。態度物腰柔らかく、ドーンはいい人みたいと信用する。まだ借りるともいっていないのに、男は現金1万ポンドを用意し、店に来た。断ると「1万ポンドを準備するのは大変なのだ。手数料5000ポンドを払え」と男は正体を現し無理難題をふっかけた。ジェレミーは何人もの負債者を暴行・恐喝で死においやった悪鬼のような闇金業者だった。ジェレミーの後ろには負債者を半殺しにする用心棒が控え、追い払おうとした威勢のいいベックを、殴る・蹴る、で半死半生の目にあわした▼ドーンは貯めた5000ポンドで要求額を払い「もう大丈夫よ、ベックス。時間はかかるけど、お金はまた貯めましょう。すべて終わったの」やりなおそうとベックを励ます。ところが現れたジェレミーは、1日遅れたからあと6000ポンドだと、法外なことを言い出す。払えないというと、泥棒でもやれ、家を売れ、なんでもやれ…ジェレミーがいうには「俺は金融会社で融資を担当していた。安い給料で退屈だった。取り立て屋は俺の天職だ」とうそぶく。ドーンとうまいスコッチでも飲もうと家に来たベックは、部屋からぬっと出てきたジェレミーに会う。こんな男のいうことをきいて。ベックは腹を立てていくがまた戻ってくる。しょげているドーンの前にレモンを置き「わたしの名物を作ってあげる。ごめんね」と手を握る。ジェレミーはドーンをレイプしている写真をケータイに送ってきた。「哀れな男ね」とベック。「無視して。誰も見ないわ。ベネズエラの田舎の住人ひとりくらいだわ」…ベックっていいやつね▼無間地獄は続く。怯えるドーンに「君の腐った体にもまたがってやった。借金は1万ポンドだ」「彼女に絡まないで」割って入ったベックの喉をジェレミーがしめあげる。意識は朦朧。ドーンが包丁でジェレミーの背中を刺した。ひるんだジェレミーはドーンを二階に追い詰める。息を吹き返したベックとジェレミーの格闘。そこへあらん限りの力を振り絞ったドーンが、洗面台を壁面から引き剥がし倒れたジェレミーの頭めがけて落としたのだ。頭蓋骨ペチャンコ。それでも腹の虫のおさまらないベックは、気が狂ったようにナイフを突き刺す。ジェレミーの手持ちの現金をすべていただき、ふたりは無事カフェをオープンした。嫌がらせに来る男たちをあしらっていたら、通りの向こうに、店をじっと見ている大男がいた。ジェレミーの用心棒だ。そのあとは粘土で作った男の人形が、女の人形にコテンパにやられ。腹から腸を出し、ポイ捨てされる。用心棒はこういうことになりましたってことね。サイコ男にはサイコで抗戦した新種のゾンビ・バージョンに一票。

 

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