女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss
  • ブックマーク

特集「頑張るドイツ映画と女性監督」

2017年4月28日

特集「頑張るドイツ映画と女性監督」⑥ 
逢いたくてベニス(1999年 恋愛映画)

Pocket
LINEで送る

監督 ヴィヴィアン・ネーフェ

出演 アグライア・シスコヴィッチ/ハイノ・フェルヒ

シネマ365日 No.2099

肉食ゲルマン女子の面目 

ドイツ女性監督

いや〜、パワフルですね。夫が浮気していた、自分は好きなピアノの道も諦めウェイトレスをして、売れない画家の夫ルイスを支えてきたエバ(アグライア・シスコヴィッチ) 、子供は幼い息子と娘。獅子奮戦の毎日なのに、ルイスは銀行の副支店長シャルロッテと恋仲になり、出張と偽ってベニスへ不倫バカンス。これが怒らずにおれるか。レストランの客に来たシャルロッテの夫ニック(ハイノ・フェルヒ)は高名な弁護士だ。傲慢な彼と喧嘩して店をクビになったエバは、ニックを脅し、子供たちを乗せ、アルプス越えでベニスに向かう。ニックは「僕は子供アレルギーだ」「男は皆そうよ!」貸す耳持たぬ。ニックは嫌味な男で「夫が浮気? 君の食べる姿を見て嫌気がさし逃げたのだ」「あなた、少食ね。セックスが弱いから奥さんも逃げたのね」思いつく限りの悪口雑言を浴びせあう▼ベニスについた不倫組は燃えに燃えアツアツ。「君と暮らしたい」「死ぬまで離れないわ」うわ言を繰り返す。「ふたりの画廊をもてばいいのよ」「ホントかい?」夢は膨らむ。シャルロッテが訊く。「エバが知ったらどうする?」「理解するよ。自由な女だ」食べさせてもらっていてこの言い草はないだろうと思うが、とどのつまり、こういう男なのである。追跡組は「浮気の原因は性生活よ」とエバがズバリ。「ルイスはわがまま。シャルロッテは寛大。見返りは何か。愛かセックスよ。あなたは超多忙だし」「一日15時間働いている。シャルロッテは浮気しない。結婚の契約がある」仕事一途で男女がわからないニックをエバは哀れそうに一瞥。「あなたさえ店に来なかったらクビにもならず、何も起こらなかった。あんまりだわ。ルイスを愛している!」野宿して目をさますと、車もバッグもカードも泥棒にやられていた。途中粉屋のトラックの荷台に乗って、頭から真っ白になりベニスにひた走る。「あなたみたいな高慢ちきな気取り屋」「娘はなぜ口がきけない。家庭に問題があるからだ」「今度言ったら承知しない」それぞれのコンプレッスクをグサグサにしながらベニスへ。無銭飲食をしたレストランで警察に突き出されそうになったとき、エバがピアノを弾いた。店主もニックも聞き惚れた。店主は料金をただにしてくれた。雨の日はずぶ濡れになり、ニックは娘を抱きエバは息子の手を引き、ヨレヨレになってそれでもベニスへ▼不倫組は熱が冷めてきた。「僕たち二人が組めば怖いものはない」と男。「やめて」と女。「画廊はあなたひとりでやって。支援はするけどわたしは今の仕事を捨てないわ」。追跡組のニック「父は弁護士を嫌っていた」「お父様は何を?」「シンガーさ」「お母様は?」「シンガーさ。引っ越しばかりで家はいつも乱雑。普通の生活に憧れた。一流大を卒業。一流の事務所に就職。山ほどの仕事…」。エバ「結婚後5年は私が家計を支える。次は彼の番」「いま何年?」「7年」。ニックは高所恐怖症に加え水が怖い。水の都ベニスは地獄だ。橋も渡れない。エバが手を引いて渡らせてやる。ふとゴンドラを見れば乗っているのはルイスにシャルロッテだ。現場を押さえられたルイスは「愛している、エバ。僕が悪かった。二度と浮気はしない!」不倫組と追跡組は目的を果たし別々の帰途に。エバの娘がニックを見上げ、あどけない笑顔でいった。「だいチュキよ」彼女が口にした初めての言葉だ▼ニックが目覚めた。ゴンドラが岸を離れていく。エバが家族と歩いている。エバが振り向く。ニックは運河に飛び込む。「愛している、エバ」エバがダイビング。抜き手をきって泳ぐ。水の中で抱き合うふたりでエンド。筋書きがどうこういう前に、この映画の肉食系ゲルマン女子たちの強いこと。ヴィヴィアン・ネーフェ監督の女性観・人生観でしょうね。エバはもちろん、シャルロッテなんて、男の本性がわかりきっている。画廊の共同経営ですって? その気になるなんてどこまで図々しいの。あっさり反故にする棄て方。その昔女が散々いわれてきた言葉を投げ返すかア。迷える子羊には「こういうのもアリ」でいいかも。

 

Pocket
LINEで送る