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シネマ365日

2017年3月20日

特集「偏愛力1」⑩ 
死霊館エンフィールド事件(下)(2016年事実に基づく映画)

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監督 ジェームズ・ワン

出演 ヴェラ・ファーミガ/パトリック・ウィルソン

シネマ365日 No.2060

白い光

偏愛力

エドが叫んだ。「名前だよ、それは。生まれたときに授かり、何かにちなみ、一生ついて回るものだ」。しかし悪魔の名前をどうやって知ればよい。ロレインが襲撃された。激しい肉体のショックに耐えながら、夢にうなされ夢中で聖書にナイフを突き立てたことを思い出した。あれだ。車のトランクから聖書を取り出す。あのとき、ナイフを突き立てていたのは、聖書に字を彫るためだった。なんという字を、言葉を。ロレインが探し出した箇所の最初の文字は「V」。次は「A」そして「R」「A」「K」と判読できた。「ヴァラク」それこそが悪魔の名前だった。ヴァラクはジャネットを連れ去ろうと、最後の、そして最大の攻撃を仕掛けてきた。精も根も尽きて痴呆のように窓辺に立つジャネットをエドが助けようとすると、暴風雨のような風が巻き起こり近づけさせない。ロレインは嵐の中で叫ぶ。「名前がわかればお前を支配できる。ヴァラク。地獄の侯爵。邪悪な蛇どもの首領。地獄に戻るがいい!」。悪魔はのたうちながらジャネットを離し、空中に霧消した▼この映画の念の入っているところは、エンフィールド事件の当事者であるジャネットとマーガレット姉妹をインタビューし、彼女らの経験を収録したことです。霊といい悪魔払いといい、悪魔といっても、所詮目に見えない存在ですから、作り事だといえば言えるし、現実だといえば言える。ジャネットは自分たちの体験をでっち上げだとテレビで公言した超心理学者、アニタ・グレゴリーを名指しで「軽蔑するわ」と一刀両断。エンフィールド事件はマスコミの格好の餌食となり、姉妹はまるで実験動物のような、様々な取材を受け、後遺症は消えることがなかった。母親のペギーは除霊の後一生同じ家に住み続け、2003年居間の椅子で息を引き取った。40年前、ビリーが亡くなったのと同じ椅子だった。事件の支持派と懐疑派は相変わらずそれぞれの意見を言い合ったが、ホジソン家に持ち込まれた撮影機器や録音による、多量な怪奇現象の記録が残っており、家族以外の、英国心霊調査協会のメンバーによる目撃や証言が含まれ、最も信ぴょう性の高い心霊現象として、この事件に説得力を与えた▼ヴァラクとは悪魔学における悪魔の一人。30の軍団(27とも、38の軍団ともいう説あり)を率いる序列62番の地獄の総裁。召喚者の前に頭を二つもったドラゴンにまたがった、天使の翼を持つ少年の姿で現れ、財宝、または蛇の現れる場所を教えるといわれる。霊にも知能の高い霊とそれ以外の霊がいて、物を動かすとか、攻撃するのは知能の高い霊らしいのだ。セリフの英語字幕では恐怖要素は「すべて気」だとし、「気」に「energy」を充てていた。この映画の解説者は「どんな気を放ち、受け入れるかが問題だ。恐れを見せちゃダメで悪霊が食いつく。恐れるのではなく、救いたいとか、知りたいという気持ちを示すのだ」としている。そういえば冒頭、ロレインが霊視するとき、テーブルを囲んだ人々にこう頼んでいます。「心静かに目を閉じて、白い光に包まれていると想像してみて。光が魔除けになるの」。光に包まれ、人の役に立とうとし、前向きな気持ちでいれば悪霊は近づいてこないってことね。いいわね。白い光に包まれている自分を想像してみよう。すぐ実行できて分かりやすい、いいアドバイスだわ。ロレインとジャネット姉妹は事件以後、38年ぶりに再会した。ロレインは心霊研究の講演を続け、困っている人からの頼みには応じても謝礼は取らなかった。ジェネットは初めて会ったときにロレインがいった言葉を覚えていました「たった一人の味方との出会いが人生に奇跡を起こす…わたしは二人も出会ったのよ」。ふたりとはロレインと夫のエドのことです。

 

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