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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2017年5月30日

特集 LGBT—映画に見るゲイ230 
ミモザの島に消えた母(上)(2016年 ゲイ映画)

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監督 フランソワ・ファヴラ

出演 ローラン・ラフィット/メラニー・ロラン

シネマ365日 No.2131

ジーン

特集「LGBT—映画に見るゲイ」

母親クラリスには女性の恋人がいた。母が通うパリの絵画教室で絵を教えていたジーンだ。ジーンはクラリスが人妻と知らず、二人きりになったとき、思わずキスしようとする。クラリスは驚く。教室に来なくなった。恋焦がれたジーンは半年後、クラリスに会いにミモザの島ノアールムーティエを訪れる。クラリスが自分を受け入れるかどうかわからなかった。賭けだったと、のちにジーンは言っている。浜辺で子供たちを連れたクラリスに再会する。クラリスの驚きは笑顔に変わった。ここから映画は急展開します。母の死の真因を調べる兄アントワーヌ(ローラン・ラフィット)と、過去の蒸し返しに否定的な妹のアガット(メラニー・ロラン)。兄貴が頼りない。ヨリを戻したいと元妻に提案してもキッパリ断られるし、職場はクビ。アガットは自分の母は継母のアンヌ=ソフィだけと思っているから、兄貴と呼吸が合わない。退屈な展開を救ったのがアントワーヌの娘マルゴだ。「パパ、わたし、ポーリーヌを愛している」そうメールした。でも感度イマイチのパパではね…削除して叔母のアガットを訪ねる。女の子を好きなの。悩む姪を抱き、アガットはやさしく髪を撫でてやる▼そのときアガットの記憶に閃光が走った。30年前の光景だった。母親を探して母屋に走っていったアガットは、窓の外からママがジーンといるのを見た。二人が交わす激しい抱擁に、アガットは子供心にも「見てはならぬもの」を見たと感じ口を閉ざし、記憶は時間の底に沈んだ。その年の8月の終わり、ジーンがパリに帰った日、母は死んだ。アントワーヌは10歳。アガットは5歳だった。何があったのか。父は事故とだけ教えた。母の遺品の時計や元家政婦の証言を遡り、時計の裏に彫られた「永遠に。JEAN」は、男名ジャンではなく女名ジェーン、つまりジーンだったと兄貴は突き止める。ジーンはパリで大手画廊の経営者となっていた。クリスマスの夜、マルゴを連れた兄貴は画廊「ジーン・ウィズマン」の玄関から、総ガラス張りの二階を見た。タクシーから降りた自分たちを、パンツ・スーツの似合う細身の女性が眺めていた。ふたりは窓の人影に小さく手を振り「彼女だよ」「きっとそうだね」とささやきあった。母が愛した人。アントワーヌは懐かしそうに微笑みを浮かべた▼恋人の息子と孫に、ジーンは語る「再会してすぐ、わたしたちは離れられなくなったの。彼女は夫の不在に苦しんでいた。特に義母との関係に。仲がよくなかったのよ。8月になると、わたしたちの関係が義母に知られたとクラリスがいった。子供を連れてロンドンへ逃げる約束をしたわ。ロンドンの姉に部屋の準備を頼んだ。8月29日、子供を迎えに行った後、そのまま家に帰らず19時に駅へ行くわとクラリスはいった。待っていてねと。わたしは最高に幸せだった。翌朝出発しようとしたらフロントで手紙をもらった。女性が届けに来たという」ジーンはその手紙を見せた。こうあった「ジーンへ。どうか怒らないで。一緒に行けません。夫や子供たちを不幸にできない。子供には父親が必要よ。わたしたちは出会ったのが間違いだった。二度とわたしに会おうとしないで。これがわたしの選択です。クラリス」

 

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