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特集「ディーバ(大女優)」

2017年7月7日

特集「ディーバ15」ジュリアン・ムーア⑦
セブンス・サン〜魔使いの弟子〜(2015年 日本未公開)

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監督 セルゲイ・ボドロフ

出演 ジュリアン・ムーア/アリシア・ヴィキャンデル/アンチュ・トラウェ/ジェフ・ブリッジス/ベン・バーンズ

シネマ365日 No.2169

ドジなジュリアン 

特集「ディーバ15」ジュリアン・ムーア

魔法使いではなく「魔使い」の師匠、グレゴリーがジェフ・ブリッジス。彼が地下の穴倉に閉じ込めた最強の魔女マルキンがジュリアン・ムーア。ジュリアンがなんぼダボハゼとはいえ、どうしてこんな映画に出たのでしょうね。ファンタジー映画だからストーリーが単純とか、勧善懲悪とか、お定まりの展開は我慢するけど作品そのものが幼稚なのよ。幼児的と幼稚とは違う。いい年になった大人でも幼児の部分を隠し持つ人はいるし、決して社会不適合ではないけど、幼稚となると話は別よ。お粗末なのよ。それに類型的だわ。女の悪役は「魔女」で統一されるのね。魔女は闇の世界を支配する。まあ、パワフルで素敵、と思うのは女だけで、男にとってはどこまでも都合が悪い存在。男は昼の「まとも」な世界をルールと秩序で支配してきたのに、女がイッチョ噛むと一挙に台無しにする。だから「魔女」とか「狂女」とかレッテルを貼って、さっさと火あぶりにでも磔にでもするべし。これが男社会の統一見解だったわけね▼この映画はシンプルそのもの。魔使いのじいさまジェフ・ブリッジスがジュリアン・ムーアと(邪魔くさいから役者名で行きます)不倫に走り、妻を捨てるはずがそうはせず、山頂の穴倉に閉じ込めサイナラ。ジュリアンはこんな男と知らなかったと最後に文句タラタラ「馬鹿だったわ。お前に騙された私が。私を愛しているなんてウソ」「かつては愛していた」「その愛は今も?」「もうない。そのかわり憎しみも消えた」なんて調子のいいクズ男。ジュリアンの魔女も魔女ね。どこまで人が好いのよ。じいさまは「俺が一人でカタをつける」とジュリアンと一対一で対決するのだけど、口ばっかり。途中で弟子が助けに来て、男二人がかりで女をやっつけるのよ▼そうそうたる女優たちがおとぎ話の魔女役をやりたがるのはなぜ。シャーリーズ・セロン「スノーホワイト/氷の王国」、ケイト・ブランシェット「シンデレラ」、アンジェリーナ・ジョリー「マレフィセント」、ティルダ・スウィントンまで(昔のことだけれど)「ナルニア国物語第1章/ライオンと魔女」なんて。いい加減にしろよ。ケイトがインタビューで「シンデレラ」は、おとぎ話はこの世界が完全な場所ではなく、子供たちが克服するべきリアルな現実があることを教えている、なんてもっともなこと答えていたけど、それはいいとして、でもそれが出演するべき作品の選択肢になるの。よくわからんわ。イージーというしかないわ。卓抜なCGで描き出す映画の世界もいいけど、撮影技術の超速な進歩で、ドベタな役者でも格好つくようになったのね。超一流の女優は、娯楽大作に出るのはいいとしても、繰り返し選ばないことね。わずかな例外を言えばエヴァ・グリーンだわ。彼女はダークな世界とビッチが好きで、性格にあっているのよ。だからいい演技をする。役の選択はまず気質で選ぶことだわ▼脇の豪華なこと。「リリーのすべて」のアリシア・ヴィキャンデルに「黄金のアデーレ」のアンチェ・トラウェ。オリヴィア・ウィリアムズまでいるわ(いてもいいのだけど)。彼女は本作の直前「マップ・トゥ・ザ・スターズ」で子役の息子を売り込む、野心に燃える母親役でジュリアンと共演しています。ああそうか、本作の出演は、デヴィッド・クローネンバーグ監督のしごきにあった二人の息抜きだったのかしら。

 

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