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特集「ダンディズム-dandyism-」

2017年6月16日

特集「ダンディズム3」 ⑥ コリン・ファース 
ブリジット・ジョーンズの日記3 ダメな私の最後のモテ期(2016年 恋愛映画)

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監督 シャロン・マグワイア

出演 レニー・ゼルウィガー/コリン・ファース/パトリック・デンプシー

シネマ365日 No.2148

トナカイのセーターの似合う男 

ダンディズム3

よかったわね、ブリジット、結婚できて子供は授かり、この映画、めでたくこれで終わってくれるのね。やれやれだわ。そういいながら「1」から本作まで全部見ています。監督がシャロン・マグワイア、第一作でレニー・ゼルウィガーを世界の人気者にした仕掛け人。モテない女の「等身大」に、密かに励まされ元気づけられた女性がどれだけいたか、女性監督の読みの勝利だった。で今作もその延長線上ですが、おお、ブリジットはテレビ局でバリバリのキャリア・ウーマンではありませんか。誕生日に43本のロウソクのケーキを吹き消し、大いに盛り上がり、でも家に帰ればひとりぼっち。「ハッピー・バースデー・ツー・ミー」…この監督が世間体を無視して、本気で底意地の悪さ全開の映画を作ったら、絶対見に行くわ(笑)▼結婚して幸せになろう…「ブリジット・ジョーンズ」の軸足はみごとにブレません。世間にいる結婚したくない女など犬にでも食われろ。ブリジットは自虐ネタのように見えながら、実は「隠れ反骨」ではないかと疑ったほどです。猫も杓子も女性の自立を声高らかに唱える時代に、かくのごとくつつましく自分の夢を大事にする。コンサバというのは妥当ではありません、彼女こそ信念の女性ではないのか。いい男が目の前に現れ、しかもふたりも、どっちもが性格がよくてセレブ、自分の人生に迷いがなく、威張らず、パートナーを大切にし、一人は無傷の独身で、もう一人な離婚進行中、ブリジットを思いきれなくて離婚に至ったという、まともに聞いていると「こんな映画のどこが面白い」といって当たり前の構成を「よかったわね、ブリジット」にしてしまうのが他ならぬ「モテないフツーの女」の設定なのだ。モテない女だから許せる、モテない女だから優しくなれる、フツーの女だから笑って見ておれる、仮にブリジットをエマ・ワトソンが演じてごらん、ムナクソ悪くて誰も映画館に来ないわよ▼巧妙に監督が張り巡らした「モテない女ブリジット」の前に現れる白馬の騎士は、さてどんな俳優がいいのだろう。難しい。ブリジットの年齢と過去を思いやるやさしさと、想像力とインテリジェンスの持ち主でなければならない。しかもヒュー・グラントを退場させたあと、画面が枯渇しないコメディの要素が欲しい。頭がよくてユーモアがあって、誠心誠意、女を愛することのできる男。こうなると「トナカイのセーター」の似合う彼しかいない。そうなのだ、マックことコリン・ファースこそがブリジットを救える男の中の男なのである…本作の男性ふたりは出来過ぎの上にも出来過ぎで、天然のブリジットがヒロインでなければ笑ってすまされない。パトリック・デンプシーも良かったのですが、ここは長年の付き合いということで、コリン・ファースにダンディズムを担ってもらいます(笑)。マークは結婚したものの、ブリジットが懐かしい。再会し、早速ヨリを戻すーなどという軽薄な男ではない。彼は見守るようにブリジットを眺め、その一方で相変わらずのコチンコチンで、ライバルのジャック(パトリック・デンプシー)が身重のブリジットに「バッグを持とう」…マークは「僕はケータイを持つよ」。こういうツミのない爆笑シーンで男ぶりを上げる俳優って、ホント、得難いですね▼原作者のヘレン・フィールディングは「高慢と偏見」のダーシーを元に、「ブリジット・ジョーンズ」のマーク・ダーシーを作り上げたといいます。なかなか恋心を伝えられず、ヒロイン・エリザベスにつれなく、嫌われながら思い続け、最後に結ばれるイギリス文学ラブコメの古典。コリン・ファースという端正な人でなければ絶対似合わなかった役だと思います。

 

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