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特集「最高のビッチ」

2017年4月18日

特集「最高のビッチ2」⑥ 
キャメロット禁断の王城(中) (2011年-2012年 TVドラマ)

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監督 クリス・チブナル/マイケル・ハースト

出演 ジェイミー・キャンベル・バウアー/エヴァ・グリーン

シネマ365日 No.2089

守護神シビル

最高のビッチ

アーサー王といえば円卓の騎士。王が裁判の公平と万全を期すため、キャメロット城にある円卓を囲んで論議したことから、そう呼ばれました。本編では王とか騎士と言ってもなりたてで知名度もなく、田舎に行けば王より村長のほうが権威と権力がある時代。参謀格の魔術師マーリンほか、アーサー王の異父兄ケイや、武術・格闘技指導を任されたガウェイン、無名のアーサーを救った命の恩人レオンテスらがいる。最高のビッチ、エヴァを向こうに回し奮戦する男性陣にも触れねば。魔術師マーリンのジョセフ・ファインズ。この兄弟、なんでこう、気色悪い役が回ってくるのでしょうね。兄のレイフ・ファインズは「ハリポタ」の悪の権化ヴォルデモートに、ジョセフ・ファインズは「アメリカン・ホラー・ストーリー」で、精神病棟で繰り広げられる悪事を、見て見ぬフリする隠微な院長をそれぞれ演じました▼マーリンはオープニングこそミステリアスな存在でオーラを放っていましたが、回が進むにつれ、魔術を使ったのはたった1回、それも葉っぱをチョロチョロ燃やすだけ。だんだんフツーのおじさんになってしまった。主人公アーサーはどうか。いくら女一人の旅は危険だといっても、砦の守りを放り出して、臣下レオンテスの妻グィネヴィアを実家まで送っていくことはないだろう。それこそ部下に任せることじゃないの。マーリンもアーサーの実母も二人の不倫に気づいており、女に近づくなと王に忠告するが耳を貸さない。王に忠誠を尽くすレオンテスこそいい面の皮よ。円卓の騎士たちはみな健康でイケメンで、本を読み(当時書物は希少品だった)勉強好きで、自らの成長に意欲的な好青年ばかりだけど、戦略とか、攻略とかなるとイマイチ冴えないのね。マキャベリとかチェーザレ・ボルジアとか、織田信長とか、軍事軍略の塊みたいな男にちっとも見えない。円卓囲んで合議で採決するという発想は、当時の独裁専制体制では異色だったけど、アーサーがやると時間の浪費に見えるのが損ね。それにこの王様、いつまで女に未練タラタラなの。繰り返すけど、どっちもどっちなのよ。かくまで踏ン切りのつかない迷妄を人間らしいというのかしら。グゥネヴィアになったタムシン・エガートン。今イギリスで注目の女優といわれるが、おお、よく見れば「聖トリニアンズ女学院」のいかれた女学生ではないか。背が高い(178センチ)ので周囲の女の子よりいつも頭ひとつとびだし、コリン・ファースの文部大臣が視察に来るとパチッとウィンクした女生徒。へ〜、あれから足かけ10年、ハリウッドのモテ男ジョシュ・ハーネットと結婚し、女の子が生まれている。サイトや雑誌の「世界の美女何人」とか「美しい顔何人」の常連だというから、けっこう頑張っている▼われらがエヴァちゃん、どうなったか。恋愛にウツツを抜かすなどもってのほか、目指すは王位王冠である。ますます狡智官能を研ぎ澄まし、軍師シビルを側近に加えた。シビルはモーガン(エヴァ・グリーン)が父王に押し込められた海の向こうの尼僧院の院長。ある日ペンドラゴン城の城門に姿を現し、モーガンは追い払おうとするが、モーガンの命に関わることだといってテコでも動かない。根負けしたモーガンが会見する。シビルはモーガンが「力」と呼ぶ闇の盟主に頼み事をし、魔術を使っていることを察知して「無謀なことを」やめるように言いに来た。モーガンはすでに体の不調を覚え、身体中から原因不明の出血があった。彼女の宿敵モーリンさえ「魔術を使うと必ず代償を払わねばならぬ。あなたの健康と肉体が元に戻るとよいが」と忠告を残した▼シビルの予言通りモーガンは死の淵に追い詰められる。のたうちまわり化鳥のように叫び、シビルの施術で一命を取り留める。モーガンはシビルの助言を容れ、村人や臣下の信頼を得るべく、上に立つ者のリーダーシップを磨く。その腹心シビルにピンチが。尼僧院は火事が原因で尼僧たちは焼け死んだというシビルの報告だったが、火事はシビルの起こしたものだった。その火事で娘が死んだという女性が城に来て、シビルを処罰せよと主張する。公平を期すならシビルは死刑である。モーガンは珍しく苦悩します。なぜ自分に本当のことを言わなかったかとシビルを責めるが、シビルは尼僧院を守るための措置であり、子供が死んだのは全くの事故だった、後悔しない日はないと告白する。モーガンは裁定の日、シビルに罪を償わせるとして、燃える炎の中にシビルの腕を突っ込む。皮膚が焦げ、肉が焼ける匂いが充満し、傍聴人たちは顔を背ける。娘の母は「処罰は死刑であるはず」と譲らない。モーガンは「火事は事故だった。娘の死は不幸だったがシビルの犯意犯行ではない。死刑には値しない」と裁定し、文句あっか!丸焦げの腕を抱えてのたうっているシビルを目前に、みな声無し。女は悔しそうに城門を去る。モーガンの迫力勝ち。モーガンは重傷のシビルを部屋に入れ、火傷の手当をしてやりながら「わたしを守るために?」「なんだってするわ」とシビル。彼女はこの後も一命を賭してモーガンを守ります。モーガンという女性、目的達成のためには手段を選ばず、サタンにでも身を売る支配と野心に燃える女性ですが、シビルのように欲得抜きでついていく腹心がいることは、物欲と権欲の権化だけでもなさそうです。

 

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