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特集「菜の花の匂うベストコレクション」

2017年4月9日

特集「菜の花の匂うベストコレクション」⑨ 
ベネファクター/封印(2015年 日本未公開)

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監督 アンドリュー・レンジー

出演 リチャード・ギア/ダコタ・ファニング

シネマ365日 No.2080

汝の名はオリビア

菜の花の匂うベストコレクション

リチャード・ギアが病院経営者の大富豪フラニーを演じます。彼は5年前、事故で親友夫婦を死なせてしまいました。フラニーが運転中の友人に後ろからふざけ、至近距離のトラックに気付かなかったのです。友人の娘オリビアだけが残った。これがダコタ・ファニングです。彼女は医師と結婚し妊娠中である。いきなり大きなお腹でダコタが現れるので、ビックリします。「ランナウェイ」でクリステン・スチュアートとロックンローラー女子を熱演したときはまだ幼かったけど…ま、それはどうでもいい。フラニーは事故の大怪我の治療中に多用したモルヒネの中毒になっていました。友人夫婦を死に追いやった自責の念から、今では世捨て人同然。病院経営は幹部らに任せ、ちょこちょこと記念催事の席に出るくらい。痛めた脚をかばって杖をついていますが、全然うらぶれた感じはない。大富豪だもんね。妻に先立たれ男やもめだ。なんの生きがいもなかったフラニーに、美しい人妻となったオリビアが現れ、フラニーは狂喜する。寂しい人生に舞い降りた天使のようだ▼オリビアの夫も医師だ。フラニーは強引に自分の病院の役員に引き抜く。旦那にしたらありがた迷惑みたいだったけど、オリビアが亡き父の親友だったフラニーをすっかり信頼しているので、仕方ない。悪い条件ではないし…どころかフラニーは夫婦に家まで与えるのだ。そうこうしているうちに、フラニーはモルヒネの入手が断たれ禁断症状に苦しみ、オリビエの旦那に処方箋を書いてくれと頼むが、できないときっぱり断られる。友人にも頼むがダメ。薬局の主人は医師の処方箋がない限り売らないとこれまたきっぱり。とうとうフラニーは自分で自分の指を切り、運び込まれた病院で痛みがひどいからモルヒネをくれと頼むが、鎮痛剤しかくれない。フラニーの、過剰なオリビエへの愛情に戸惑っていた旦那は、トラブルばかり起こすフラニーに愛想をつかす。オリビエだけがやさしく気遣ってくれる。産気づいて病院に運び込まれ男の子が産まれた。フラニーは一念発起。髭を剃り、髪をさっぱりと短くし、リハビリすると誓う▼主演がリチャード・ギアだから、こんなクセのない映画になってしまったわけ?どうもよくわからないのよね。家でもポンと買えるお金持ちが、自分の病院もありながら5年もドラッグ中毒に甘んじるなんて。なんとでも手を打てたと思うけど。ダコタに会ったとたんメロメロだから、これはひょっとして恋愛映画になるのか、と思ったらそれもない。旦那だけが妻に親切すぎるフラニーを疑い深そうに見ているだけ。友人夫婦を事故死させた張本人であり、悔やんでも悔やみきれないのはわかるけど、じゃ事故から5年間、孤児になった友人の娘を放っていたことがおかしいでしょう。本来なら身寄りがなくなったオリビアを引き取って養育するのが罪滅ぼしだと思うけど、そういう実際的な行動は何も取らなくて、現実逃避から痛み止めで中毒になったところで同情しにくいわね。旦那は男同士だから、相手のウィーク・ポイントがわかるのよ。こいつは心の弱い奴だとすぐ見抜く。リチャード・ギア主演でどうして未公開だったのかと思ったけど、こんなヘタレが主人公じゃ無理ない。ラストで急に元気をふるい起こして、もっさりした髭を落とし、髪を整えていたけど、その程度で元気になるならとっくになっていたはずだわ。彼が立ち直る気になった最大の理由はオリビアの出現よ。強きもの、汝の名はオリビア▼結局これは幾つになっても、男は綺麗な若い女が慕ってくれたらそこに落ち着くという映画なのか。ヨレヨレの男が女に救済を求める構図って、古今不滅。変わらないのね〜。実にわかりやすい、頼りない作品だけど、まさかカッコよく社会復帰したギアさまで第二部があるのではないでしょうね。

 

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