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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2017年5月20日

特集 LGBT—映画に見るゲイ220 
ドン底女子のハッピー・スキャンダル(2011年 日本未公開)

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監督 ガブリエラ・タリグアビーニ

出演 エヴァ・ロンゴリア/クルスチャン・スレーター

シネマ365日 No.2121

硬さ・重さをコメディで 

特集「LGBT—映画に見るゲイ」

映画の内容云々の前に邦題で嫌気がさすわ。無関係なばかりか有害だわ。くだらない邦題で損した映画はたくさんあるけれど、ワースト・テン高ランク入り間違いなし。あまりのお粗末な扱いに、この映画に携わったプロデューサー・監督・脚本・俳優、みな気の毒になった。確かにB級だし、単純な映画かもしれないけど、真面目に作っているのはわかる。監督はちょっと荷がしんどかったかもしれないけど、でもそれはイコール映画の質が悪いということにはならない。ジェンダー・フリーやダイバーシティや、平和とか戦争とか、正面から捉えたら重苦しくならざるをえない問題を、コメディタッチでまとめようとしただけよ。どんなにくだらないと思っても、映画を見る最低のリスペクトは必要だと思う。軽く扱うのはゲイがあるから? だいいち、本当に映画を見てタイトルつけたの?▼話はド単純そのもの。アマゾンの奥地の小さな村マルキタで、男が全員戦争に駆り出され、女だけになった、残ったのは神父と、女装した喋れない男性フリオ。村長の妻ロサルバ(エヴァ・ロンゴリア)は村長役を買ってで、薬局をやっているセシリアが助手となった。でも女たちは村長の指示など全然聞こうとしない。勝手なおしゃべり、わがまま、独りよがり、唯我独善の女のわがままし放題。女に組織だ、秩序だ、規律だといったところで馬の耳に念仏である、まず監督はこう突き放す。そこへふらりとやってきた荒野のガンマンふう、黒装束の女クレオ。男が戦争をするから世界に平和が訪れない、え、この村に男はいない? 理想的だわ…ところが女たちは声を揃え「男がいないから何もできない、電球も代えられない、どうやって食べていくの」しかも全員読み書きができない。女に教育はいらないから字など習ったことはないと当然顔。戯画的だが日本でほんの100年、いや第二次世界大戦で敗戦するまで、もっと言えば団塊の世代が大学を目指すまで「女に教育はいらん」は日本のジョーシキだった。この映画を笑える人は幸せだ▼クレオは寺小屋みたいな教室で読み書きを教え始めた。一人はつらつとしているのは娼館の女将だ。「男たちが帰ってきたときのために、自分を磨き続けるの」なんという前向き。神父は神のご指示だといい、この村の存続のためには子孫が必要だと村長を説得、早速男を求める女たちが行列を作ったところ、神父はとうとう「天に誓ってもうタチません」しかもタネなしだと判明、これ以上いたら命が持たないと村を出て行く。女たちは不満が爆発。「タダでやらせたのに」こんなところにはおれないと騒ぎながら村を出て行こうとする。ロサルバは「待った」をかけ「あの山の向こうに行けば幸せが待っているとでも? 天国があり暴力も戦争も貧乏もないと? 自分たちの居場所は自分たちで作るべきよ。みんなが平和で平等に生きるって素晴らしくない? 行くなら行きなさい、痩せた牛を連れて」そう言ってスタスタ去る。置き去りにされた女たちは男に依存し過ぎていたのは、それがラクだったからだと思い当たる。「ロサルバとミルクを分けあうべきか」「わたしは卵5つあれば充分だからあとは分けるわ」女たちはニワトリや牛、豚、動物を集め牧場にし、レモンを年中栽培できるようにした。村中を清潔に掃き清め、電球は自分らで替え、すべての女が働くようになった▼ロサルバはクレオが好きになった。マグノリアはセシリアに恋した。女将はラグリングが好きなのだと公表した。アメリカのジャーナリスト(クリスチャン・スレーター)は女たちばかりの村があると聞き、特ダネ巻頭特集を狙って取材に来た。「君たちがここでしていることは奇跡だ。世界中の女性に君たちの可能性を示したい」。ロサルバは取材を受け入れるが「観光客が押し掛け、見世物になる」というクレオの助言を入れ、記事にしないで「わたしたちを守って」と申し入れ記者は約束する。デキレースもいいところですが。そこへ戦争から3人の男たちが帰ってきた。ロサルバの夫もいた。女は男の持ち物だと主張する男もいる。女たちは言いなりになっておらず「男が自分の分をわきまえれば、女は男と力をあわせることができる」と解決法を提示する▼最後は大団円。クレオは村を出ることにした。思い出の川を渡りながら、ここでロサルバと初めてデートし、水の中でキスを交わしたことを思い出す。「クレオ、行かないで」とロサルバが追いかけてきた。クレオが聞く。「教えて。男が好き? 女が好き?」「あなたが好き」。うまいこといきすぎだと思うが、あんまりベタすぎて(あ、そ)としかいえない。ロサルバの夫は元浮気相手と再婚し、誠実な夫となった。記者はクビになったが「特ダネより大事なものを見つけた。良心さ」と負け惜しみをいいながら、デスクを整理している(笑)。

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