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特集「頑張るドイツ映画と女性監督」

2017年4月23日

特集「頑張るドイツ映画と女性監督」① 
生き写しのプリマ(2016年 ミステリー映画)

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監督 マルガレーテ・フォン・トロッタ

出演 カッチャ・リーマン/バーバラ・スコヴァ

シネマ365日 No.2094

今を生きる者のために

ドイツ女性監督

この三人組を見ると、怖いというか、凄いというか、遠巻きにして(なにするつもりだろ?)じ〜と目を凝らす、そんな存在感があります。監督のマルガレータ・フォン・トロッタ、主役のゾフィのカッチャ・リーマン、カタリーナ(エヴェリンと二役)のバーバラ・スコヴァです。彼女らと監督との因縁は深く、トロッタがニュージャーマン映画の旗手として脚光を浴びていたとき「ローゼン・シュトラッセ」で、早くもカッチャ・リーマンを起用、「もうひとりの女」では再び主役に、バーバラ・スコヴァは「ローザ・ルクセンブルク」「ハンナ・アーレント」でタイトル・ロールを演じさせています。いずれもドイツ映画界で幾つもの賞に輝く佳品でありヒット作でした▼トロッタ監督といえば、作品はまず重厚である、そう思っていたところ、意外でした。重苦しさがないミステリー仕立てとは、映画が軽いという意味ではありません。一体どうなっているの、と疑問の糸がグイグイからまっていきます。死んだ母にそっくりなプリマがニューヨークにいる、しかもスター歌手だ。父親はゾフィに行って会ってこいという。父親というのがけっこう、いい加減な初老の男で、娘に本当のことを知らせず放り出したくせに、報告をせかせる。ゾフィはしがないクラブでジャズを歌っていたが、ニューヨーク行きのおかげで男と別れる羽目に。プリマのカタリーナの楽屋を訪問したものの、ろくに話も聞いてもらえず、マネージャーのフィリップに頼み込んで会わしてもらう。登場人物は少ないのに話の込み入っていること。なぜカタリーナは母にそっくりなのか。娘なのだから当然なのですが、その事実をカタリーナも知らなかった。カタリーナにはローザという母親がいて、認知症のため施設に入っている。彼女を訪問したゾフィを見て「まあ、エヴェリン」とローザはゾフィの母親の名を呼ぶ▼結論に飛ぶと、ゾフィとカタリーナは異父姉妹です。母エヴェリンはゾフィの父パウルと結婚する前妊娠していた。パウルは中絶させようとしたが、エヴェリンはローマの友だち、ローザの元で娘を産んだ。これがカタリーナ。エヴェリンは娘をローザに預け帰独。パウルとの間にゾフィを産んだ。ではカタリーナの父親は誰か。これが母の墓に人知れず花を供える男、パウルの兄ラルフなのだ。兄弟は一人の女性を愛していたことになる。母親は結婚した後もラルフと母親は密会を重ねていたというから、お母さんって、隅に置けないわね(笑)。何もかもわかってゾフィは気分さっぱり、恋人のフィリップとはいい関係だ。ニューヨークに住むことになるかもしれないが、今は親父の面倒をみなくちゃ。クラブの歌手はクビになったから、ブライダルのプロデューサーをやって生活費を稼ぐ。カタリーナはプリマとしてバリバリやっていくだろう。ラルフはニューヨークを訪れ、カタリーナの息子たちに会い、祖父だと名乗る。おさまらないのが一人。ゾフィのパパだ。夜になれば幻のエヴェリンが夢枕に現れる。このお父さん、けっこう横暴ですよ。娘の都合も考えず、「俺は飛行機が苦手だ」というだけで、初めてのニューヨークに会ったこともない人を探しに行かせるのだからね。こんな調子だからママは不倫に走ったのよ。でも本人は、いい夫ではなかったかもしれないが、極悪の夫でもなかったはずだ。それなのに妻は兄とできて、結婚後も続いていた。コンチクショ〜。今さらながらパパの気分はドツボ。ま、人生は今を生きている者のためにあると割り切ることね。カッチャ・リーマン、バーバラ・スコヴァの吹き替えなしの歌唱、監督がプロの歌手でもある二人のために、特別に用意したシーンです。カッチャ・リーマンが歌うロドリゲスの「サンドレヴァン・ララアバイーライフスタイルズ」いいですね〜。「シュガーマン奇跡に愛された男」のサントラにも入っています。

 

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