女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss
  • ブックマーク

特集 LGBTー映画にみるゲイ

2017年5月28日

特集 LGBT—映画に見るゲイ228 
ER緊急救命室シーズン7(2000年 テレビ映画)

Pocket
LINEで送る

監督 ジョナサン・キャプラン/アンソニー・エドワーズ他

出演 エリザベス・ミチェル/ローラ・イネス

シネマ365日 No.2129

闘います

特集「LGBT—映画に見るゲイ」

「ER」という、大昔のテレビ映画。人命救助に献身する緊急救命室のメンバーの「斬った、張った、助けた、死んだ」のドラマの中で、シーズン7だけが同性愛を取り上げています。エピソードのひとつ、「魔女狩り」はテキパキと問題点を挙げ、現在にも通用する同性愛と社会の縮図を描きました。監督はジョナサン・キャプラン(「告発の行方」)です。精神科医キム(エリザベス・ミチェル)と、ER部長のウィーバー医師は親しくなる。キムは自分がゲイであることを同僚たちに隠していないがウィーバーは隠れゲイだ。二人は親しくなり、キムが真剣なおつきあいを望んだら「わたし、ストレートなの」とウィーバーは偽る。大事故でERが地獄図さながらのパニックに落ち込み、事態を収束させたウィーバーは、疲れ果てキムの家を訪ねる▼翌朝キムが訊く。「昨夜のこと、後悔していない?」「いいえ。慣れていなかっただけ」「よかった」ウィーバーは念をおす。「わかってくれるわね。二人の秘密よ」キムは白けたに違いないが「もちろん」と合わせる。キムが淹れたコーヒーも飲まず、そそくさと立ち上がったウィーバーに、キムはドアを開け、やさしく声をかけ、キスしようとすると、ウィーバーは顔をそらす。キムは一生懸命なのに、ウィーバーはつれない。自殺願望のある若い女性が精神科に運ばれ、キムが対応する。彼女が同性愛に悩んでいるので、そんなの病気でもなんでもない、自分もゲイだと言ったら、その女性はキムをセクハラで訴えた。性的暴行を強要されたというのだ。官僚的な外科部長ロマノは、高圧的に緊急聴聞会を開くと決めつける。「彼女は性的アイデンティティーが混乱していて自分を傷つけようとしていた、自殺願望があった」とキム。ウィーバーも呼ばれた。「キム・レガスビーにはゲイの傾向があっただろう」「だったら何ですか」「それが事件を引き起こした」「錯乱した患者の虚偽の証言です。妄想です。ドクターが男性でも同じでした」「レガスビーの異常な性的行為を見たか?」「くだらない」ウィーバーは怒って退室する▼聴聞会ではキムの味方もいた。「彼女は当病院にとって貴重な財産だ。彼女の意図は尊重されるべきだ」。聴聞の結果が出るまで公務を離れることになった。「無視しろ。時間が解決する」と別の上司は言うが、院内ではかなりの評判が立った。聴聞会はこんな具合だ。「問題のある患者は言いがかりをつけたがる。キムは優秀な医師だ」「彼女はレスビアンだ」「わたしはそれを同僚に隠していません」「患者にもいうのか?」「わたしは痴漢ではありません」今からすればどっちがセクハラだろう。聴聞会で、積極的にキムを擁護しなかったウィーバーは忸怩として「キム、どこかで話し合いましょう」「話すことは何もないわ。私のことを認めるのが恥ずかしいのでしょう」「あなたはこの問題が、世間に認知されていると思っているけど現実はそうじゃない。ゲイだと公表して管理職になれた人は一人もいない。苦労してわたしが得た地位と尊敬を捨て去れというの?」「誰がそういった?」「キム、時間を頂戴」「おしまいね」▼ふたりは別れる。ウィーバーは真情を手紙につづった。キムは読んで「感謝するけど別れることに変わりはないわ」。一方、ロマノは諦めていなかった。緊急対応でERがごった返しているとき、キムが電話にすぐ出なかったということにクレームをつけ、勤務態度が改まっていない、クビだ、と一方的に解雇を通告する(アメリカって平気でこういうことが通るのね)。ウィーバーは、解雇は違法だから闘うべきだという。キムは「私を必要としていないところでは働けない。彼は自分の意見を正当化するために違反記録を作っていたのよ」「わたしたちは訴訟で対抗する権利があるわ」「わたしたち? 自分は隠れてわたしに戦えというの?ごめんだわ」キムは突き放す。ウィーバーはロマノの部屋に向かった。「解雇は不当です。撤回してください」「決まったことだ」「キムが解雇なら私も辞めます」ロマノはあっけに取られる。ウィーバーはERのトップだ。辞任となると院長も理事会も看過しない。理由を問いただすだろう。それこそウィーバーの狙うところだ「私はER部長でありゲイでもあります。キムの解雇を撤回しなかったら、この問題を評議委員会、市民自由連盟、マスコミ、どこにでも訴えて闘います」シリーズ7はここで終わっています。あとは見ていないのでわかりませんが、ウィーバーが対決姿勢を明らかにしたことで、同性愛に対する社会の大多数の見方に一石を投じました。「告発の行方」といい「バッド・ガールズ」といい、キャプラン監督は「闘う女」でいい映画を撮っていますね。

 

Pocket
LINEで送る