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特集「菜の花の匂うベストコレクション」

2017年4月3日

特集「菜の花の匂うベストコレクション」③ 
グランド・イリュージョン2 見破られたトリック(2016年 サスペンス映画)

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監督 ジョン・M・チュウ

出演 ダニエル・ラドクリフ/ジェシー・アイゼンバーグ/ウディ・ハレルソン

シネマ365日 No.2074

とにかく楽しみましょう

菜の花の匂うベストコレクション

巨大なIT企業の陰謀を暴くイリュージョニスト4人組、フォー・ホースメン。見所は彼らの駆使するイリュージョンなのだけど、それがまあ、なんたるお金の掛け方、ハリウッドが地力を見せたと言っても大げさじゃないゴージャスな仕掛けなのです。おかしいなと思うところはいくつかあるのですが、立ち止まらせてくれないスピーディな展開と、華麗なるマジシャンぶり。瞬きしているうちに「あっ」と叫んでしまう。その鮮やかな技こそ本編の主人公です。今回は天才エンジニア、ウォルターにダニエル・ラドクリフが扮しています。ハリポタもいい年の青年になりまして、いろんな話題作に出て「脱ハリポタ」は成功したといえそう。でもね「ヴィクター・フランケンシュタイン」「ホーンズ容疑者と告白の角」「ウーマン・イン・ブラック亡霊の館」などと、なぜかダークな映画が多いですわ。本作では登場した途端「ヤバッ」と声を出しそうな、見るからにいかれた天才科学者です▼ヒーローにして、犯罪集団であるフォー・ホースメンが、すべてのトリックを破る科学の前になすすべなく追い詰められる。「イリュージョン」が見せ場なのだから種明かしはルール違反です。でもそんなことしなくても、ぐいぐい最後まで引きずられていく。クライマックスは、最終決戦ロンドンでの一発逆転のスーパーイリュージョンですが、そこにたどり着くまでの「これでもか」に堪能します。あっという間になぜ4人はニューヨークからマカオにいる?タイムスリップしたみたいな場面転換とか、トランプにチップを貼り付け、身体検査をかわすため、スペードのエースを、隠し技で4人が受け渡す目にも止まらぬ早業、指技に瞬きはできない。靴が一瞬にして変身し、プレートがカバンに。マジックの連続は「子供だまし」といえないハイレベルの技術です▼メンバーはリーダー格のアトラス(ジェシー・アイゼンバーグ)、催眠術の名人メリット(ウディ・ハレルソン)。彼に双子の弟がいて、こっちは髪ふさふさで現れます。沈着冷静なジャック(デイヴ・フランコ)と、紅一点のルーラ(リジー・キャプラン)。彼女は10年間、日の目を見ないマジシャンだ。フォー・ホースメンのメンバーとなって腕を振るいたい、パワー溢れる女子マジシャンです。彼らは特撮に頼らず、プロのマジシャンのマジック・トレーニングに参加、合宿して技を体得したそうです。自由の女神消失や、万里の長城すり抜けで有名なイリュージョニスト、デヴィッド・カッパフィールドにもアドバイスを求めたとか。前作との関係が冒頭のシーンにあります。黒幕の存在が仄めかされるのが本編の特色で、その黒幕と冒頭のシーンは密接な関係があります。仲間割れもするときがあるフォー・ホースメンは、果たして真に傑出したイリュージョニスト・チームと言えるのか。今回はやや物語を複雑にする要素がいくつか入り込んでいます。その中心にいるのが、どんなマジックも見破ってしまう種明かしの名人サディアス(モーガン・フリーマン)と、FBI捜査官ディラン(マーク・ラファロ)です。30年間の因縁が彼らの間にはある▼もう一人。前作でホースメンに裏切られ、大衆の面前で銀行の大金庫を破られた大富豪アーサーにマイケル・ケイン。ほとんどしゃべりませんが、最後のセリフだけ紹介します。「父さんと呼ぶのはやめろ!」とウォルターに一喝する。アーサーは彼の父親だったのです。そして冷たく「どの女が産んだ子かわからん」といいすてる。これなんか、一言でその場をさらうサイコーのマジックかも。ラストのテムズ川の大逆転。あっといいますよ。騙されながら、とにかく楽しみましょう。

 

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